という原稿を寄せたところ、とても読まれました。ありがとうございます。

「人工知能(AI)に負けない子供への教育」の議論に意味はあるか|やまもといちろうコラム(前編)

 人工知能の開発周りでは完全に投資家モードになっているため、あんま具体的な話は何一つ知らんわけですが、フィンテックや最適化方面の人工知能は「人工知能だからこれができる」というよりは「人がやっていて自動化すればこんなに簡便化できる」みたいな方向に完全に寄っているため、やっていることそのものにあまり新味はないのです。 

 例えば、医学の世界では外来の問診が、患者独自の個人情報(PHR:パーソナルヘルスレコード)が医療機関同士で共有されていれば、おそらくこういう疾病の可能性があるかもしれないという前提情報をもって主訴の分析ができるようになりますし、それらの実現は人工知能単体の問題ではなく、医療データの利活用から診療技術の平準化までさまざまな社会システムと人工知能のプロトコルが一致して初めて成立するものです。

 なので、質の低い医療に従事するヤビーな医者からすれば死刑宣告でしょうが、そうでないまともな医師は、これらの人工知能に職務のいくばくかを譲りつつ、より患者の命を救える価値のある医療行為に従事できるようになるでしょう。それらは、人工知能に医療業務が取られるのではなく、人工知能が知り得ることをすべて医師が分かったうえで、活用していくものになるはずです。

 そんでは、そういう人工知能に仕事を奪われるでござるという世界観で何をビビるかというと、その人工知能によって簡略化される仕事そのものを生業にしている場合です。これであっても、人工知能が生まれる前から、自動化は人の仕事を奪い続けてきたわけで、定型業務のほとんどは人がやる必要がなくなる世界になるのであれば、非定型な価値あるものは引き続き人間が取り組む必要があるのでしょう。その点では、教育において問題解決能力がどうたら、PBL(プロジェクトベースドラーニング) がなんだという話は、然るべきアンテナを親が張り、子供に対してちゃんとガイダンスしてあげればどうにかなるものなのかな? と思うわけであります。

  ま、私も教育には自信がないので、どうにか頑張ってもらうか、駄目にならないように私も勉強するしかないんですけどね。

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 で、さっき子供が寝る前に「バイきんぐバイきんぐ」騒いでいたので、フジテレビの昼番組か、「なんて日だ」で著名なお笑いコンビかと思ってたら、実は火星探査機バイキングのことだったわけです。いつの間にそんな情報を仕入れたんでしょう、我が家兄弟は… と書いてあるものを見たらどう見ても火星探査ローバーのキュリオシティであります。 

  この子たちが大人になるころには、人は火星に行っているのでしょうか。人工知能と一緒に。