物流界隈で微妙な雰囲気で話題になっていたので読みに行ってみたんですが、私はそこまでの違和感は持ちませんでした…。

 執筆者は伊藤有さんで、元のお題は2015年に導入した100円ショップ『ダイソー』の需要予測モデルに関する講演の話です。

ダイソー快進撃を支える「毎晩105億件データ処理」する需要予測システムはどう生まれたか
https://web.archive.org/web/20190617113046/https://www.businessinsider.jp/post-192845

 もちろん、着眼点はダイソーがきちんと夜に店が閉まる業態であり、毎晩105億件しか処理されていない(ただし2015年時点)という話で、24時間業態の人たちからすれば「楽でいいな」という感想しか持たないかもしれません。4年前ですからねえ。いまはもっと大きなデータを運用しているのかもしれませんが。

 おそらく、配送回数が少ない割に多品種であり、それでいて超過ロス(廃棄ロス)の起きない、腐らないものがメインだからだろうとは思います。もちろん、ダイソーに行けば分かるのですが、店舗によっては食品も扱っていて、そこは超過ロスの宝庫になる恐れもあります。が、とりあえず扱う品目の多数は腐らないものであり、また、夜に在庫を並べ替えさえすれば欠品が起きないという優れた業態なので、データ処理量が少なくて済んでいるという話ではないかと思います。

 ところが、記事の中では「大きい(ように見える)システムがamazon依存でサーバーレスに行われていて凄い」とかいう話になっておりまして、おいちょっと、という感じは確かにします。むしろ、少ないデータ処理量でもあれだけの多品種の需要予測と在庫管理補助ができているのはダイソー凄いって話でいいんじゃないかと。

 さらにできることはたくさん残されていそうな講演内容でしたが、しかしこのぐらいの多品種になると需要予測の精度を上げようとすると過学習になったりするでしょうから、このぐらいが一番ちょうどよいのかもしれません。

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