先日、デイリーニュースオンラインで「民進党の混乱」について記事を寄せたところ、比較的民進党の立ち直りに期待する文言に反発した方から熱いメッセージをいただきました。何度かやり取りしているうちに、民進党そのものについてあまり詳しくないけど親韓親中路線についての話がメインになっていたこともあって、おそらくは民進党支持の本丸は必ずしもそこじゃないと思いますよ、むしろ純粋なリベラルや反自民の受け皿としての期待のほうが大きいはずですよ、と伝えたところ、まあまあ納得していただけたわけです。

ブーメラン芸に党内対立…民進党が本格的に訳が分からない件|やまもといちろうコラム http://dailynewsonline.jp/article/1296674/  

 最近では、民進党の中でも保守派に位置する、それでもリベラルの政策にも理解があるような立場の長島せんせの民進党離党、独立の方針が打ち立てられて、これは如何したものかと感じるわけです。

長島昭久「独立宣言」―真の保守をめざして
http://blog.goo.ne.jp/nagashima21/e/058152207e583f2b977911d059adaffc

 もちろん、森友学園問題であれだけ攻勢をかけて不発だったうえに、予算審議もそっちのけでかまけている間に北朝鮮が変なことになってしまったり、不運なところはあるのでしょう。ただ、それ以上に自民党が打ち出す微妙な経済政策にすら、代替となるような魅力的なプランが打ち出せておらず、玉木雄一郎せんせを筆頭に自民党がやることへのカウンター、リアクション芸に終始してしまっているので本格的な党勢の立て直しには至っていないのが問題なのでしょう。

 また、実際にはアベノミクスの経済政策の一部は最低賃金の引上げも含めて極めてリベラルな政策であって、民進党がこれ以上リベラルな政策を実現しようとするには一層の経済成長をもたらす施策を打ち出さなければならないというジレンマもあります。要は、アベノミクスが内的な要因よりも中国経済の失調など外的な問題でとん挫した後で、初めて民進党に経済論戦で有利な地形が回ってくるという敗戦処理的なポジションになってしまっているのが問題なわけです。そして、いったん中国経済が変調したり、米中対立が激化して世界経済が縮小にでも転じようものなら日本国内一国の経済政策でどうにかなる局面ではなくなっていきます。

 頑張って経済成長したほうが良いのだろうけれども、全力でやってもなお低成長になってしまうのは人口減少局面では仕方のないことです。それでも日本の未来にどんな価値を見据えて政策を実現していくのか、本来であれば野党の側がビジョンや理想を掲げて与党に挑んでいくべきところが、蓮舫女史の二重国籍問題でいきなりケチがついて、選挙に勝つための野党共闘路線に固執して共産党と一緒になるようでは自民党の代替として責任政党を目指し政権交代を考えるどころの騒ぎではありません。

お前らの賃金は上がらないのに「完全雇用」で人手不足の日本
http://bunshun.jp/articles/-/2010 

 民進党が目を覚まさない(責任ある形できちんと自民党の代替政策を立案できる組織作りを目指す)状態は日本人として非常に不安であって、そりゃスキャンダルがあっても安倍政権の支持率は下がらないでしょう。それも、スキャンダルと言っても変わった感じの安倍昭恵女史が首相夫人として酷くやらかすという天祐のような事件があってもこの状態ですからどうしようもないよなあ、と。

 最近では、なぜか共産党を除く小沢一郎さんとこと社民党の合併話まで出てきているようです。これでは連合も民進党を見放す可能性さえも出てくるわけでして、これはもう民進党解体出直しもあり得るぐらいの勢いで何かを考えないと大変なんだろうなあと思う次第です。 

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