15歳以下の利用者はほぼ全面的に機能停止という空前の児童保護対策を発表して凄いことになっております。

 各所で取り上げられておりますとおり、アメーバのスタッフブログのコメント欄には大量の怨嗟の声が寄せられており、ここまで民忠誠度が下がって一揆が起きるとやはり気になるのであります。

[重要なお知らせ]15才以下の方による、アメーバピグ・ピグライフのご利用に関して
http://ameblo.jp/pigg-staff/entry-11190753093.html

 まあ、JCだJKだ女子中高生を喰えると評判のサービスとなり、そういう児童相手にキャバクラゲーの提供などされますと、確かに前哨戦としての踏み込みを警察が考えるのもまあ仕方がないのかなと思うところであります。ちょっと抜き差しならないことがあったようで、まだいろいろ統制が敷かれているようでありますが、警察からのお問い合わせの結果、まるで脊髄反射のようなここまで壮大なる規制がなされたことは特筆すべきところなのではないでしょうか。
 何しろ、ファンシーなキャラクターチャットを提供しているのがアメーバピグ最大の売りであるのに、肝心の他ユーザーへの訪問ができないのでは何のためのアバターなのかわからなくなってしまいます。

 いわゆる健全サイトという建前が急速に崩壊するいま、機能的に可能であって被害実態が視認されるのであれば出会い系サイトに準ずるものとして当局のヲチの対象となるは致し方のないところでありましょう。当然、過去にも相応の勧告や、行動指針の厳格化、問題となりそうなワード等の監視といったお願いベースの連絡は入っていたようにも聞いておりますが、結果として実効性のある対策を何も講じなかったのであれば一線を越えられるのは時間の問題なのかなあとも思います。

 これがサイバーエージェントの経営にどれだけの影響があるかは良く分からんところではありますが、ひとつ言えることは今回のサイバーエージェントのアメーバピグでの利用制限が、今後同様のサービスに対する指導の前例になる可能性が高いということです。ユーザーチャットは便利ですし楽しいわけですけれども、未成年者が利用しうるサービスにおいては青少年保護の仕組みはきちんと入れ込んでおかないといかんということですね。

 そもそも、出会い系サイトの類はネットバブルの時期でも株式を上場させることはできませんでした。それをエキサイトがぶち抜き、また利益率に惹かれたIT系上場企業が雪崩を打ったように「ソーシャルサービス」「SNS」の立て付けでほぼ機能的には出会い系サイトと同じサービスを展開することで、出会い系サイトの上場排除の方針がなし崩しになってしまったという実態もあります。裏口上場とまでは言いませんが、ノウハウを持った出会い系サイト運営者が潜り込むことだってあり得るのでしょう。

 恐らく本件は一罰百戒を見込んだ見せしめではなく、これを入り口に他のサービスにもお話をする機会がもっと増えるのではないかなあと思っております。まあ、こういうサービスはアングラに戻るべきだとも思うんですよね。

 というわけで以下引用。ちゃ、ちゃんと要請したのに監視強化を打ち出さなかったサイバーエージェントが悪いんですからね!

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仮装空間「アメーバピグ」で詐欺や盗み、子供ら被害
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E3E0E2E2858DE3E0E3E3E0E2E3E39191E3E2E2E2

 インターネット上の仮想空間サービス「アメーバピグ」を巡り、小学生を含む未成年者による違法行為などが相次ぎ、警察や教育関係者らが警戒を強めている。運営するサイバーエージェント(東京)も対策強化を進めているが、不正行為のすべてをチェックすることは難しいという。

 2~9月、愛知県警が同県など6県の小学5年~中学2年の男女8人を不正アクセス禁止法違反容疑で摘発した。8人はメールを通じて他者のIDやパスワードを不正に取得し、アメーバピグにアクセス。被害者のアバター(自分の分身)や利用者が現金で購入したアバターの衣服・家具など、仮想空間内の持ち物を乗っ取っていた。被害者側も小学生を含む未成年者がほとんど。

 2月には福井県警が、福井市の女子中学生のIDなどを聞き出してアメーバピグに不正侵入したとして奈良県の当時小学4年の少女を補導した。

 愛知県警生活経済課の担当者はアメーバピグについて「芸能人が参加したり、テレビCMを流したりして子供の人気が高い。気軽に参加でき、のめり込みやすい」とみる。

 全国webカウンセリング協議会(東京)の安川雅史理事長は「かわいらしいキャラクターを使った仮想空間で現実世界さながらにやり取りできるのが特徴」と言う。相談も増加傾向にあり、アメーバピグ上の人間関係で悩む子供や、「学校に友達はいないがピグの中にはたくさんいる」と話す子供もいるという。

 愛知県警は10月、サイバーエージェントに、アメーバピグ上の監視強化などを促す異例の要請をした。同社はIDやパスワードが盗まれにくくなるよう対策を強化。会員同士のやり取りでIDを聞く行為に対しても、警告を出すようにする予定だ。同社の担当者は「すべてをチェックできるわけではないが、少しずつでも未成年者の不正アクセスを防ぐ対策を強化したい」(広報担当者)と話している。