年末年始はそこそこゲームができて満足だったわけなんですが、決定的なランダムイベントがなく大名の立地や武将の能力で難易度がほぼ固定されているこのゲームにおいて上級の序盤の切り抜け方もある程度共通しています。



 4GamerにAARを掲載しまして、そこそこ読んでいただけたんでご参考にと思うわけですが、初手はゴミのような十等級の家宝を買って、全資金を大名本人の外交にぶち込み、信頼度40まで確保するのが一番生き残りやすいと思います。家宝を送ると、相手大名の当家への態度が「信頼」へ変えられ、信用度を効率よく引き上げることができます。



 だいたいやっすい家宝の贈物の効果が3ヶ月ないし4ヶ月で切れる援兵を依頼できる充分な規模の大名に「隣国の豊かな城攻略の手助けをお願いする」か、攻め込まれたタイミングで援軍を貰って「自城が落とされる前に、自城よりも豊かな城を攻略する」かの二択であります。



【山本一郎】「信長の野望・創造 with パワーアップキット」プレイレポート――輝け! 魂の姉小路家!~風雲嫁取り篇~

http://www.4gamer.net/games/268/G026859/20141224034/

『信長の野望 創造』 公式サイト

http://www.gamecity.ne.jp/souzou/wpk/



 このAARでは姉小路家が序盤に富山城攻略を方針としたため、必然的に敵が神保家およびその同盟国畠山家になりますので、御山御坊(金沢城)に坊さんが大量に篭る加賀本願寺が関係改善の相手になるわけです。



 今作品では敵の行軍が最短距離だけでなく迂回する部隊も用意され、また隙を狙って攻撃されたときちゃんと危険を察知して部隊を引き上げるというルーチンも持っています。ただ、複数の城に攻め込んだとき最初に攻め込んだ城に敵の防衛が集中しやすい傾向にあるので、落としたい城にいきなり軍隊を差し向けるのではなく最初は敵のどうでもいい糞城に攻め込むふりをするととても有効です。


 また、同じくAARでもありますように、今作品はいままで以上に婚姻(政略結婚)による半永久同盟がとても重要です。姉小路家プレイだけでなく零細大名が城3個ぐらいになって、安定基盤に乗せるためにどうしても内政をしたくなるタイミングで格上大名に踏み潰されるケースが多いように感じるのですが、次に狙いたい敵本城を絞り、その敵勢力と隣接するか背後にある大名と婚姻を進めると後背地を用意でき中盤が非常に楽になります。



 逆に、姫を起用できないルールにしたり、運悪く姫が生まれない、相手にも姫がいないというケースもありますが、効率が悪いながらも通常の外交だけでも何とか成立はします。ただし、成長のペースは格段に遅くなると思います。中盤から大大名にのし上がるタイミングが遅れると相手も大大名になってて何かと面倒ですし、育った武将が死に始めるタイミングがやってくるので後半の寿命管理が非常にしんどくなります。



 後半の主力武将の寿命問題への対処も、姫を活用します。生まれてくる姫は、どういう理由かそのときの大名のスペックによって性能が大きく変わります。つまり、弱小大名のまま粘っていると、せっかく若く参戦して能力もマックスまで育つはずの姫も弱小大名の低スペックを引き継いでしまい、後背地の城主に置いておくぐらいしか使い場所がなくなるのです。大名は配偶者がいなくても姫が生まれますが、配偶者の能力は姫に引き継がれないようです。



 なので、弱小大名のときに生まれた姫は、大大名との同盟の質のために相手国に送り込むか、中盤までに自国に降った有能な敵将に縁組をし、彼を一門衆(同族)に引き立てるために使います。このシステムにおいては、独身でも既婚でも能力的な差はなく、妊娠中と思われる時期でも戦場に出て奮迅の戦いをすることができるので、遠慮なく早期に結婚してもらいましょう。



 有力武将との縁組をしたら、彼は婿となって一門衆になるので、低スペックの弱小大名はさっさと隠居します。隠居しても大名ではなくなるだけで一般武将として参戦できるので貴重な武将数減少といった問題はありません。一応、姫は4人ぐらいまで生まれるようですが、4人まで生まれるのを待つ必要は薄い気がします。低スペックの姫を置いておくぐらいなら、有能な一門衆が生んでくれるだろう能力の高い姫の出現を早い段階から待ったほうが成長のことも考えると得策と思います。



