ウェブライティング業界の柳沢きみお状態となっておりますわたくしですが、このたびビジネスジャーナルで隔週気味の連載をさせていただくことになりました。



津田大介先生の沈黙 ネット上で落選運動の標的“嫌われ者”樋渡啓祐さんに取り込まれた?

http://biz-journal.jp/2015/01/post_8552.html



 記事終盤で「次第であります」が被るなど、微妙に仕上がっていない原稿になっているところに是非好感を持っていただければと思っております。



 佐賀県知事選も無事終了し、無所属の山口さんの当選が確実となりまして、まずはおめでとうございます。TPPに原発、オスプレイに人口減少と、日本の地方が抱える問題が山積している状況ではありますが、ぜひ堅実かつ地道に政策を進めて行っていただければと強く願う次第であります。


 樋渡さんの武雄市長時代の問題というのはいろんな人が散々語ってきておられますのでそちらをご覧戴くとしても、問題は周囲にまともな人がいなかったのだろうかと感じてしまう点です。あるいは、自治体の改革派首長のブレーンであることを自認したい人たちが樋渡さんのミーハーな感じの立ち居振る舞いは問題とせずそのまま付き合ってしまったのかもしれません。



 本稿では、奇書『ウェブで政治を動かす!』などを上梓しておられます津田大介さんを取り上げました。一連の樋渡さん落選までに繰り広げられたウェブでの批判や批難の類を公式に取り上げることなく、せっかくウェブで政治が動いた、それも選挙で与党本部本腰の候補者が落選しているという格好の材料でさえも、ほとんど論じた形跡無くスルーして総括していないと言うのは如何なものかと思います。



 津田さんに限らず、樋渡さんの強引にも見える各種施策を吟味することなく持ち上げた有識者の人たちはたくさんおられるわけですよ。典型的なのは図書館ですが、それ以外にもFACEBOOK学会だの旧FB良品だの良く分からん移住計画だの、たくさんあります。で、樋渡さんのやろうとしていることは自治体の首長としてできることは全部やろうとしたという評価も立つわけですが、その実現のための手法はとても相応しいものとは言えなかった。









 野良の一有権者であるならいざしらず、メディアをやったり、政治的なポジションを持ったり、持っている人に何らかの知見を披露してもらう仕事をしているのであれば、最低でも、その特定候補者とのかかわりや利害関係から、起きている事象についての客観的かつ公平な意見を出しておくのは必要なことだと思うんですよね。



 おととし、実態の乏しいFACEBOOK学会を立ち上げた樋渡さんが、その客寄せやウェブでの告知のためにやったパネルディスカッションでは、東浩紀さんや松原聡さんのお名前もあります。市政には中村伊知哉さんも関わっておられましたし、取り組みとそれへの評価ぐらいはちゃんと解説して欲しいと思うわけですよ。



武雄市 樋渡啓祐×東浩紀×松原聡 パネルディスカッションの反応

http://togetter.com/li/409129



 別に「これらの著名人が樋渡さんに地方政治における独裁のお墨付きを与えたのだから責任を取れ」と言いたいわけではないのですが、ネットでこれだけ反発があり、しかも今回それが理由で僅差の選挙戦を樋渡さんが落としたと言うことに対する総括や、ウェブが政治を変えるとまで言った以上はその典型例である今回の選挙戦への見解ぐらいまでは出して欲しいと感じます。



 言うなれば、樋渡さんを具にした「ウェブの政治界隈大反省会」でもやってネットで放送すればいいんじゃないですか、という話です。呼びもしないのに徳力基彦さんが幹事をやってくれるかもしれないでしょうし。



 そして何より、樋渡さんの問題を通じて、武雄市の有権者や心ある人たちが樋渡さんの問題点を整理し、とりまとめてネットに掲載し続け、それが少しずつ佐賀県民や武雄市民の皆さんに浸透して、結果として樋渡さんの落選へと繋がったという活動に対する敬意がどれだけあるのか、ということでしょう。本当に真剣に武雄市問題に取り組んできた人たちはたくさんおられます。文字通り、彼らがウェブで政治を動かしたのだということを、政党関係者や各調査方は良く理解して、この後の各選挙や地方統一選挙に臨みたいものです。