この状況で凄い計画を立てる猛者がいらっしゃるということでピックアップ。

パチンコ大手が香港で上場目指す ダイナム、国内外で初
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012032101001783.html

 いろいろと思いを馳せたくなる部分も多々あるわけですけれども、一般論で申しますならば、日本でホール業態が上場を承認したがらない理由は明確で三店方式のアプローチの合法性について「100%適法とも言いづらい」というのが理由で投資家保護の目的を根拠として見送られるという事例が多いのであります。
 しかし… ダイナムねえ。そういった意味では、一番評価の難しいところがルビコン川を渡ろうという話になっておるわけですね。去年のいまごろだったか、地震前に例のカジノ法案に絡んでパチンコ合法化の道筋がどうたらと力説していた人たちが何か関係しておられるんでしょうか。

 まあ、事業としてはもちろん素晴らしいわけですし、評価額1,000億円超の大型上場だといえばその通りですので、それはそれとして海外の投資家へおおいにアピールしていただきたいところではあります。こうなるとホールさんの海外上場の道筋がついて加速をするって話になりますと、それではそろそろ曖昧にしてきたものも広げて公論にしましょうか、となって、そもそも論で営業許可が全面停止になったり現在進行形で問題になっているところが摘発されたり、いろんな余波が出るんじゃないかと思うんですよね。

 何というか、ゼロ成長経済っていうのは、経済が成長していたときに「まあ、いろいろ問題はあるけど、白黒つけたらお互い厄介ですから、ここはひとつ丸く妥協して進めて参りましょう」ということで蓋をしてきた数々の問題が隠し切れなくなって、囚人のジレンマでいうところの協調ゲームが続けられないことに気づいたプレイヤーから続々と裏切り利得を獲得しようとする行為に走ろうってことになるんでしょうかね。

 この段階で報道がある、ということにも何らか意味があるのかもしれませんけれども、そのあたりは深く考えないようにしましょうか…。