最近面白い感じの記事が増田に出て風雲急なmixiですが、問題となった記事は無事本人特定され、いまではグラウンドゼロ状態になっております。



http://anond.hatelabo.jp/20131023040607



 もちろん一部魚拓が用意されておりますが、閲覧は原則として禁止したいと思います。お前ら見物に逝くなよ。



オレンジなソーシャル会社の大規模リストラ

http://megalodon.jp/2013-1023-2252-08/anond.hatelabo.jp/20131023040607



 これを受けて、ガジェット通信やCNETが取材をし広報が対応するという定番の展開になっておりまして、胸が熱くなります。



『mixi』が大規模リストラと匿名ブログに暴露される 広報に聞いてみたところ……

http://getnews.jp/archives/441441

「オレンジのソーシャルな会社」の怪文書投稿--ミクシィは250名を超える組織改編へ

http://japan.cnet.com/news/business/35038888/

【追記:お詫びと訂正】「mixi 追い出し部屋で大規模リストラ」の件はデマだと思うよ

http://sakedrink.info/2565/%E3%80%8Cmixi-%E8%BF%BD%E3%81%84%E5%87%BA%E3%81%97%E9%83%A8%E5%B1%8B%E3%81%A7%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%80%8D%E3%81%AE%E4%BB%B6%E3%81%AF%E3%83%87%E3%83%9E/


 論点としてはおおよそ2つありまして、



(1) リストラなのか?

(2) 配置転換という名前の「追い出し部屋」なのか?



というところであります。もちろん、(1)も(2)も根幹のところは「外野として、見ていて面白いか」というところに議題が集中するわけですが、増田に書いたとされる社員の評価や人物像をほんのり伝え聞きますと、この処遇に対してハンパない怒りを感じていると言われています。何しろ、あの記事を書いたのはあいつしかいないと秒速5万キロメートルの速さで特定されたという時点で推して知るべしな部分はあります。



 で、mixi関係者や広報からのお話を総合するに、第一弾として約30名、その後、模様替えや拡張工事を行ってさらに約30名の追加配置転換をする予定で、すでに一部社員には異動を内示したようです。



 問題は、この増田に限らず配置転換をされた社員は納得がいっておらず、退職勧告に等しい扱いを受けたと感じていることです。広報的にはリストラではないと否定されていますが、業績や見通しを鑑み人員削減すること自体は自然なことで、固定費を削減し採算維持を目的としてリストラに踏み切った、と言ってしまって良い状況なのに「これは敗退ではない、戦術的転戦である」とかいってたどっかの国の大本営発表みたいな雰囲気を感じさせ涙が止まりません。



 つまりは、(1)はmixiの発表は別として株主や業界がどう受け止めたかの問題、(2)はmixi執行部の意向は別として対象となった社員や取引先がどう受け止めたかの問題であります。連結の正社員484名(会社概要ベース)で70名の配置転換を検討しているというのは社員の7名に1名の配置転換を予定しているということで、ある日突然15%の配置転換を、事業部門ではなく「複数部署の正社員約30人をカスタマーセンターに異動させる」(CNET)「改装が終わるのを待って、追加で同規模の異動を内示するそうで」(関係者)というのは常識的に考えればリストラであり、退職希望者が出ることも踏まえての措置であろうということは理解できるわけですね。



 というか、報道が事実だとするならば、派遣社員などを雇い止めて正社員を当該業務に充当するというのは、一般的にはリストラと呼ぶのではないかと思います。



 そして、本来であれば事業開発やサービス企画などに従事していたスキルある社員を、売上に直接貢献するわけではないカスタマーセンターに配属するということは、「解雇勧告をしたわけではないので人員整理というわけではない」という理屈なんだろうなあと考えるわけです。



 ここからは、関係者の証言が食い違うので輻輳するところではあるんですが、LINEが今日、結構な飛距離の日経記事を捕球しておりまして、唸るところであります。



本日の一部報道について

http://linecorp.com/press/2013/1025612



 いまこれが出たということは、まあある程度LINE上場の見通しが立ったよという証言がどっかで出たのでありましょう。そのLINEの上場に障害となっていた出会い系サービス「YYC」の買収を行ったのは他ならぬmixiであり、mixiの事業領域を採算性の面から強化しているとも言えるわけです。まだキャッシュ的に余裕のある状態のうちに、いわくつきでも良いから収益性の高い事業を揃えて収益基盤を整備しようという作戦の渦中にあることは間違いありません。



 しかし、LINEの上場の障害となる出会い系事業が、上場しているmixiによって買収されるということは、強くなる市場からの監視をmixiは今後受けるということです。



 問題はあるけど利益の出ている事業を買収し、コストセンターとなっている人員削減に手をつけるというのは大変正しい経営ではありますが、率直に言ってこんなネタを現CEOの朝倉祐介さんやCOOの川崎裕一さんが発案するとも思えず、必然的にCFOの荻野泰弘さんが主導して行っている経営改善策なんじゃないのと推測するところであります。というか、mixiってこんな手堅い経営改善をやるような企業ではなかったし、それができる社風であれば、いまこういう状況にはなっていません。少なくとも、原田さんが副社長にいた時代であれば、出会い系サービスを傘下に収めるというようなコンプラ上の重大決断をするとはとても思えないんですよね。



 それもあって、古き良きmixiのDNAというのは、むしろカスタマーセンターという名前の追い出し部屋に送り込まれた社員の細胞一個一個に刻み込まれた刻印に他なりません。



 これはまさにmixiという名前の鮭が川へ帰り、遡って産卵しmixiのDNAを宿した社員が人材紹介会社に放たれ、イット業界の大海原に散って子々孫々までmixiのmixiたる気質を伝えていく役割を担うのでありましょう。何という恐るべき自然の摂理。そして産卵を終え傷つき力尽きたmixiはただ川面を漂い付近を通りかかった売り手の熊においしく召し上がられる運命にあるのでしょうか。



 まあ、個人的には出会い系に手を出すならばとっとと自社株買いでもして上場取り下げろよとも思うわけですけれども…。原監督も「まだ間に合います」と言ってるぐらいですし、mixiには一刻も早く復活の狼煙を上げていただくか、あるいは滅亡してもらいたいと願う次第であります。