サイバーエージェント側の認識とサイゲームスの中の人の考えが微妙に違うようなのですが、概ね「ややこしいことをしてしまったのでユーザー対応をきちんとする」という方針であることは良かったと思います。
![gb_160224](https://stat.ameba.jp/user_images/20230619/20/ralphyum/f2/2b/p/o0660044015301420608.png?caw=800)
ただ、以前4Gamerにも書きましたとおり、いわゆる「詫び石対応」 というゲーム内通貨で補償をするというのは、基本的にはユーザー被害がゲームの運営に依拠しない技術的な問題などへの対応に限定されるべきであって、今回のように消費者トラブルで運営会社側が事実上問題の所在を認めた場合は、本来であれば現金による返金をきちんと行い、対処する必要があるようには感じます。
それでも、ガチャに天井ができて、個別の確率表示が(第三者による検証は困難ですけど)なされ、相応の詫び石配布の対応がされたことは前進だということで良いのでしょうか。
なお、この問題が波及する先は概ね次の2つです。
1) それ以外の期日の問題ガチャに詫び石や返金対応があるのかどうか
15年12月31日から16年1月7日までのキャンペーンで行われた事案においてのみ、ユーザーに対する補償が行われる形になっています。それ以外の誤認事案があったと認められるとき同様の対応、またはそれ以上がされるべきという話になりはしないか。
2) 他の類似タイトル、同様のトラブル事案はどうなのか
今回のサイゲームスの補償裁定は、「何が理由で」詫び石対応になっているのかが明記されていません。ただ、問題だとサイゲームスが認識してくれたので、ある意味で善意でそれとなく詫び石対応されたという形です。これが、「何が理由で」詫び石対応されたのかが確定すると、類似のソシャゲで似たようなトラブルがあった場合、そのような詫び石対応をするよう多数の請求が出る可能性は否定できません。
ということで、業界の暗部を切り裂くトリガーを引いたサイゲームスが、今度は詫び石の理由に関する対外説明ひとつで業界全体が詫び石祭りへと発展するパンドラの箱を開けるかどうかの瀬戸際に立たされておるわけで、かなり微妙な展開になりつつあります。
なお、私の承知している限り、サイゲームスではないほかのタイトルでそれなりの規模の訴訟が提起される準備が進んでいるようです。あんまり詳しく知らないんですが、分かり次第、どこかに書きたいと思います。
(追記 13:56)
本件については、サイゲームス「グランブルーファンタジー」公式に、対応策の詳細が書かれていました。
懸案となっていた詫び石補償の理由が「ご不安の念を抱かせてしまいましたことのお詫び」とのことで、これはいったい何に対するご不安なのか良く分からないのがデリケートゾーンに指を突っ込んだサイゲームスなりの誠意なのかもしれません。
ただ、不安という意味では、ガチャ300回分9万円相当を回せば一枚欲しいカードが確定というやり方をして、適用されるキャラクターすべてが突然景品表示法ど真ん中の適用対象内にしてしまうというダイナミックなアプローチにしたことで、カジノ研究家の木曽崇さんも目が点のシチュエーションにまで進化して、むしろ不安になるわけであります。
木曽さんご指摘のとおり、今回の「300回ガチャ回してお目当てのものが当たらなかった人に、欲しいものプレゼント」は、9万円相当の取引の本体に付随する取引となり、景品扱いとなります。その場合、最大1回300円300回のガチャである9万円相当の取引価格の10分の2、つまり1万8,000円分の価値が景品類の最高額と規定されることになります。
![gb_160224_2](https://stat.ameba.jp/user_images/20230619/20/ralphyum/17/de/p/o0660027415301420611.png?caw=800)
このとき、例えばガチャの正価300円に対して0.01%、つまり1万回に1回の供出割合の目当てアイテムを「300回外れたからあげる」とするならば、経済的対価として300万円分の相当額(もちろん確率的には異論は出るだろうけど便宜的に単純に確率割にしますが)である目当てカードを9万円相当のガチャ外れの景品として供出するのはガイドラインに抵触する疑いが出ます。
まさかの景品規制20%ルールに自らを追い込むことで、対象となる希少カードやキャラやアイテムは1万8,000円以下の価値であると宣言したに等しいサイゲームスの英断はビビるわけですが、分かっておるのか春田。
基本的にとんでもないことをしているという認識を本来はもつべきところですが、お話の行く末についてはまだまだいろんなことがあると思うので注目してまいりたいと存じます。
![gb_160224](https://stat.ameba.jp/user_images/20230619/20/ralphyum/f2/2b/p/o0660044015301420608.png?caw=800)
