もちろん、私の知識は太陽光業界に関しては特に付け焼刃ですよ。

 正直、市場の知識しかありません、私には。



切込隊長の人がこれっぽっちもFITを理解していない件

http://d.hatena.ne.jp/andalusia/20120522



 kW42円と書いたのは、確かに乱暴でしたね。それは今後修正したいと思います。で、以下各論ですが。


[引用]長期固定なのは当たり前。いくら技術が進歩しても、既に設置した太陽電池の性能は上がりません。

現在のドイツをはじめとする、多くの欧州諸国も長期固定。




 プロジェクトファイナンスのことを言っていますか?



 それであれば、将来的な価格下落を見越せる後発の日本の場合は、下方弾力性を持たせることも可能だということを言いたいわけですが、それでも価格下落が見込まれる長期固定の調達価格を前提とする必要がありますか。



[引用]長期固定のメリットはファイナンス。収益予測のぶれが少ない方が、低い資本コストで成立する。3年後以降の価格はわからないとリスクが増えて性質が株式に近づき、20年固定とすると債券に近づくので、後者のほうが低いIRRでの事業成立が見込める(=国民負担が減る)。FITの基本中の基本。*1



 であれば、買取上限を設ける必要はあるんじゃないですかね。

 FITの基本と言いますが、それが失敗したのが高い値段で設定したスペインの太陽光バブルであるという認識なのですが、それは間違いでしょうか。一度買取をはじめたプロジェクトは、仮に設備が更新されたとしても買い取り価格は下げられないことになりますし。



 結果的な国民負担は、買い取り価格の総額で決まるのは、FIT以前の問題だと思うんですけれども。

 電力会社を通じて、高い自然エネルギーを買い取るわけですから、その電力会社が上場していようが国有化されていようが、結局は民間の資金の一種ですよね。



 国民負担を調達サイドの話に置き換えるのは、普通に危険だと思うんですが。

 確かに業者は調達リスクは減り、収益確定できるのは事実だが、その稼動期間の割高な電力



[引用]設置時の買取価格で20年固定だけど、その価格は半年ごとに見直すので、その点は妥当。煽るためにわざと書いてないか、知らないかのどちらか。



 少なくともパブコメの資料では、設置が完了した時点ではなく、計画が承認された時点のお話なのかと思うのですが、一番最初に起案された計画が承認されたら20年間買取確定という理解でいいですか。



 スペインの太陽光バブル崩壊は、価格弾力性が効く前に設置した大量の太陽光パネルプラントの電力買取が電力価格を押し上げ、慌てて政府が買い取り価格を引き下げようとしたが、既存設置分のオーナーシップ側から訴えられて、政府が敗訴するという事態になっています。



 煽るも煽らないも、同じ轍を踏む必要がそもそもあるんですか、と言う話をしたいのですが。



[引用]中国製のパネルが、と書いてあるけど、2010年現在はパネルは大幅な輸出超過(国内向け生産866MW、輸入125MW、輸出1,445MW)*2。国内メーカーはそれほど弱小ではないよ。*3



 日本の太陽光パネルに競争力がないとは言い切りませんし、新規技術があるようにも聴いていますが、東洋経済の記事ではここ一年半の大幅な市況下落と中国系パネルとの競争激化で、苦戦を強いられる国内メーカーの問題が取り沙汰されています。



瀬戸際に立つ太陽電池産業、欧州債務危機が飛び火し軒並み大赤字(1)

http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/7034f8e252647b63ab0b829b4171eb05/



 仰る輸出統計で見ると、なぜ2010年の数字を出しておられるのか分かりませんが、2011年通算では市況の下落もあって、用途別では供給kWが下落に転じています。



http://www.jpea.gr.jp/pdf/qlg2010.pdf



 これが、国内の調達価格が確定したら、さらに輸入比率は上がるんじゃないでしょうかね。JPEAに加入していないプラント業者や商社については、おそらく外→外も多いでしょうから、一概には言えませんが。



 最後に、FITを金科玉条にしていますけれども、実際には電力調達に関しては単純な経済原理だけでなく、安全保障の観点も加味しなければならないと思います。



 分からないなりに勉強して、おかしいと思うところはどんどん煽るよ! ということで、よろしくお願い申し上げます。