激化する香港情勢については、非常に憂慮しておりまして、私もnoteやヤフーニュース個人の場を借りて、日本として、日本人として、香港市民のデモに対して平和的な解決を求めるべき、という記事を書きました。

香港が大変すぎて、見ていて悲しい|山本一郎(やまもといちろう)|note(ノート) https://note.mu/kirik/n/n54e0bae5bd49
香港を見捨ててはならない「3つの理由」(山本一郎) - Y!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20190819-00138895/

 この中で、『香港における政府当局による強権的な動きをけん制するため、日本版『香港人権・民主主義法案』の議論を開始することを日本の国会議員に求めます!』という署名活動にも呼びかけ人として私個人も賛同しているのですが、公明党の遠山清彦さんや、自由民主党橋本岳さんら訪中議員団(第7次日中次世代交流委員会訪中団メンバー)11名がさっそく中国側当局者に香港問題について見解や方針について問い質しています。

橋本岳 -Facebook
https://www.facebook.com/gaku.hashimoto.3/posts/2928336430574249
香港情勢、沈静化に自信=中国高官
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190819-00000100-jij-cn

 国対国の関係においては、中国発のリセッションが目の前に迫っている中で、中国側もアメリカとの対立に対する「バックドア」として、日本との関係改善に乗り出している状態ですから、安倍晋三政権としてはやはり中国との信頼度を回復する方を日本として優先するというのも分かります。

 一方で、国際的な世論を命綱にするように、悲壮な大規模デモを香港市民が繰り返している件については、アメリカや日本のような民主主義国こそ彼ら香港市民の側に寄り立ち、香港を捨て石にしない、見殺しにしないで彼らの生命の安全と尊厳を守るよう、そして返還後50年は政治体制を変えないなどとした一国二制度の遵守を最低でも中国には守ってもらえるよう手配するべきだと思うわけです。

 しかしながら、周知の通り10月1日の国慶節までに香港デモを武力制圧なしに沈静化させるというのは、いかに中国が強権政治を揮おうとも実に厳しいものがあります。この香港デモの長期化が続けば中国国家主席である習近平さんの指導力に疑問を呈される事態となり、景気後退と相俟って一気に中国政治が流動化する可能性さえ秘めています。

香港からマネー流出の兆し、デモ深刻化受け
https://jp.wsj.com/articles/SB11242116211589053556304585497040778510922

 「逃亡犯条例」の影響で起きた社会不安から香港の市場が動揺した結果、香港ドルのドルペッグが崩壊すると、これまた通貨危機や世界経済への負のインパクトが増大することは間違いないので、平和な世界によって最大の利益を得ている我が国日本としても、改善を図る日中関係とは別にきちんと香港問題への対処を求めていかなければならないと思います。

 そのような環境下で日中次世代交流委員会訪中団が中国にこの問題を問い質すことができたというのは絶妙なタイミングでしたし、良い形で布石になったのではないでしょうか。
 やはり、不測の事態を迎えるにあたり考えておくべきことは、最悪のシナリオも考えたうえで「ほら! ボク言いましたよね!!」と先回りして釘を打っておくことであって、これをきちんと取り回しながら日本のプレステージを引き上げ、限りある日本の外交資源を有効に活用していければと思うわけであります。

 蛇足ながら、経済的に豊かな中国系移民(中国本土からが多い)が多いカナダ・トロントでは、英語もまともに喋れるようにならない現地の中国人の若者が、ポルシェなど高級外車に中国国旗立てて「反香港デモ」をやっておりまして、無事英語圏の皆さんの反感を買っておられ心が暖まりました。

 我が国でも、SEALDsが香港支持デモをやっているようで、あちこちでいろんなことがありますね。

有一种爱国,叫在多伦多“豪车炸街”
https://mp.weixin.qq.com/s/GR8NYKiOfK9vFxMKcFygjg
http://web.archive.org/web/20190820053200/https://mp.weixin.qq.com/s/GR8NYKiOfK9vFxMKcFygjg

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