時間のないなかで手引きが出てきたので、どんな内容なのかなと心配してみていた割に、かなり網羅的で優れた内容であってみているこちらがびっくりしたんですけれども。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」
https://www.primary-care.or.jp/imp_news/20200311.html

 正直、いまのコロナウイルスの問題については、これと厚生労働省が出しているQ&Aですべて事足りる、というぐらいに政府からの発表内容そのものは充実しています。

新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html

 課題は発信力のところなんですけど、宇佐美典也さんが書いておられることはもっともでありまして、さてこれからどうするか、と言ったところです。先日、みんなの介護にもこのあたりの論点は触れたのですが、コロナウイルスは「高齢者が重症化しやすい」という意味で、当初思われていた「治りやすいHIV(エイズ)」ともまた違う拡大傾向を辿っているので注意が必要なんですよね。

https://twitter.com/usaminoriya/status/1237750567289548801
「高齢者と家族の負担増」は本当に社会保障改革の処方箋?救急医療も薬も介護も値上げで国には頼れない時代が来るのでしょうか https://www.minnanokaigo.com/news/yamamoto/lesson37/

 厚生労働省の図でいくと(これが正しい施策であるという前提で)、緑で囲った枠の部分がこれから問われるべき部分です。

kokore.png
 「罹らないようにする」だけでなく「罹っても亡くならないようにする」プロセスを睨みながら、社会保障、とりわけ公衆衛生の一番重要なところに医療リソースを充実させましょうという話になる。

 そこから、感染症に強い社会制度作りを今回のコロナウイルス問題の反省も踏まえてやっていきましょう、という話になるので、医学的、疫学的な見地だけでなく、通信技術、個人情報関連など専門分野と連携させながらどう前進していくのかが試されている、と言えましょう。

 極論を言うと、新型コロナウイルスは季節性云々とは別に、感染が広がっていきながら、人間社会と共生し、みんなが一度はかかる病気にまでなっていくかもしれません。折り合っていかなければならない病気になるかもしれないんですよね。おそらく長くかかるであろう対策を打っていくにあたり、どういう着地点を目指すのか、考えていかなければならないだろうと思っています。



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