どっちがどっちというわけでもないのですが、外野からしますと「箕輪厚介さんが燃え尽きる前に座組が壊れるとは思わなかった」という事例で、どうもNews Picksを擁するユーザベース側が、抱える優良顧客向けに定期的に配本するNews Picks Booksの事業パートナーとしてやってきた幻冬舎を切る話をしたとかで、幻冬舎の見城徹さんがTwitter上で激怒し愚痴をぶちまける事態に発展し、面白事案になっています。

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 まあ、何だろうと思うわけですが、何かをぶちまけるにせよせめて市場が閉まってからにしてほしいと投資家的には感じたりも致します。

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 もちろん、見城さんも故あって怒っているのだとは思いますが、News Picksはユーザー数360万人、有料会員数9万人以上という状況にあって、面白ビジネス本の出版がメインになっている幻冬舎と組んでいることでこれらのビジネスユースの会員さんが果たして満足するのか、News Picksとしては幻冬舎にこだわらず、日経新聞系列や東洋経済、ダイヤモンドなど有力経済媒体との全方位外交にシフトしたほうがよかろう、と考えてもまったくおかしくはありません。セミナー商売やサブスクリプションの出版サービスの利益率は維持しながら、もっと広いジャンルの経済情報を扱ったほうが顧客満足を高められるのは間違いなく、見城さんの力量や面白本の企画力だけでモノを売っていくむつかしさや、パートナーとしての利益配分の状況を見ると「まあここで別れるのもやむなし」のようにも外部からは見えます。

ユーザー数360万人! ソーシャル経済ニュース「NewsPicks」
https://media-radar.jp/detail3666.html
マーケティング=広告ではなくなっていく/西井敏恭氏が聞いた「NewsPicks」が支持される理由 (1/3):MarkeZine(マーケジン) https://markezine.jp/article/detail/30081 

 News Picksもビジネスマン向けのでっかいはてなブックマークみたいなもんですし、相変わらずランディングページは泥棒状態で、正直News Picksの中で話題となり記事が取り上げられていてもやってくるアクセス数はスマートニュースやグノシーの五分の一程度ですから、もうちょっとどうにかしてほしいと書き手としては思うわけですが。

 一方の幻冬舎も、著名著者の企画本に固まり過ぎていて、一定の読者層にはがっつり刺さる優秀な企画力のある出版社ではありますので、変にNews Picksのような新興ネットメディアに関わり続けるよりも、メディアミックスや企画本の開拓といった本来の強みを持つ方向に回帰したほうが競争力は高まるんじゃないかと思うんですよね。ただ、見城さんのことですから、「一緒にやるっていったじゃん!」 みたいな筋論になって、レピュテーションの問題を承知で「このやろう」という怒りのツイートを書いちゃった! という流れなんじゃないかと思ったりもします。

 とりあえず太田出版のリンクだけ置いておきますね。

『絶歌』の出版について - 太田出版 http://www.ohtabooks.com/press/2015/06/17104800.html