ただ、以前4Gamerにも書きましたとおり、いわゆる「詫び石対応」 というゲーム内通貨で補償をするというのは、基本的にはユーザー被害がゲームの運営に依拠しない技術的な問題などへの対応に限定されるべきであって、今回のように消費者トラブルで運営会社側が事実上問題の所在を認めた場合は、本来であれば現金による返金をきちんと行い、対処する必要があるようには感じます。
【山本一郎】グラブルの消費者問題に寄せて――スマホゲーム業界全体に漂う問題を軽くまとめてみる
[引用] 今回のグランブルーファンタジーの場合は,ガチャの説明書きがユーザーの誤解を強いる可能性のある内容であり,景品表示法の優良誤認の疑いがある事案ですので,謝ってコンテンツを配って済む技術的な問題とはわけが違います。
それでも、ガチャに天井ができて、個別の確率表示が(第三者による検証は困難ですけど)なされ、相応の詫び石配布の対応がされたことは前進だということで良いのでしょうか。
なお、この問題が波及する先は概ね次の2つです。
1) それ以外の期日の問題ガチャに詫び石や返金対応があるのかどうか
15年12月31日から16年1月7日までのキャンペーンで行われた事案においてのみ、ユーザーに対する補償が行われる形になっています。それ以外の誤認事案があったと認められるとき同様の対応、またはそれ以上がされるべきという話になりはしないか。
2) 他の類似タイトル、同様のトラブル事案はどうなのか
今回のサイゲームスの補償裁定は、「何が理由で」詫び石対応になっているのかが明記されていません。ただ、問題だとサイゲームスが認識してくれたので、ある意味で善意でそれとなく詫び石対応されたという形です。これが、「何が理由で」詫び石対応されたのかが確定すると、類似のソシャゲで似たようなトラブルがあった場合、そのような詫び石対応をするよう多数の請求が出る可能性は否定できません。
ということで、業界の暗部を切り裂くトリガーを引いたサイゲームスが、今度は詫び石の理由に関する対外説明ひとつで業界全体が詫び石祭りへと発展するパンドラの箱を開けるかどうかの瀬戸際に立たされておるわけで、かなり微妙な展開になりつつあります。
なお、私の承知している限り、サイゲームスではないほかのタイトルでそれなりの規模の訴訟が提起される準備が進んでいるようです。あんまり詳しく知らないんですが、分かり次第、どこかに書きたいと思います。
(追記 13:56)
本件については、サイゲームス「グランブルーファンタジー」公式に、対応策の詳細が書かれていました。
「グランブルーファンタジー」の今後の方針について
懸案となっていた詫び石補償の理由が「ご不安の念を抱かせてしまいましたことのお詫び」とのことで、これはいったい何に対するご不安なのか良く分からないのがデリケートゾーンに指を突っ込んだサイゲームスなりの誠意なのかもしれません。
ただ、不安という意味では、ガチャ300回分9万円相当を回せば一枚欲しいカードが確定というやり方をして、適用されるキャラクターすべてが突然景品表示法ど真ん中の適用対象内にしてしまうというダイナミックなアプローチにしたことで、カジノ研究家の木曽崇さんも目が点のシチュエーションにまで進化して、むしろ不安になるわけであります。
あくまで「300回内に当たらなかった人に対するプレゼント」なので賭博的にはセーフ。但し商品購買に付随する「プレゼント」扱いになった事で、提供されるキャラが晴れて景表法の規制対象に。これで本当に良かったんか?グラブル(笑@kirik @MyNameSatoshi
— 木曽崇:「日本版カジノのすべて」発売中 (@takashikiso) 2016年2月25日
木曽さんご指摘のとおり、今回の「300回ガチャ回してお目当てのものが当たらなかった人に、欲しいものプレゼント」は、9万円相当の取引の本体に付随する取引となり、景品扱いとなります。その場合、最大1回300円300回のガチャである9万円相当の取引価格の10分の2、つまり1万8,000円分の価値が景品類の最高額と規定されることになります。
景品規制の概要
![gb_160224_2](https://stat.ameba.jp/user_images/20230619/20/ralphyum/17/de/p/o0660027415301420611.png?caw=800)
このとき、例えばガチャの正価300円に対して0.01%、つまり1万回に1回の供出割合の目当てアイテムを「300回外れたからあげる」とするならば、経済的対価として300万円分の相当額(もちろん確率的には異論は出るだろうけど便宜的に単純に確率割にしますが)である目当てカードを9万円相当のガチャ外れの景品として供出するのはガイドラインに抵触する疑いが出ます。
まさかの景品規制20%ルールに自らを追い込むことで、対象となる希少カードやキャラやアイテムは1万8,000円以下の価値であると宣言したに等しいサイゲームスの英断はビビるわけですが、分かっておるのか春田。
基本的にとんでもないことをしているという認識を本来はもつべきところですが、お話の行く末についてはまだまだいろんなことがあると思うので注目してまいりたいと存じます。