若い人は知らないだろうけど、アメリカ横断ウルトラクイズの徳光さんバリの体制で冒頭に書いてしまいますが、舛添要一都知事就任、おめでとうございます。



 いまのところ中央値は280万票予想ですが、大丈夫なのでしょうか。









 田母神俊雄元帥は面白資本家からのご献金があるようですが、それは触れられないのでしょうか。まあ泡沫ですから仕方のないことかもしれませんが。石原慎太郎都知事が応援を決定した時は瞬間風速気味に70万票も見えた数字が、どうも剥げ落ちてしまっているようです。もったいないですね。



 まだ選挙戦も始まったばかりですが、ビッグデータ的に興味深そうなところだけピックアップしておきます。



■「支持する」and「投票する」を合計しても4割に届かない不思議な女性票


 今回、特徴的なのは投票先を固めている女性がとても少ないことです。辛うじて女性からの支持を集めているのは細川さんなんですが、細川さんを女性が応援しているというより細川さんを支持表明した小泉純一郎さんを支持しているのではないかと思われるわけです。



 来週中盤にも「なぜ支持しましたか?」のデータが続々と出てくると思いますが、たぶん来週になっても女性票は揺れ続けていると思うので、これを浮動票とするべきなのか悩む局面が出てくるかもしれませんね。



 でもまあ、確かにハゲと放射脳殿とアカと元帥とドクター中松と家入とスマイル党党首を並べて「さあ、選べ!」と迫られたら女性は皆逃げてしまいかねません。



 それにしても、今回舛添トップ予想で問題になるのは明らかに女性からの不人気ですね。やっぱりハゲはいけないってことなんでしょうか。フランス語喋ってもハゲは嫌い、というデータを見せ付けられると、男性としては実に鼻水の止まらない展開になりそうです。



■元帥陣営が訳が分からなくて素敵



 なぜか元帥陣営に元経産省の宇佐美典也さんが紛れ込んでいるようで、エレガントな記事を掲載しておられます。



 いったい彼は何をしているのでしょう。



この都知事選はネット選挙の実力が問われているのかな

http://blogos.com/article/78616/



 タイトルからして「ネット選挙の実力」とか書いてまして、そりゃあ応援カーの垂れ幕に「売国メディア・フジテレビを許すな」的な攻撃力の高い文言を引っ提げて展開していれば常識的なメディアも普通の有権者もドン引きになってネット選挙以外頼るものがなくなるのは当然のことです。



 そして、肝心のネット選挙においても家入陣営に押されているとか良く分からんことを書いております。



ここは臨時タモガミ政策室です

http://blogos.com/article/78746/



 いや、そもそも元帥は泡沫なんで。支持基盤のないところに、ネトウヨぐらいしか反応しないような宣伝文句で頑張ってたら、ネトウヨぐらいしか投票してくれないのは当然のことですので、必然的にネットでの工作以前に20代、30代からの支持率も4%台と低迷するのは仕方のないことだと思うのです。ちなみに20代女性にいたっては前半後半ともに計測不能のアスタリスク状態になっております。



 それでも世の中何が起きるのか分かりませんので、投開票日前日までは全力で選挙運動を頑張って欲しいと願う次第です。そして力の及ばなさを呪うがいい。



 ちなみに、候補者名をマスクして「どの政策に近いですか?」とアンケートをとると、参考値ではありますが元帥は「投票にいくつもりだ」と回答した有権者の23%近くを獲得して2位という数字になっています。やはり軍人でネトウヨからの熱い支持を受けているという先入観が、政治家としての元帥の低い天井になっている可能性が強そうですね。



■原発を争点にし損ねて、得票を毀損する細川



 今回、てっきり原発が都知事選の争点になってしまうんで、メディア対策は重要だなあと思っていたところ、雇用対策、高齢者対策、都市開発に続く4位が脱原発と埋没しております。おやおや。



 原発に絞った質問もしておりますが、投票に行くと応えた人の39%が「原発は争点となりうる」、46%が「原発は争点ではない」と応えており、思ったより小泉旋風は議題設定能力ねえじゃんという結論になりつつあります。まあ、まだ告示日での話ですので、この後も伸びるのかもしれませんが。ただ、小泉純一郎さんからの支持を得て、また小泉進次郎さんから「舛添出馬に自民が応援する件は大義がない」発言までの数日間が速報値的には細川護熙さんの支持率のピークとなっていました(推定・中央値で440万票近い数字)。



