「誰でも使えて便利だから普及した」はずのLINEが、当たり前のように小学生でも使えてしまって問題になるという、ある意味で「雨が降れば川が増水します」的な自然な流れで槍玉に挙がりつつあります。



小学校でLINE氾濫「規制困難」 主戦場は小4…大人が知らないSNSの実態 (1/5ページ)

http://www.sankeibiz.jp/econome/news/131013/ecc1310131201001-n1.htm



 それでも当局サイドとしては問題が顕著になり始めた去年の暮れぐらいからLINE側と話し合いをしていたわけで、いまこのように産経が書くということは被害件数が減らない実態を前にマジ切れ5秒前ということであります。


 例によって野村證券とトーマツの主幹事・監査法人コンビで上場目指して邁進しているLINEでありますが、当局側もあまり冗談の通じないタイプの人が対面にいることもあって結構気まずい雰囲気です。ある意味で、サービスの低年齢化は当局介入の一里塚であり、任天堂ぐらい細やかに対策し続けないとどうしても騒ぎが拡大してしまうというのはアメーバ(サイバーエージェント)や前略プロフの例を見るまでもなく明らかなところであります。



 どうしてもIT業界的には「便利なものが普及して何故悪い」とか「海外サービスに流れるだけ」などといった反論をしてしまい、関係者の怒りゲージを増やすことになります。これが被害を減らしたい側からすれば「然るべき管理を行わなければ、風紀を乱す情報が青少年の見えるところにいってしまう」とか「海外サービスに流れたら、そのときに社団をどうするか考えるだけ」という反論を呼び込んでしまい、LINE上場なんてとんでもないとか、いますぐ低年齢利用者の確認を行いサービスを停止させろ(それまで上場は見送らせろ)という話になりやすくなります。あ、私が言ってるんじゃないですよ。他の誰かが、です。



 いやー、毎回同じことの繰り返しなんですよね。IT業界も懲りないんでしょうか。



 話はやや飛びますが、FC2が訴えられまして、これまた黒スーツ界隈では話題になっています。



FC2,Incに対する訴訟提起に関するお知らせ

http://www.ippa.jp/news.html



 一応民事ですが、いろいろと控えているんじゃないかなあと思うわけです。いまここで出てくるということは、だいたいの概要は調べ終わったと見るのが普通ですが、ただこの界隈は単純に関係者の怒りゲージがMAXになったのでとりあえず超必殺技でも出してみたという試合の流れとは無関係に発動される何かがある場合も存在するのでまだ気は抜けません。



 最近では「結果的に反社」とか謎のロジックが流行している昨今、いわゆるxvideoも含めて日本以外のところでもあれこれ問題視されるサイトが次々と、という状態ですんで、もうそろそろ自由な情報の流通に制限をかけていこうという話やら、忘れられる権利やらといったところがどんどこ出てくるんでしょうね。この辺は、ちょうど今週のメルマガにも書きましたが。



『人間迷路』

夜間飛行: http://yakan-hiko.com/kirik.html

BLOGOS: http://magazine.livedoor.com/magazine/50



 まあ、いまのうちに予想しておきますけど、このネットで他人と繋がり続けたいことを病気だ、とするような言説がどんどこ出てくるでしょう。メンヘルの一種だとして、情報の摂取を未青年が野放図にできなくするような仕組みを社会的に考えましょうという話になるわけです。書店から18禁のビニ本が追い出されてネットに流れていったのと同じく、ネットからもこれらの交流は過度であると病んでいると断定される社会になっていくのでしょう。



 個人的には程度問題だと思いますが、ただいい年して子供の趣味の延長線上で時間を潰す人たちが一定の割合いますからねえ、そういう人たちも社会に貢献したりしなかったりしているというグラデーションに対する理解は欲しいよなあ、と思っております。ある種の、クラスの権力者対クラスメートに交わらないオタクの価値観論争にも近いわけですけど。この辺は、分かる人だけ分かって。