ちょっと東京を留守にしている間に、沖縄県知事の翁長さんが亡くなられるというショッキングなニュースがありました。

沖縄・翁長雄志知事が死去、67歳 9月にも知事選:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASL886HNML88TIPE02Y.html

 知人の会合やご紹介の席で3度ほどご一緒しただけではありましたが、非常に問題意識が鋭く、また本土の政治の在り方についてと沖縄の現状との落差に非常に悩み、嘆き、憤っておられるさまが大変に印象的な人物でした。個人的には意見が全く合わない部分もありましたが、問題への取り組み方は非常に誠実で、また、お歳や立場の重さにも関わらず行動的で直情の動きが物議を醸していたものの「ああ、あれは翁長流だよなあ」という感じです。

 今年お会いした際には「沖縄の考えや在り方を伝えられる後継者を」というお話を繰り返しておられ、きっと何か思うことがあるのだろうと感じていたところ、思いのほか病状が早く進行されたのか、非常に惜しい形での訃報になってしまい残念でなりません。親族が同じく膵臓がんを患って長く闘病しているお話をした際には、笑って闘病仲間によろしくと声をかけていただいたのが心に残ります。

 おそらくは、まだまだ長く政治活動を続けていかれるお考えだったと思います。また、翁長さんの支援者の方々も、沖縄県民もこれからどうするかを未来志向で翁長さん中心にお話しされていたようですし、この翁長さんの「次」を考えることのできないうちのご逝去には胸に来るものがあります。

 この人ほど、沖縄を愛した人もいないんだろうなあと感じますし、沖縄に面した海の広さを感じさせるような、本質的には心の広い、穏やかな御仁でした。状況が許せば、違う考えや意見にも「そういうお考えもあると思います」といったんは受け止めることのできる度量、また、湧き上がってくるさまざまな意見を掬い上げる力は相当なものであったとも思います。そうお付き合いが深いわけではなかったのですが、お話を直接お伺いしている中では、最後まで「現場の人」「現場想いの政治家」を貫かれたのだなあと惜しむ気持ちでいっぱいです。

 「東京の人は、どうしてわかってくれないのかな」って笑いながら仰っていたのを思い出しながら、彼の遺志をきちんと繋いでいけるような沖縄政治であってほしいと心から願っています。


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