今日は、アスキークラウドの講演にお越しくださいましてありがとうございました。

 色気のない退屈な話になってしまい、恐縮至極でございます。



 ご存知の通り、先週から今週にかけて諸事いろいろありまして、ブログの更新もままならない状態になっておりました。出張から帰ってきて、くたびれ果ててココログのコントロールパネルを開けたところ… 更新をろくにしていないのに、なんかPVが6万とか増えているじゃありませんか。なんだなんだ、何が起きたんだ。



 そしたらですね、検索ワードに「アルファブロガー」なる単語が。



 これか。原因はこれですか。


 いやー、やめて欲しいんですよね。人生で自分のことをアルファブロガーと思ったことはほとんどありません。若干黒歴史気味なのは、アルファブロガー本なる企画を出されてうっかりインタビューに載ってしまって、もっとも本の仕上がりは編集者さんの頑張りで凄くよいものだったんですけど、自己嫌悪ですわ。



 どうも界隈で「アルファブロガー」とか「オメガブロガー」などという議論が行われていたようです。個人的には、人気の見分けとしてそういう類語があることは事実にせよ、影響力の純粋な大小で色分けすることなどできないと思ってます。また、ブロガーという考え方自体が、この状況では曖昧になっているとも考えています。



 むしろ、twitterやFACEBOOK、あるいはtumblrに代表されるサービスや、有料メルマガといったウェブメディア自体の変遷があり、ウェブで物を言う場が移り変わって、そのたびに発言者が良くも悪くも淘汰されているという現実があるだけ、と思っています。幸いにして、いろんなサービスが出るたびにお声がけを戴くなどして相応のご評価を賜ってネットの片隅であーだこーだ言っているだけの当ブログにもアクセスは頂戴しておりますけれども、単純にPVの大小や「ネット論壇」なるものの相互胴上げを経てアルファだベータだというのは居心地の良いものではありません。



 ただし、ネットで行った発言が評価されて、出版や講演などプロ活動に転向される御仁や、ライター業の足しにされる人たちの活動を見ていると、もっと新しい人が出てきて賑やかになって欲しいと願うところではあります。その意味では、ブログがネットでの発言の場として再評価されて、多くの人が魅力を感じて発言をし始めるというのもまた良いことだとは思います。



 ぶっちゃけ、昔からあまりやっていることの変わらない自分が、いまなおアルファブロガーの検索の対象となり、ああこれがアルファブロガーなんだと思われること自体、良くないことだと感じるわけです。もっとウェブは進歩しているし、いろんなことが起きて、新しい方向へと進んでいっているはずで、その流れをフォローアップして乗っかっているだけの自分が、まるで珍獣図鑑の類と同列に語られるのは恐縮の限りです。そこまで世の中つまらなくないでしょ。



 そういう意味で、アルファブロガーみたいな概念に無理にとらわれず、新陳代謝をある程度しっかり持って新しい書き手を愛でる動きを模索するほうが、健全だと感じますし、私は健全ではないと思います。まあ、健全でないブロガーを指差して「アルファブロガーだ」と揶揄されているぐらいがちょうど良いのでしょうが。



 アルファブロガーに興味のある人は、私なんぞを読みに来るのではなく、自分でブログを開いてやってみるのが良いかと思います。別に増田でもどこでもいいしさ。面白い文章があれば読みにいくし、継続してやっていればそれがアルファになるでしょうから。