ベースボールチャンネルで小島圭市さんがコラムを書かれていて、大筋その通りなのですが、一部語弊がありそうなので簡単に雑記を。



体の小さい日本人野手も、MLBでパワーヒッターになれる? アメリカで常識的な「ショート・コンパクト・スイング」の教え

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150331-00010002-baseballc-base



 結論から言うと、「身体が小さくてもコンパクトに鋭くスイングすればパワーヒッターになれる」のは事実ですが、その「コンパクトにスイングして飛ばす」には腸腰筋を中心とした除脂肪体重が重要なファクターで、結局体格に見合った筋肉をしっかりとつけなければ長打は増やすことができないだろうと考えられています。


 いわゆる軸で回転するメジャーリーガーの素晴らしいパワーを日本人がなかなか実現できない理由は、かなりの部分を除脂肪体重不足、すなわち筋力の不足に求めることができます。よく日本人選手やコーチが「技術」という話をするわけなんですが、映像で確認するとそのすべてがボールとバットがコンタクトする瞬間までのアプローチに関する指導が主であって、「脇を締める」とか「バットを最短で出す」とか「ボールを押し手で潰す」などと表現されます。



 ところが、メジャーリーグでも日本のプロ野球でもボールとバットのコンタクトする瞬間はせいぜい1,000分の2秒であり、その時間内に「バットの軸に乗せて飛ばすのが技術」とか「ボールにバットから回転を与える技術」といわれても、物理的にそんなものができるわけ無いだろというのが本音です。せいぜいその人なりのボールの当て方のコツであって、飛ばすコツではないだろうということです。



 このあたりは、小島さんのおられるLADと、私どもの楽天、OAKの野球観の違いの部分もあるのかもしれませんが、大筋では小島さんの書かれたとおりスイングスピードと角度がすべてであって、日本の従来の野球が取り組んできた技術というのは、その大多数が迷信か、あまり意味の無いことであることは事実なのでしょう。



 では、なぜ日本は足を上げ、MLBでは上げずに軸で回転するのかという問いになるんですが、これも答えは明確で、日本のプロ野球とMLBのホームに到達する時間の違いです。有り体に言えば、日本人投手のボールがリリースされホームベースに届くまで時間がかかる、球速が遅いので、足を上げる0.4秒ぐらいの余裕があると言うことです。その間、しっかり体重移動させる余裕があります。



 日本人野手がMLBで通用しない理由は個人差がありますが、基本的にはスイングスピードの不足があるんじゃないかと思っています。ボールが打てるポイントに来るまでにMLBやAAAは早いため、ステップなしで力のあるスイングを体得できないとボールに力が伝わらず、真っ芯に当たっても詰まる(by 中島)現象になるのだと予想されます。



 そのスイングスピードも、かなりの部分が除脂肪体重で説明できるので、真面目に前に飛ばしたい、せめて速球だけでも打てるようにしたいのであればしっかりウェイトしとこうよ、という話になるんじゃないかと思います。