人がちょっと出張とかで忙しくしてたら面白そうなイベントを勝手に開催しやがって畜生め。おじさん、いまさらのように煽っちゃうぞ。

● 序章: イケダハヤトという新しい観賞用資源について

 最初、タカヒロさんがイケダハヤトさんをボロクソに書いていたのに、イケダさんがあまり応戦をしないのを見て「反応しないサンドバッグはただのカカシ」と思ってスルーしていたら、ブログに実にとんでもないことがしれっと書いてあって、イケダさんは実は相当な本物度であることが再認識され、改めてレーダーをそちらに向け直したところです。

寛容力と「解決すべき課題」
http://www.ikedahayato.com/?p=5842
[引用]僕に対する否定の言葉を、僕のフォロワーに「晒し」たら、十中八九、発言主は叩かれるでしょう(その人が正しかろうが)。そういう意味では、僕は「戦力」を持っているようなものです。

もし僕が戦力を行使すれば、発言主はガチでメンタルダメージを食らいます。それは経験上、良く分かっています。それこそ人を殺せるほどでしょう。

なので僕はそうした「晒し」は行いません。自分がスルーすれば、まぁ1ヶ月後には収まっている話です。これが、今僕ができる最上の寛容です。


 馬鹿だなあ、こっちは五年でも六年でもヲチし続けるんですよ。一ヵ月後に収まるとか、お前はいったい何を言っているんだ。木村剛であれmixiであれ池田信夫であれ、そこに何らかの面白味がある限り、メンタルダメージなどという抽象的な概念はかなぐり捨てて、数々の春夏秋冬を何度も乗り越え全知全霊をかけてヲッチするんです。最優先ヲッチ先は起きてヲッチ、飯喰ってヲッチ、移動中にスマホでヲッチ、会社でヲッチ、赤ちゃん寝かしながらヲッチ、クソの途中もケータイ片手にヲッチ、原稿や企画書や事業計画読みの合間にヲッチだ。そして面白さが溜まったらブログに書く。それがヲチャーというものです。

 まったくもって、この馬鹿のいう「寛容力」とかいうのは、冬装備なしにモスクワ攻めに借り出される枢軸ルーマニア軍戦車の紙の装甲みたいなものです。お前がどう思おうと、そんなものは関係ねえんだよ、こっちはずっと見続けるんだから。

 そして、閾値を超えるごとにヲッチする人は増えていくわけです。

ソーシャル メディア仕事人 (?) の不思議発言集
http://matome.naver.jp/odai/2132067670171857801

 こういう沸点に到るまでの水温の高まりがあったあとで、水蒸気としてのノリタカヒロさんが登場して、話がぐちゃぐちゃになるんですよね。

https://twitter.com/#!/mediologic/statuses/163558896164810752

 これはまだね、前座ですよ。前説ですよ。ジャイアント馬場のような大御所たる佐々木俊尚さんが見せる無双試合にいたる、盛り上げ役としてのイケダハヤトさんが、今後どこまで本物に近づいていけるのか、そこがヲッチの醍醐味であり、中には力尽きて姿を消すソラノートあり、本物過ぎてガイガーカウンターが振り切れヲチる側すらも自己規制で摂取制限をかけるベンジャミンや副島隆彦あり、本当に楽しみです。

 いまはまだイケダハヤトさんはチリのような存在だけど、チリも積もればゴミとなるというし、どこまで彼の内なる自己が肥大できるかを見続けていきたい。そう思います。

● 前編: 佐々木俊尚、おおいに煽られ咆える

 佐々木俊尚さんといえば、見た目はタブチ君だけど仕立てのいい背広を着ているし、書く本も面白いということでウェブで一定の地位を確保したイケてるおじさんであります。

 その佐々木俊尚さんを召喚したのがイケダハヤトさんなら、佐々木俊尚さんが彼の言葉を軸に捻り出したのが旧来型の広告業界批判でありました。

佐々木俊尚氏に絡む広告業界の人たち(第一幕)
http://www.togetter.com/li/253174

 たぶん、佐々木さんは何の気なしにツイッターに書いたのだろうと思います。なぜかCCI長澤秀行さんが話に挟まり、まあ長澤さんも地位ある人なんだからうっかりしたことを書かずに大人しくしておけと思うわけなんですが、佐々木さんへの罵倒と前後して「収縮する業界からはつねに怨嗟の声が上が」るという話をし始めて微妙な流れとなります。実も蓋もないというか、それを言っちゃあジ・エンドというか。

[引用]まあ収縮する業界からはつねに怨嗟の声が上がり、それが突出した若者への非難として爆発する。ここ数年、その繰り返しなんだよね。そして今はそれが広告業界のある領域にやってきたというフェーズ。

