ちょっといろいろあるので、細かいところは明日メルマガで書こうと思っておりますが、最初に書くべきは今回も選挙無効の裁判が控えており、留保するべきことがたくさんあるよということです。



参院選無効求め提訴=「1票の格差」で弁護士グループ―広島【13参院選】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130722-00000047-jij-soci



 例えば高知と神奈川。当選した高野光二郎さん、安定した戦い方を経て獲得した16万票、お見事でした。で、神奈川では定数4、「消去法」ながら善戦した共産党の畑野君江さん44万票、維新から出た現職の水戸将史さん24万票でいずれも落選。



 定数3の千葉、7位落選の生活の党太田和美さんが15万票。この辺、自民党が勝った、野党が分裂したとかそういうレベルではなく、どんだけ民意が反映されてないのかと思ってしまいます。民主主義としておかしいでしょ。


 自民が29勝2敗、公示時点では沖縄は敗北は予見されていましたが、岩手は最後の数日でひっくり返り、という情勢で、党本部的にも「おや?」という感じかもしれません。

 ただ、情勢分析を見る限り、自民党は公示の瞬間から大して支持を伸ばしていないんですよ。細かくは別で書くと思いますけれども。



 そんで、東京の山本太郎さん話。総括としては武田徹さんのお話が一番しっくり来るんですが、数字面で考えますとまたちょっと違った論点も出てくるかなあとは思います。



山本太郎の当選は「終わりの始まり」か?

http://www.huffingtonpost.jp/tooru-takeda/post_5251_b_3632881.html



 山本太郎さんの善戦と東京の選挙活動での中盤以降支持が広がった件は特筆するべきところではありますし、その主張に武田さんが問題視するような深みは一切見られなかったという点で「終わりの始まり」を論ずることは確かに可能です。



 一方で、反原発という論点でいうならば、政党として一貫して反原発を主張してきた共産以外の野党は完全沈没しました。生活、みどり、社民はいずれも壊滅的な支持率、民主も反原発に親和性の高い候補は民主自体に吹く逆風に沈没した形で、今回の選挙では反原発は中核的な争点ではなかったといえます。



 今後、年齢別投票結果が出てくればすぐ分かることではありますが、山本太郎さんに関しては反原発を旗頭に抱えて強い熱意と目標意識を持った候補者ではあるものの政策への評価というよりも知名度や好感度によって支えられたタレント候補の領域から出ていないことは予想がつきます。どこぞの人が「反原発芸人」といって、しかも中核派からの支持を明確に否定しなかった、さらには小沢一郎さん傘下の勝手連も混ざって「あの辺の連中」がごっそり山本支持に回っていたこともあるかと思いますが、まあ、全体的には酷いもんです。



 ある意味で、選挙ごとに一定数の「おもしろ候補」が刺激的に選挙戦を盛り上げ、賞味期限が切れるごとにおもしろ議員枠をたらい回しにしている現状はあるのでしょう。



 最後に。



山本太郎氏当選に思う--噛みしめるべき格言「教育のない民主主義は無意味」

http://agora-web.jp/archives/1549142.html



 敢えて言えば、教育のない国民にも投票権を渡す以上、教育のない候補者という受け皿ができてしまうのも民主主義なんだろうと思うわけですね。また、国民に教育が行き渡れば、自分たちが望むような投票結果となるはずだ、あるいは現状で自分の思い通りの投票結果にならないことは国民に教育が行き渡っていないからだ、というのは大変な論理矛盾を含むものだとも言える訳でね。



 投票結果はすべて正しいのです。公平な選挙が行われるように願うだけでなく、現状で起きたことをいったんすべて容認したうえで、それがどういう民意であるかを読み解き、日本社会に暮らす一員としてどのように貢献をしていくべきかを考える、ということでいいのではないでしょうか。