本人の自業自得もありつつ、小池百合子女史は自分の周りにちゃんと汗をかいたり、言いにくいことを組織に伝えたり、本人の代わりに代弁してくれるまともな人を一人も置いておかないので、結果として周囲が状況に立ち往生してしまうわけですよ。

 小池百合子女史は実務の「じ」もやらない人だと弁えて、肩代わりしてくれる番頭がどうしても必要であって、もちろん目立たない人で良いので地道にやってくれる信頼できる同志が一人でも二人でもいれば、随分違ったと思うんですよ。

 でも、周りにある意味でイエスマンを揃えたがるし、トップ自らが独断専行をしてしまうので、茶坊主みたいなのか、役立たずのいずれかしか組織に残らないようになっている。これは都民にとっても悲劇であるし、都庁、都民ファースト、希望の党、どこでも同じ問題を起こしているわけです。

 それは、防衛省の大臣という重要閣僚が転がり込んできて、勝手に事務次官クビにして、当時の官房長官であった塩崎恭久さんという切れ者の瞬間湯沸かし器と喧嘩して更迭された事例ひとつとっても「この人はイメージで物事を進めて、着地点を決められないうえに人に相談できないのだ」ということは良く分かります。だからこそ、身を捨て都知事選に転出できるような勝負勘はあっても党内で権力を掌握し上を目指すなんてことは全くできない人なので、今回のように流れを作って一発勝負に挑むことでしか野望を達成できないのでしょう。

 いちど、月が欠けると速いのです。自分で自分の出馬も焦らしているから、テレビ広告の手配も進まず、おそらく公示後は山ほどネット動画が流れます。そのカネだって、立候補した人からの上納金ですけど、そういうお金で作成され、ベクトル経由で押さえられた広告枠で流される、小池百合子の小池百合子による小池百合子のためのイメージ動画です。

 それでも、こうなった以上は頑張らざるを得ません。候補者一人ひとりにそこまでの罪はありませんし、裏方や会計、法務をやっている人たちは真面目にどうにか状況を改善しようと頑張っている人たちでしょうし、善戦を期待したいです。判断するのは有権者ですから、日本にとって良い形で、最善の結果が常に出ると信じて、政治報道を見ていきたいと思う次第です。

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