NewsPicksが有料会員さん向けにビジネスマンのインタビュー記事を作り、それを何回かに分けて薄めて流すという嵩増し策をやっているあたりに好感を持っているのですが、先日JDIをアレになった元常務執行役員の伊藤嘉明さんがなぜか単独インタビューされたうえで日本の製造業は駄目だ的なDISりをして、さすがにそれはないだろうということで、騒動になっております。

 記事の内容は会員になってからお読みいただくとして、基本的に日本企業DISが並んでおるわけなんですけれども、事実関係が???な内容も平気でそのまま垂れ流されていて、誰もJDIに検証かけたり裏を取っていない内容が盛りだくさんです。

[引用]

──そうして約30名集め、2018年4月1日に新規事業部門を正式に発足しました。

ただ、本当は1月1日スタートしたかったんです。日本の会社だから遅いんですよ。

--ここまで--

[引用]

──そもそも、こうした最終製品を販売する「BtoC」ビジネスを進めた狙いはなんなのでしょう?

サプライヤーとして、例えばリンゴマーク(アップル)の会社に納めてきたけど、結局、彼らの言いなりじゃないですか。「BtoB」ビジネスって上流に行かない限り、あるいはコモディティじゃない技術を持ってない限り、どんどん買い叩かれますよね。中国や韓国の企業と価格勝負になったときに最終的に負けますから。

--ここまで--


 JDIが海外勢と増資・部門売却交渉をする中で、そのJDIから切り離せと言われていたのがこの伊藤嘉明さんと、冨山和彦さんの運営する経営共創基盤(IGPI)だったはずで、言い方は悪いですがうまくいかなくてアレになった釈明として、大上段に日本型組織や製造業をDISって「俺たちは悪くない」と言っているようなインタビューに仕上がってしまうのはなかなか残念な話であります。

 こういうの、恥ずかしくないんですかね。
 というか、NewsPicksもカネを払ってくれている有料会員に対して、よくこういうの検証なしに読ませますね。もちろん、JDIが日本人の税金を吸い込んで、もうこれ以上アカンとなって、二束三文で海外に売られかねないっていうところまで切羽詰まっているので、JDIはなぜここまで駄目であったかを検証するというのなら分かりますが、その意味では、常務だったこの伊藤さんこそ戦犯の一人であって、彼に日本企業はいけないと断じさせるよりも、具体的にJDIで対Appleなどとのサプライヤー交渉で何をしでかしたのか敗戦の検証をさせたほうが責任の取り方としては正しいんじゃないですかね。税金あれだけ突っ込んだときの常務ですよ?

 案の定、界隈は騒然としていて、コピーも出回るし、怒る関係者の気持ちも分かります。

 夏休みも終わりだし、クビ元の涼しい納涼記事でも送ろうという善意なんでしょうか。

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