「どうしてもやりたい仕事なので、頑張って見積もりを出させていただきます」と元気に宣言した社長がいたかと思えば、出てきた見積もりがクソすぎて泣けるのです。これでお前アジア展開してアプリで儲けるとかいう話なのかよと愚痴のひとつも言いたくなるぐらい、お前らの見積もりは高いです。台湾の業者のざっと三倍とか、何のために東南アジアに開発拠点を設けたのか、喉ちんこの奥まで凝視しながら観察したいと思う本日でした。腸内にEM菌でも飼っているんでしょうか。


 確かに、海外のデベロッパーが日本のソーシャルゲーム業界の成功を分析して、見習う動きがあったのは事実です。でもねえ、やはり市場が特殊だったからなんですよ。プラットフォームでDeNAが凄いとかGREEがいいとか言う話も、最近はあまり聞かなくなりました。単純に、海外展開だといっても英語圏の開発スタジオを買い漁る交渉をあちこちでしているから名前を聴く機会が増えたからだと思うのですが、今後日本以外の海外での売上比重が増えると言ってもいまの利益率を維持できるとでも思っているんでしょうか。



 開発会社も勝ち負けがはっきりしてきて、もう単純に制作費の水準が上がってきたからだと思うわけです。ソーシャル機能とかいって、電子商取引におけるマルチも同然の状態じゃないですか。燃え尽きるまでが早すぎるのと、コアユーザーに依存する売上の比率が高すぎるんですよ。パチンコやFXにハマって消費者金融で大回転やってるような連中が主たる顧客だと分かっててやってるわけですよね。まあ、もうしょうがないんですけど。ただ、なんですか課金上位3%の平均投下金額が月額12万超えとか。もうギャグでしょ。どこにそんな市場があるんだよ、日本以外で。



 だいたいね、もはや士農工商から時を経て、現在はキャラデザ士農工商犬SF作家プログラマーって感じのヒエラルキーになっちゃったわけですよ。みんな似たようなカードゲームばっか出しやがって。エロい女の絵で引っ掛けてプレイヤーかき集めるようなアプローチとって、ゲーム性は「親しみやすい」使い回しのカードゲームで演出もパチンコから引っ張ってきたようなのばっかだからデザイナーの天下になっちゃう。漫画家としてはゴミだったけど、画力だけはあるような奴を前に立てて商売組み立ててそれでよしとなるから、デザイナーの奪い合いになるんで。そんなPixivで絵描き引っ掛ければカードゲームぐらい作れるだろうとかその程度の認識の阿呆が多すぎます。もうね、その巨大すぎる資本金はとっとと返して荷物まとめて田舎へ帰れと。そう思うわけです。



 そんなの一芸で上場目指したって枯渇して終わりって誰も指摘しないんですかね。i-modeバブルの経験を誰も生かさないんでしょうか。あのとき日本で儲けた金を海外で散財したり、有力IPの調達でごっそり巻き上げられて、その後ブームが去ってから業績が低迷して併合の駒になったコンテンツプロバイダー(笑)がたくさんあったことを忘れたんですか。三年五年喰えればいいやと思っているのかもしれませんけど、夢を語る奴に限ってなんで業界の賃金相場荒らしてまで人増やしますかね。そういう経営やってるから固定費が馬鹿みたいに上がってクソのような見積もりを出さないと利益が取れないんですよ。「あそこを使ってやってくれ」というので話を聴いてみたら不思議な一式開発費の項目が入るのは本当に勘弁して欲しいです。



 よくよく話を聴いてみると一番利益が取れてるのがたまたま当たったコンテンツが二個か三個で、それ以外は死屍累々だというケースか、自社コンテンツはそもそも当たってなくて代理店経由で取れた割のいいアプリ開発の受託が収益のメインであるケースか、そんな感じ。当たっただけ凄いとは思うけど、その当たったコンテンツを作った連中は実は外注でしたとか、じゃあ何のためにお前のところは中にラインを作ってるんだよ。そのラインで働いてる連中はどこから連れてきたのかと本気で問いたい。そういうことをやっているから、計画通りの日時でリリースができないんじゃないかと思うのです。



 そうでなくとも、結構本気でそういう作り方でいいやって考えてるなら、とっくに台湾やマレーシア、ベトナムの業者に開発競争で負けてますよ。お前らのアドバンテージは巨大な日本市場に寄りかかって開発できている日本人だということだけです。いかんでしょ、そういうやり方では。



 本当に申し訳ございませんでした。