 佐々木俊尚さんの闘争心に火をつけた猛者が、@hidix_aさんという結構な煽り技量を持つ御仁でありました。煽り発言のキレも良く、直接mentionに飛ばされたら佐々木さんならずとも「イラッ☆」と来る性質の物言いが素晴らしいのであります。残念ながら、ご本人は削除してしまいましたが「だって、馬鹿なんだものwww 新聞・テレビ崩壊の著書の落とし前は? 佐々木俊尚さーんwww」とか、それなりにズドンと来るものがあります。見事なお手並みで。まあ、物書きとしてはある程度センセーショナルなハシラがないとそもそも本が売れないというところもあるので、そこは配慮してあげるべきかと思いますが、しかし佐々木さんも本を上梓するたびに特定業界に敵が増えるという意識はおありのようですので、やはり気にしているところに触れたのかなあと外野からは見えます。

 しかし、残念なことに過去の経緯もあったようで、この@hidix_aさんは佐々木さんにブロックされており、直接、彼の飛ばしたツイートを佐々木さんが読むことはありませんでした。その代わり、彼の発言にRTをして佐々木さんの目に留まったばっかりに、怒りゲージが溜まって佐々木無双が発動された直後、真っ先に実名を晒されて詫びを入れる形になったのは読売広告社の森勇(アカウントは@0136)さんであります。ボンバーマン的な誘爆の悲劇といっても過言ではないでしょう。煽りのツイートに対して、煽り気味に同調したところを佐々木俊尚さんに捕捉され血祭りに上げられる過程がtogetterに生々しく収録されておりますのでご笑覧いただければと思います。

https://twitter.com/#!/sasakitoshinao/status/166188443733467136
[引用]まあ読売広告社は私を敵に回したいのなら、かかってこい! 森勇さん、待ってるよ。

 どう考えても森勇さんが読売広告社を代表してtwitter上で佐々木俊尚さんをDISっているわけではなく、単純に広告を業として営んでいる側からして佐々木さんの広告業界に対する論説の一部が事実ではないことを知っていて批判的態度を個人的に取っているだけだと思うのですが、この一件を持って読売広告社対佐々木俊尚というソ連機甲師団対ハインリヒ・ルーデルのような無双的アプローチに持っていく佐々木さんの武力が高いと感じるところです。

 結果として、その後は誰一人として社の看板を背負って佐々木俊尚さんを堂々と批判する人は現れず、なぜかところどころで高広伯彦さんがリングサイドでその他大勢レスラーをなだめに回っているという不思議な光景が見られることになります。

● 後編: 自ら燃ゆる佐々木俊尚を論じようとする名前つきボスの群れ

 佐々木さんが派手に暴れるとそりゃあまあ目立ちますので、当然のようにそれを解釈したり論じたりすることで絡みにいこうとする名前つきボスが現れます。普通はこういう事例に積極的に絡みにいくのはそれ相応の芸とスキルが必要になるのですけれども、各員それぞれにスタンスがハッキリしていて面白いと思うわけです。

 ・ 青木勇気さんの場合

 ちょっと青木さんが本稿で何を言いたいのか良く分からなかったため、ちょっと何言ってんだか分からないと本人に直接mentionを送って質問してみたところ、要するに「煽る側も空気読め」的なお話のようだったので、なんとなく理解した気になって掲載してみます。

「佐々木俊尚氏に絡んだ人たち」が本当に恐れるべきもの - 青木勇気
http://blogos.com/article/31342/

 上記イケダハヤト氏への見解でも述べたとおり、外野がどう思おうがヲチ世界の時間のスコープというのは非常に長く、オーディエンスを考え始めたらヲチなんてできないという点で根本的なところで青木さんは性善説の人なんだろうと思うわけですが… むしろ我々は対岸の火事どころか可能ならば炎の中心で暖を取りたい、あるいは高い理想と低い現実の狭間で著名人が燃えているさまを見ながら格闘技的なカタルシスを感じたいのです。

 絡む側にせよ見る側にせよ、燃える、燃やす、燃やされるからには何かを得ようと考えます。あるいは、しまった意図せず燃えてしまったのでどうすれば名誉を保ったまま撤収可能だろうかと思うわけです。先般の、上杉隆×町山智浩論争でもそうでしたが、上杉さんは馬鹿ではないので周辺の人に収拾を依頼しつつも、人の見えるところではファイティングポーズを取るのです。そういう押し引きができて始めて佐々木俊尚さんとの論争で劣勢でも互角に戦いうる資格を持つのであって、どこぞに勤めて匿名気味のアカウントで絡みにいって、相手に振り向かれたら外野なんて気にしている余裕はないでしょう。