 上記姉小路家プレイでは、個人的に姉小路家縛りでやっていたため、武田家の超優秀な降将を一門衆にすることはなかったのですが、肝付家や村上家でプレイするとどうしても自前の後継者が置けないのでこうするしかありません。また、後半のシナリオになってくると、姉小路家もそうですが「ゲーム開始早々、大名も部下もまもなく寿命で死ぬ」という史実で本気で滅んだガチの状況に直面します。や、本当に史実どおり死んじゃうんですよ。譜代や宿将による「仕官年数が長いので忠誠度が上積みされる」恩恵も得られず、序盤の経験値による能力の底上げも死んでゼロになりますので、御家を保つために柴田家に戦争を吹っかけて若い武将を生け捕りにして無理やり縁組させてどうにかするしかないという夢も希望もないゲームになってしまいます。ゲームの仕様上仕方ないんですが、弱小国の悲哀と言えましょう。



 有能な姫武将が揃えば、さらに繁殖させて一門衆を作り、隠居してまた姫を作るという量産も可能になります。自国敵国有能無能あわせて11人ぐらい姫を運用したプレイもありましたので、どうもそこに合計数の制限はなく、あくまで当代大名にとって生まれてくる架空姫は4人までということのようです。もっと生まれるのかもしれませんが、良く分かりません。



 後半は武将数の勝負です。後背地はAIに委任するんですが、前線の武将数が足りないと城主のいない城も多数出てきます。寿命でどんどん武将は死んでいき、子孫に引き継がれることなくそのまま消え去ってしまうので、足りない分は少しでも姫武将で補充しつつ兵站を揃えて平押しに押していきます。大合戦というステキ仕様が入っていますが、最初は面白いんですけど一月で勝敗が決まってしまい、相手を敗退させるとすぐに敵城へ戻って兵士が補充されてしまうのでどうしても攻勢限界点が早く来てしまいます。のんびり広域地図上で削り合いをしているところに横から挟撃したり、そこに敵部隊が張り付いているうちに迂回部隊が手薄な敵の城を落とすほうが合理的に拡大できます。ゲームとしてはロマンがあるし面白いんですけどね。全滅させると敵に即帰宅されて準備されちゃう仕様がちょっとね。



 支城しか持たない弱小大名でのプレイは、だいたいゲーム時間で25年、リアル時間で12時間前後での全国統一が目安です。操作に慣れたりショートカットが使いこなせるようになるとかなり短縮できるようになります。コンピュータに委任するAIはまずまず賢いので、管理に邪魔な使えない武将を固めておいたり、メイン侵攻路のサブや代替勢、遊軍として使うと無難に役に立ってくれます。ただ、城下の拡張、建設だけはなるだけ手間隙かけて自前で判断してやったほうがいいと思います。中盤以降、後背地は生産地と軍隊特化に分けたほうが良いと思うので。とりわけ、AIはなぜか好んで米問屋とか建設して商業が伸び悩むんですよね。



 作品としての問題点はすでに述べましたが、今作品はこれらの問題点をもってなお、まぁまぁ以上に遊べる作品に仕上がっていると思うんですよ。



『信長の野望 創造』のパワーアップキットと『シヴィライゼーション5』で暮らす年の瀬

http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20141229-00041903/



 せっかくsteam対応したことだし、『信長の野望 創造』自体の仕様に問題点がなお満載なこともあって、せめて野良MODや公式のパラメータ管理ツールでもあるといいんですけどね。ある程度熟練してくると「あ、姉小路頼綱は史実だと1587年没でそろそろ寿命だから、後継者になる一門衆用意しなきゃ(使命感)」とか先回りできるようになるんですが、普通のプレイヤーだとそこまでのナビゲートがシステム上用意されてないと「お、頼綱まだ48歳か。いけるじゃん」とか思っちゃうでしょうし。



 そんなこんなで、4Gamerの姉小路家プレイの後編は1月20日ごろ編集部に原稿を送る予定です。そのまま掲載してもらえるのかはコーエーテクモの広報さんの度量次第でございます。よろしくお願い申し上げます。