やらかしたという話が聞こえてきてから、わずか数時間の間に内容が晒されていてネット社会オソロシス。誰ですか、こんな怖いウェブにしてしまったのは。



 リンクについては自粛しますが、本件では内部パラメータがごっそり外部へ吸い出せる仕様になっており、パスワードもかかっていないためデータが抜き出し放題です。これでは盆踊り状態になるのは致し方ありません。URLは敢えて貼りませんが、速攻でサービス閉じて無言の帰宅をするか、相応に長い時間のメンテナンスをして改修をしっかり行いシステムも入れ替えるべき状況のように思えます。


 一番の問題は、ガチャで「有料ガチャを回しても出ない時間帯が設定することができ、実際にそのように設定されている」ことが明らかになってしまったことです。これは有償によるガチャに対して出玉、すなわち当たり確率を変更する仕様が入っていることを意味し、基本的には一般社団法人ソーシャルゲーム協会やオンラインゲーム協会の示したガイドラインに抵触すると言われてもおかしくない内容と言えます。



 なお、当然ですが消費者庁では文字通り不当な価格表示に該当する事項ですので、民間団体が作成したガイドラインに抵触するしない以前の問題も含まれています。



不当な価格表示についての景品表示法上の考え方

www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_35.pdf



[引用]



イ 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示

販売当初の段階における需要喚起等を目的に,将来の時点における販売価格を比較対照価格とする二重価格表示が行われることがある。

このような二重価格表示については,表示された将来の販売価格が十分な根拠のあるものでないとき(実際に販売することのない価格であるときや,ごく短期間のみ当該価格で販売するにすぎないときなど)には,一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与え,不当表示に該当するおそれがある。

将来の価格設定は,将来の不確定な需給状況等に応じて変動するものであることから,将来の価格として表示された価格で販売することが確かな場合(需給状況等が変化しても表示価格で販売することとしている場合など)以外において,将来の販売価格を用いた二重価格表示を行うことは,適切でないと考えられる。




 こんなものは、ネットでコンテンツビジネスをやるにあたって周知されるべき事項であることは言うまでもなく、また出玉確率の変更が仕様上明らかに実装されていることが判明してしまったという点で、関係当局は改めて関心を持つべき事態であるかなと思います。



 で、いろいろとデータが漏れ出ていたのでしげしげと眺めておりますと、どうもサーバー設定をした外注会社なのか、物凄く素人臭くて、これでうっかり課金とか機能充実させていくと本気で大変なことになると思います。方法は敢えて書きませんが、あまりにもクラックに弱すぎる構成になっているように感じます。っていうか、仮にアイテムが複製されても元の購入者のデータと複製した人のデータとが峻別できなさそうな気がするのですが。大丈夫なのでしょうか。SQEX的には、もう少しノウハウのあるチームがいたはずなので、そういうデータ周りだけでもノウハウを共有化してコストをかけてでも堅牢にしておくべきと思うわけです。



 一応、データ上は課金ガチャで排出されない設定になっているカードが、宣伝上出ることになってまして、まあ常識的に考えてこれだけでもアウトだと思うので、誰か早いところサービスをいったん閉じて体制を整えるようご注進したほうがよろしかろうかと感じました。



 なお、フォローになっているかどうかは知りませんが、3DS版の『ブレイブリー・デフォルト』は佳作だと思います!