題名は勇ましいですが、内容は雑記です。すいません。

 週が明けると、そこは選挙モードになっていました。何しろ、広島でオバマ大統領の感動的な振る舞いを見て、あれだけの外交的な勝利ポイントを達成した安倍政権ですので、一時的か恒久的かは分かりませんが速報の内閣支持率が55%に達し、一部通信社での自民党支持率も44%という空前の支持率になってバブル到来であります。野党もさすがにあの歴史的な外交劇を正面から否定するわけにもいかず、勝ち筋の見える争点も設定できない状態ですのでかなりしんどいよなあ… と思うわけです。

 一方で、先般の舛添要一都知事の件は、愛人隠し子問題から公私混同政治資金にいたるまで揉めに揉めて、問題勃発から二週間経ってもなお「舛添都知事は辞めるべき77%」とか残念な状態ですのでどうにもならないのでしょう。バッシングにどこまで耐えられるのか、都知事任期一杯務め上げて1億円を目指して針のむしろでもしがみつくのかなあと思っていたところ、今日になって辞任への動きが本格化しているという話が来ました。本当に辞めるのかは分かりませんけど、いろいろな醜聞が舛添さんを襲ってなお、誰も彼を守ろうとしないのが驚きです。

 もしも舛添さんへの嫌疑が本当であったとしても、では石原慎太郎さんが都知事時代はどうだったのか、政治資金について身奇麗でない政治家はほかにいないのかという話になりますとお通夜のような状態になるはずです。それを指摘しないメディアがどうだという批判もあるんでしょうが、それ以上に舛添さんをみんな嫌いだったってことなのかも知れず。

  一方野党は… というと言葉をいくら尽くしても足りないぐらいの状況ですけど、実際のところ、指導者の毛並みという点では日本の政治家はそれなりに素晴らしい人も多いんです。議論もできるし、政策に関する理解がある人も多く、勉強熱心な人ほどしっかりと考えて行動している。ただ、今回の話でも出てくるのですが、与野党の間で争点がない、だから選挙戦は野党が不利だ、みたいなことを野党幹部が平然と言ってしまうわけです。いや、それをビジョンとして掲げてこなかったから、いざ選挙戦になったときに国民に刺さる活動ができていないだけなんだよ、という話だと思うのですが、その辺は誰もアドバイスしないんでしょうか。

syouhi_koureika


 異論はたくさんあるでしょうが、数字を見る限りでは、安倍首相は国民からの高い支持を得ています。今回のオバマ大統領の広島訪問で、教科書に載りかねないレベルの偉業を達成した宰相になったよというのは、明らかな事実です。一方で、原発の問題や、親学、安保法制まで、もう少し国民と向き合って方針を策定しないととんでもない未来が日本社会に降りかかりかねないんじゃないの、という話が山積しているのもまた事実です。私が最近勉強している社会保障方面でも、安部政権なりに、自民党なりに頑張っているところはあるのでしょうが、消費税の増税の見送り(増税自体の是非はともかく)がもしも国の歳入に欠陥を呼ぶならば、社会保障費用は減額せざるを得ないのがいまのポジションなんですけど、なぜか増税見送りのところだけが議論されておるわけです。

 日本はこれから貧しくなっていく途上にあるとしても、最低でも次の世代、若い人たちにツケを回さないようにするためには何をしなければならないのかを考えるのが政治だよね、という話だと私は思います。いずれ厳しい状態に陥るようになるかもしれない日本の財政を、どうしましょうか、教育は、治安は、安全保障はといったところを、総花的ではない具体的な議論として優先順位を決め、未来を見定めてビジョンを分かりやすく策定して、国民に提示しないことには政治にならんのだと。

 ただ、実際に起きていることは、目の前の宿題に取り組むのに精一杯で、そもそも学校を出てどうするのか考えていない苦学生のような事例です。昔は成績優秀だったけど、いまはちょい微妙な感じで、でも真面目で。 

 たぶん、日本の国民は全員うすうす分かってることなんですよ、このままでは駄目なのだろう、大変なことになる、ってことは。でも、誰かを犠牲にすることはむつかしいってなると、建前は全部用意しておいて、突かれてもコンプライアンス的に言い逃れができるように、サービス残業してでもうまく回そうとする。しかし、実際にはもう日本にはそんなに金もないし、国民が年金くれ、教育無償化しろ、残業代払え、公務員の生活を守れと言いまくっても全部を満たすことなどとっくにできない社会になってきてます。

 つまりは、”右肩下がり”の状況に適応するビジョンを作り上げ、それに見合った政治をすることが求められているのに、国民は”右肩上がり”の経済、社会体制であることを政治に求め続けるから、メリハリを効かせることができず、死ぬべき自治体や法人にも公費を突っ込んで、生きてる人も地域も一緒に共倒れしかねない社会に進んでいくわけです。

 もう高度成長なんて絶対に来ないんですよ。来ない理由は「現役世代がだらしなかった」のではなく、子供が減って、移民も入れないから経済成長などしないんです。デフレになるの、当たり前じゃないですか、人の数が減るんだから。需要が減るんですよ。空き家が増えて、資産価値ゼロになった郊外の戸建てに、35年ローン組んで借金返済してきた日本人が一杯いるんですよ。数千万で買った家が、老朽化して無価値になる社会が、人口減って経済成長するはずがないじゃないですか。ゼロ%だって御の字ですよ。毎年、社会に富を生み出す生産人口が毎年2%ぐらいずつ減っていくんですから。

 背伸びに背伸びを続けているから、公債費も44兆円毎年出て行ってます。これ全部、借金の返済と利払いですよ。「花見酒経済」なんていいますが、背負ってる酒樽から酒が無くなってしらふに戻ったら何も残らないのがいまの日本経済になってしまう可能性すらある。そして、社会保障費の国庫負担もおおよそ40兆円です。7割が年寄り関連の予算ですね。綺麗に年寄り養育費が、国債発行で充当され、見事に次世代にツケ回されているのが日本の経済の実態とするならば、これはもう回らないでしょう。

 本来ならば、参院選は憲法改正云々もありますけど、消費税上げたり増税して社会保障費を確保しようとするのか、増税見送って景気対策やる代わりに社会保障費ガーンと削って夜警国家モードに入るのかの二択の選挙です。だって、カネがないんだもの。誰だよ埋蔵金とかいって騙して結局無くて時間無駄にさせた奴。

 状況は結構待ったなしのはずなんですが、実際の政治はというと愛人問題やら野党共闘やらですったもんだして、時間ばかりが浪費されています。まあ、そういう人を選んだ有権者の責任ですから、どうしようもないんですが。ちょっとでも何か考えて、自衛していく以外ないのかなあと思う毎日です、はい。