日本は典型的な内需主導経済であり、GDPにおける貿易の占める割合は15%程度です。だからといって、外需が要らないという話ではなく、然るべき投資を海外に対して行い、その上がりで円高対応をし、経常黒字を保っています。経常黒字であるからこそ、膨大な日本国債の下落リスクに直面することなく、何となく毎年国債発行額が40兆だいやそれ以上だといってもどうにかなっているわけですね。



中国バブルの崩壊時期と不良債権額を予測する

http://thepage.jp/detail/20130812-00010001-wordleaf

国債(国の発行する債券)

http://www.mof.go.jp/jgbs/


 で、その日本の外需において重要な役割を占めているのが中国経済であることは言うまでもありません。日中関係は冷えまくっておりますが、経済的には大事なお客さんであることに変わりはないわけですね。ただ、そろそろバブルだ崩壊だという話になっておりまして、結構な話になりつつあります。



 the pageに記事を寄せているThe Capital Tribune Japanの内容に補足をするならば(コンパクトに問題がまとまっていてとても良い記事です)、個人的には地域ごとの経済・市況のインジケーターにばらつきがあり、地域ごとに信用不安に陥る地域と、そうでもない地域に分かれるだろうという短期的な予測を持っております。一口に「中国」といっても、都市や地域ごとに経済の特質は異なり、経済崩壊といっても起きる影響は違うだろうと。もちろん、長期的にはいずれ巻き込まれていく運命にはあるわけですけれども。



 そんで、中国経済がバブル崩壊だなんだというほどでもなく、ただの減速でしたというソフトランディングに成功したとしても、中国への輸出が減少に転じるぞという話になると非常にしょっぱい話になります。予測では、一番最初にドイツが凄いことになりそうですが、我が日本も四半期成長が短期的にゼロになってしまうようなインパクトはあるんじゃないかと予測されます。正直、アベノミクスで上がった底が再び割れる規模で落ち込むことは想像できるわけですね。国土強靭化とか言ってる場合じゃありません。



 中国経済の変調については、すでに商品先物に影響を出し始めている状況ではありますが、ぶっちゃけ良かったり悪かったりぐらぐらしています。



正念場の中国経済、乗り切れる?/直近の指標と米欧景気で読み解く

http://thepage.jp/detail/20130808-00010003-wordleaf

東南アジアに迫るバブル崩壊説

Southeast Asia: The Next Crisis?

http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2013/08/post-3015.php



 強気と弱気が交錯している間はバブルは崩壊しないという根拠なき風評に縋るしかないわけなんですが、東南アジアのバブル崩壊の引き金は日本の異次元量的緩和だというお話も出始め、いわゆる「成長余力を巡る国際間競争」は現実のものとなりそうな気配です。日本の場合は、どうせ成長余力はないので、緩和しつつ余財を新興国に投資し続けるほか手段はあまりないのが現実ですけど、うっかり本格的に中国のバブルが崩壊しても一番「被る」のは誰なのかを見極めながらリスクヘッジしていく他ないんだろうなあと思うわけです。



 そうなると、インフラ投資を行って地域の経済維持に努めようという作戦も別に悪くはないのでしょうが、むしろ都心に集中してしまった雇用を地域に貼り付けられるような帰農作戦みたいな方法を考えないと内需持たなくないか、って考えてしまう私は重商主義脳ですかねえ。もちろん異論は認めます、私も確証ないんで。はい。