ちょうど私のメルマガの「噛み合わないシリーズ」対談で、辻元清美女史とご一緒することになりました。



 主義主張は辻元女史とは異なるんですが、意外に彼女は現実的かつフリーダムな女性で、個人的にはとても面白いお話だったと思います。賛同半分、まあ理解できる半分といったところで、本当は護憲や安全保障にかかわる部分はもう少し聞いてみたかったなあ、と。次回機会があれば、そのあたりもまとめてお話を聞きたいと思います。



辻元清美女史とリベラルの復権その他で対談をしたんですが、話が噛み合いませんでした

http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20141201-00041143/



 ヤフーニュース個人は導入部分をダイジェストで掲載しましたが、秘書給与流用事件や社民党離脱の顛末その他は全編優良メルマガのほうで掲載したいと思っています。



『人間迷路』

夜間飛行: http://yakan-hiko.com/kirik.html

BLOGOS: http://magazine.livedoor.com/magazine/50




 で、対談が実現するとは思っていませんでした。実のところ、私自身は辻元女史の書籍は結構読んでいて、05年あたりまでの辻元女史の議論というのは実に… という感じですので、活動家や扇動者としてはともかく政治家としてはどうなのかなあと思っていた次第です。ところが、自社さ(社自さ)から民主党連立といった実務が必要なところで彼女が起用されると、物言いがかなり改まり、相応に地に足のついた議論を出来る政治家に変貌するわけなんですね。



 それもあって「えっ、あの人が辻元女史を支持しているの」という意外な評論家や官僚がいたりして、ネットやテレビなどでのファイターなイメージと、実務的な政治家の実像とがかなりガバッと割れている感じがするのです。今回は、それが自分の目で確認できただけでも良かったなあと思いました。



 ひとつあるのは、いわゆるオールドファッションな左翼と支持層、そしていまのリベラルというのは時代の変遷を経てステークホルダーの性質が変わったよなあという点であります。



 一番肝心なのは、労働組合を母体とした支持団体がいたとしても、組織率が低下していき、影響力を失い始めている現実があります。それは労働組合の考え方が磨耗しているのではなく、いまの組合は年寄りが増えて、右肩上がりの経済でない限りそれをもはや日本経済は支えられないし、若い人からすると損しかしないだろうということが分かっているので労働組合に支持が集まらないわけですよ。



 それをイデオロギーで被せて取り繕ったところで、いまの社民党みたいなことになって、もはや完全な泡沫政党になってしまうのは必然です。辻元女史はそこまではおっしゃいませんでしたが、仮にリベラルの再興を考えるのであれば、理論的な再統合のような経過を経ないと勢力を結集しようにも誰も支持しないだろうなあ、と感じるわけで。



 そして、この後は20年かけて社会保障制度の改革、いってしまえば老人を支える負担を社会としてどう軽減するかを語る時期がきます。もうきているけど。人口減少で国力衰退が叫ばれる中で、限られたりソースを日本人がどう分配するべきなのかは、そろそろちゃんとした争点を分けて議論したほうがいいだろうと思います。