 その後、細川さんへの期待感は凄い勢いで尻すぼみになっていくわけなんですが、細川陣営の痛いところは、やはり「佐川1億円借用問題」と「東京五輪を開催しない発言」でありましょう。後者は、ごくごく単純に高齢者を中心に2020年の東京五輪開催を楽しみにしているんだと思いますよ。その宴の後のゴミ拾いをするのは都税を納める私たち現役世代でございますがね。



 あと、前者の佐川1億円は、結構な有権者が「覚えている」ようです。これは、30代後半を境にくっきりと「都知事に相応しい候補」で断層があります。中高年の浮動票を見る限りでは、ここの失点はとても痛く、また中高年の支持層への訴求を強めて選挙を有利に運ぼうとしたのが細川陣営ですから、堅い支持基盤があると思ったはずが砂地だったという爆笑するべき展開になってしまっております。



 さて、主要争点としようとした原発問題においては、即時原発停止を支持する層は全体の12%で、意外と都民の皆さんは原発はまだ止めなくていいんじゃねと思っているか、どうでもいいと考えているようです。ちなみに原発は必要であるからゼロにしないと回答したのは21%、いずれゼロにするべきが63%です。



 その薄い政策主題で赤い宇都宮けんじさんと細川さんが票を奪い合う形になり、ここでは細川さんが得票はマジョリティです。だからお前ら一本化しておけば良かったのに。12%の固定票が高い投票効果で細川さんに入れていれば、ひょっとすると細川都知事だったかもしれませんね。本気で共倒れしやがって、まるでこちらの飯を旨くして太らせようというメタボ業界の陰謀かもしれません。



■家入w



 「ニートの星」状態になっている若者代表家入さんですが、ネットではそれなりに話題になって、メディア露出の成果で出馬自体への認知は進んでいるものの、パネル調査ではどの年代層も男女も属性別もほとんどピクリとも動かない状況になっています。



 それでもどっかに支持層いるだろとSASと睨めっこした結果、唯一相関がありそうなのは「投票に行く予定はありますか?」という質問に「NO」と回答した有権者から熱い家入支持の基盤を視認することができました。投票する予定のないパネルから支持されてるとか、超絶意味ねえ…。



 例えていうならば、肉眼ではまったく見えないけど望遠鏡を使えば存在は確認できる冥王星ぐらいのポジションといったところでしょうか。一応、泡沫界のベテラン演歌歌手状態になっているドクター中松さんを得票では超えるんじゃないかと思いますが、あまりにも誤差すぎて却って予想が難しい状況に陥っております。しっかりしろ家入。



 なお、候補者の認知については、圧倒的にテレビ経由、次いでネットから、新聞など紙媒体からになっています。一連の状況を見るに、選挙資金というか供託金を家入さんに貸した堀江貴文さんには足を向けて寝られない状況なんじゃないかと思いますが、選挙参謀を自称している新田哲史さんが立命館の西田亮介せんせに突撃しているのを見て、非常にいかりや長介的な「だめだこりゃ」を感じる次第であります。









■投票率は低くなるんですかねえ



 いまのところ都知事選への関心は「小泉さん、細川さんを応援発表」をピークにどんどん下がっているようでして、前回よりも低いかもしれません。



 結構注目される候補者がメディアを賑わしている割に投票率が下がるのは、政治への関心が乏しいと言うよりも「好ましい候補者が見当たらない」ことによる投票の積極的見送りが背景にあるのではないかと思っております。



 このあたりの話は、こんどアドタイで統計学の西内啓さんや田中幸弘さんとの鼎談で少し喋るかもしれません。



アドタイに山本一郎さんが登場!1月20日から新コラム「燃ゆるICT界隈」が始まります。

http://www.advertimes.com/20140117/article143678/



 最後の1票が開票されるまでが遠足です。



(追記 14:25)



 「ウルトラクイズは福留功男か福澤朗だ」という声がありましたが、私が例示しましたのは「次のチェックポイントで脱落する人間は誰か」をコンピュータ予想していた徳光さんのことであります。多くの人がすっかり忘れていることを予測できず、大変失礼いたしました。