一部で話題が沸騰していた財務省の35人学級向け予算削減の話と、G型L型大学に分割する冨山和彦さんの議論を、少子高齢化下の財政難の話に寄せて執筆してみました。



http://www.president.co.jp/pre/new/index/

クエスチョンタイム [39]●山本一郎

「35人学級」とは誰のために必要なのか





 元とした議論はこちらです。



「アベノミクスの終わり」解散で社会保障改革待ったなし

http://ironna.jp/article/622

財源のはっきりしない政策議論は、そもそもおかしいと思うんだよね

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2014/10/post-388f.html



 記事の中では触れませんでしたが、35人学級の効果についてはいまなお有識者の中でも意見が分かれており、効果がないともあるとも言い辛い状況ではあります。ただ、それとは別として教育予算を他に比べて温存する、あるいは優先するのであれば、他の政策よりも優遇されるべき理由を文科省や教育現場はしっかりと説明しなければならず、自分の取り組んでいることは大事だからという理屈だけではダメでしょうという話で。


 日本の国力の根幹は教育であり、その予算は最優先するべきだ、という議論に反対する日本人はたぶんいません。しかし、教育の内容や効率の問題とあわせて、ひとつの政策を優先させるには別の政策を劣後させる議論をしなければならず、必要性だけを説いていては意味がないと思うんですよね。



 併せて、財務省が敵みたいな議論になっていますが、確かに予算配分の権限を財務省は握っているんだけど、各省庁各政策に関する予算は当事者誰もがこれは大事だと思って予算獲得に奔走しているわけですよ。みんな重要だ、というところからどれを優先するかの議論がきちんとなされなければ、そりゃあ優先させる権限を財務省に渡していることに他ならないわけですから、もう少しやりようがあるのではないかと思うのであります。



 大事なのは分かっているから、何に比べてどう大事であり、どういう政策をどんな目標に向かって実現するのか、というのはもう少し考えるべきだと思います。



 教育は大事なのだから教員は削減するべきではない、教員の職場は大変なのだ、で話が終わられては困ります。そもそも、義務教育を司るところでは本来家庭が子供に対して担うべき躾を学校の現場までもが代行しているかもしれないし、大学全入時代になって子供が増える前提で大学を増設した結果何の役にも立たない私立大学が量産されてしまって淘汰の時期に来ているだろうし、そのあたり子供の教育とこれからの社会での貢献の仕方については合理化や調整が絶対に必要でしょう。



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