某所で騒ぎが発生し、煙が上がっておりまして、さっきブログに途中まで言及するエントリーを書いたところchromeが落ちて原稿が消えた…。気を取り直して、改めて書くには心のダメージが大きいので簡潔に書く。

 ああ、こんな指摘は当たり前と思う人も多いと思うので、そういう場合はスルーして頂戴ませ。

● アニメとBD販売、ゲーム販売について

 結構、ゴールデンルールがあり、深夜帯アニメは特に、放送時点での数字や評判が必ずしもBDの売上に直結するわけではない。とりわけ、ネット掲示板などで絶賛されるクオリティだとしても、BDはさっぱりということもあれば、別の作品の売れ行きとトレードオフになっていて、1クールずれたというだけで売れない作品がある。

 その一方で、描写や内容が一時的に受けて絶賛された作品が、たかだか半年の間に一気に飽きられて2期の企画が進む途中で壮大な客離れをすでに起こして敗戦確定するケースもままある。これはもう誰の責任でもない。
● DLC商法について

 BDセールスの現状がこうである以上、映像作品をそのまんま流通させようにも売れないことを見越してのゲーム化が最初から組み込まれる。本編が不評だともう目も当てられないけど、投資回収においてBDよりもゲーム化のほうが数字が良いケースが多いのと、某社某社長や、某グループ総帥がそういう成功方程式を信じてやまないので、制作サイドは常にそのスパイラルに巻き込まれる。助けて。

 DLC商法を狙っていくということは、本編が外れでゲームが不発に終わる際に、100%開発を終えて投入するとその開発費用分損害を蒙るので、βと称してサービスを投入したり、DLC投下が前提として中途半端なところでも見切りでゲームを出せるようにするために利用される。

 また、作品が当たったら当たったで、DLCを次々と出すことによって、払ってもいいと思っているお客様から効率的に資金を集められることが求められる。そのため、DLC前提で制作見積もりを出すのが当たり前になった。それが良いのか悪いのかは私は知らん。

● ソーシャル化について

 最近は、ソーシャルゲームにしたいと言い出すEPがとても多い。簡単に言うなよと思うけど、そういう発注になる以上しょうがない。本当であれば、女の子を独占したいヲタ同士がフレンド申請しあってギルドバトルをやるような仕様は想像するだに恐ろしいのだが。

 ただし、ソーシャル化したからといって、売上が期待通り上がることは少ない。委員会が最後に帳尻を計算したとき、変にソーシャルゲームに手を出さなければ黒字で終わって次があったのに、という場合もある。

● 15歳以下について

 描写に制限をかけるのかかけないのかはっきりして欲しい。素材待ちをしている間が一番の無駄な開発工数となることを忘れてもらっちゃ困る。というか監修に出したあと、モノが帰ってこないとかマジでアリエンティ。

● アンロックについて

 ゲーム業界出身のDとかが入ってると、DLCではなく時限式アンロックや、実績でのアンロックを仕様として入れたがる。別にどっちでもいいのだが、アンロックということはDLしない限り最初から制作を終えた段階でリリースしなければならないとか、仕様も見切り発車でなく前倒しで全部決めておかなければならないとか、さまざまコストアップの要因となり、それが結果として本編アニメが外れたときの投資リスクを高める結果となるので素人にはおすすめできない。

● メディアミックスについて

 コンテンツにも「ヲタ向け」「一般にもいけそう」というような「格」というものがあるので、メディアミックスだから良いとか、収益性が高まるとかは言い切れない。ただ、メディアミックスをしたいと言っても基本的に大手のメディアコングロマリットの関与する余地が高まるので、弱小のEPが立っているプロジェクトではそもそも成立しない。

 立場的に弱いくせにメディアミックスしますといって風呂敷を広げたプロジェクトシートを出してくるEPやPはロープを用意してやるから勝手に首からぶら下がって欲しい。

● 海外展開について

 そもそもその表現系を何の修正もなしに欧米やアジア圏に売れると思う夢見がちな人がおり、またそういう人に限って根拠のない自信の鎧をまとったアンデッド属性を持っていて、通常の攻撃が効かない。死んで欲しいと思うのだが、本人はすでに死んでいて、しかも死んでいることに気づいていないこともあったりするので困る。

 あと、英語できないのに海外に売ろうという人をどうにかして欲しい。訳すの私じゃねーか。

● テレビ局について

 結局商売においては大人が揃っているので、損得勘定、善悪判断はテレビ局の人といかにうまく握っておくかというのが政治なんだろうなと思う。

● その他

 ヲタ系に受ける脚本家と、普通の人に理解してもらえる良い本が書ける脚本家は、どうやら根本的に違うらしい。