もう一部チップメーカーでは利益を出し始めている4Kテレビ周りですが、そういうなかなか分かりにくい事情を何も知らない外部の人がアセンブリ・ブランドメーカーの参入のところだけ見て「失敗する」とか書いてしまう恥ずかしい事例がありました。



4Kテレビは失敗する

http://blogos.com/article/55026/



 何がヤバイって、4Kテレビは別に経済産業省が良いとか悪いとかではなく、世界の趨勢として技術革新が進んで超高画質がマルチコアで実現できるようになったために政策よりも先に需要が立っていることを知らないようなのです。いや、山田せんせは知ってて煽っているのだ、と思いたいところなんですが、「総務省には電波監理という強い権限がある」とかこれまた明後日の方向の議論を始めて、つーかいま放出されている電波の容量でも圧縮・解凍の仕組みを高度化すれば既存の放送設備でもある程度の高画質化が受信機側の機構だけで実現できるということを知らずに語っておるようなんですね。電波行政とか、まったくではないけどあまり関係がない話です。


 で、ここで当然、新たなる暴言大王としての地位を不動のものとしつつある宇佐美せんせが敢然と反論しております。まあそりゃあそうでございますわね。



何でも否定すればいいってもんじゃねーんだよ 〜4K技術について〜

http://blogos.com/article/55110/



 補遺としては、むしろ出口としてのソニーだのパナソニックだのメーカーの話ではなく、もっと上流の半導体や情報処理の高度化の話がメインなので、コンシューマーレベルで総務省が旗振って成功する失敗するとか語ることの微妙さ加減というのが深刻なわけです。一番この手の技術革新の波を受けるのは、映像受信機としてのテレビではなく、防犯カメラだったり、自動車の自動運転システムだったり、PETなど医療分野で医師の目で見落とすような微細な異常に対する検知だったり(あるいは遠隔医療)、そういう分野ですね。ますます総務省関係ねえ。



 で、4KテレビをDISる流れは、その中のごく一角、テレビ規格のところだけですわ。201x年云々とかじゃなくて、出す電波が4K対応できるものが流れる方法もあるかもしれないし、そのころには4Kを支える技術や規格はテレビなどとはまったく関係ないところで採用され、花開いているんじゃないですかね。



 最後に、山田せんせは3D技術もついでにDISってますが、確かにテレビや映画業界では3Dがいきなり飽きられて消費者からも興味をもたれず残念な格好になっております。一方で、わずかな斜角で3D映像に展開できる技術やカメラがどんどん出てきて、たぶん2014年か15年ぐらいから本格的な形で医療分野や人工視覚分野では相当高度な部品、モジュール類が日本企業からどんどこ出てくることでありましょう。



 mixiの倒産を心から祈念しております。