より正確には依存というより障害だろうというと思うわけですけど、WHOが「ゲーム依存症」を精神疾病の疑いに認定、いわばゲームプレイに対するのめり込みを問題視する動きが強くなってきました。

 WHO,いわゆる「ゲーム依存症」を精神疾病と認定。国際疾病分類の最新版に盛り込む https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20180619008/ 
WHO、ゲーム依存症を「疾患」認定へ 予防や治療必要:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASL6K741TL6KULBJ009.html

 以前、この話は4Gamerでも書きましたし、おそらく「ゲーム時間(週30時間以上、など)」と「経済的問題」についてはゲーム業界の見解はどうであれ社会的には制限をかけていこうという話になるのではないか、と考えています。個人的には「え、週30時間なんて普通にプレイするだろ」と思うわけですが、それだけの時間をゲームに注ぎ込んで社会的に「就業や学業に影響がないとは言えない」と言われればまあそうなのかなと感じる部分もあります。

 【山本一郎】「ゲーム依存症」問題から見るガチャ商法規制の今後 https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20180402094/ 
4月26日、『黒川塾』で”e-sports”や”スマホゲーム依存症”について語ります - やまもといちろう 公式ブログ https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/13182336.html

 一方で、ゲーム依存というか障害を抱えている人が何百万人というクソみたいな試算をするのは盛りすぎだろうと思うわけです。「好きなゲームは飽きるまで続けていたい」というのはゲーマーの基本的な行動原理で、そこに経済的問題(ガチャを回し過ぎてサラ金で借り入れまで起こす馬鹿が出る)とか、精神的錯乱を起こす(ゲームのことが頭を離れず、仕事や学校の授業に集中できない)ことまで問題視されるのが果たして「ゲームの健全化に繋がるのか」と訊かれると、いや、それは趣味に没頭する人の自由もある程度は加味されるべきだろうと思う部分はあります。

 「議論としてはこれから」と厚生労働省の人たちも言っているので、いきなりどうのこうのというのは無いと思いますが、ゲームのプレイ時間(あるいは金額)に対する総量規制をゲーム業界が行うべきと言われる可能性はこれからどんどん高くなっていくでしょう。私も含め、ゲーム好きとしては「おい、そこまで言う必要がどこにあるのか」と思いつつも、実際に子供たちがゲームにハマり過ぎて勉強しないことに悩む親の心境や、国民が障害を起こしかねない状況のまま行政が放置するわけにはいかないという議論が出始めると、とたんにゲーム業界は苦しくなります。

 ソーシャルゲーム業界も誇大広告や射幸性を煽るガチャで経済観念が薄い子どもやギャンブルにハマりやすい遺伝的性質の人たちをカモにし続けてきた部分もあるわけで、まあ問題の無いところまでうまく軟着陸してほしいと願う次第です。


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