 もし、私が森勇さんの立場だったなら、詫びることなどしません。「馬鹿にしましたが、改めて聞きます。佐々木さんの書いた本、間違ってますよね。訂正していませんよね。何故ですか」「どうしてですか」を言い続けます。そのうえで「斜陽産業だと広告業界を揶揄していますよね。でも業態転換が進んだ広告グループでは収益性を回復しています。どこが斜陽ですか?」という話をし続けると思います。「USTやろう」と佐々木さんが水を向けても、「質問に納得のいく回答が出たらUST出てやる。2011年に新聞業界が崩壊するって本当ですか。いま2012年ですけど」とか回答すればよろしい。間違いなく、広告業界の一定割合は佐々木さんの一連の論説に好感を持っていませんから、青木さんの言う外野の一部はウェブで無名の森さんの肩を持つことでしょう。残念ながら、もう時期を逸してしまったのでこの作戦は無理でしょうが…。

 たぶん、青木さんの論述は恐れるべきものではなく、撤退戦のときに無名の人が抱えるリスクの指摘だろうと思います。

 ・ ゆるふわ悪態生活の場合

 その青木さんの性善説とは視点として逆の、よりスレた業界人としての論説アプローチはこちらです。

佐々木俊尚さんがTwitterで広告業界のヤカラに絡まれた件について
http://d.hatena.ne.jp/tsunmatsu/touch/20120207/1328614123

 論調の特徴としては、徹頭徹尾、佐々木俊尚さんはどうでも良く、ちろっとTwitterで煽ってみたら大物が振り返って超絶釣れた釣れたの爆釣り状態で魚拓取り放題で見せびらかして飯も酒も旨くて人生最大のモテ期到来といった風情の内容であります。

 最後のほうのパラグラフが絶妙に保険になってマジノ線気味になっているところに好感が持てます。ただ、一発ネタで終わってしまっているのが勿体無く、ここから引っ張って5,000字位書けるようになって欲しいです。

 ・ ハックル野郎こと岩崎夏海さんの場合

 佐々木俊尚さんの論争を奇禍として、自分に関係のある話題に無理矢理リンクさせようと頑張った結果、どうしようもない作品に仕上がってしまったのが、元ベストセラー作家・岩崎夏海さんの論説です。

2015年のイ左々木イ夋尚氏に絡むIT業界の人たち(第一幕) - Togetter
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20120207/1328600080

 こちらももちろん佐々木俊尚さんは全然関係ありません。

 せっかくなので、せめてどこか面白いと思えるところはないだろうかと何度か読み直してみたのですが、全然面白くありません… どういうつもりなのでしょう。センスがないというか、狂っています。敢えて2015年っていう年号にしているということは、将来こういう話が佐々木さん周辺とヲチ界隈で発生すると言いたいのでしょうか。

 なぜ登場しているのがdankogaiと加野瀬さんとはてな近藤なのかも良く分かりません。はてな民を釣りたいのであれば、もっと他の元ネタと登場人物を仕込まないと釣果など期待できないのではないでしょうか。ただ、リアル周辺によりますと本人のはてな出没は実験的な釣り場として半分本気半分ネタと割り切ってやっておられるということでありまして、ヲチ客流してもやらせがメインでは面白くないということで、この辺にしておきたいと思います。

 願わくば植毛して出直していただきたいと思うところではありますが、ご結婚おめでとうございます。

 ・ 広瀬隆雄さんの場合

 何故このタイミングで広瀬さんが佐々木さんの昔話を蒸し返していじっているのかと思うわけですが。

FacebookのIPO申請書類を読めば佐々木俊尚氏が100%間違っていたことが確認できる ユートピア的な幻想の怖さ
http://blogos.com/article/31253/

 何というか、FACEBOOKのIPO申請書類は事実関係が濃縮果汁還元100%の真実で、そこから外れた論説は幻想だとかいう不思議な論立てで広瀬さんが書いています。「FACEBOOKがリアルをどう定義しているか」なんて本論に全然関係ねえし。Twitterでは無名戦士に絡まれ、BLOGOSでは広瀬さんのような名前つきボスに意味の分からない反論を名指しでされる佐々木俊尚さんの修羅の道を感じ入り涙で液晶がにじむのです。

 リアルとウェブ空間とでは従来は別個に人間関係が成立していたのが、だんだんとウェブ社会がリアルと融合していって、新しい公共の概念が生まれ人間関係に変容が発生するのは当たり前の事象であって、FACEBOOKが上場の際の目論見書にバーチャルな人格やネット上だけのつながりに関する記載がないからウェブ人格の存在を否定するとか広瀬さんってやっぱり馬鹿なのかなと思う次第です。

 FACEBOOKがヘビーな利用者の行動履歴を集めていることなど別にリアルの証明ってわけでもなく、佐々木さんの論述を否定する根拠にはまったくならないことすら気づいていない感じでして、このピントのズレ具合が情けないというか、お前はいいから投資業務に専念してろというか、分からない分野については静かにしておこうという姿勢が大事なんじゃないでしょうかね。

● 終章: 佐々木俊尚さんの環境について

 佐々木さんの発言にもあったとおり、ちょっと前は出版、新聞業界やテレビ業界から、最近では広告業界から罵声が飛ぶ機会が増える一方、彼が鳴らす警鐘自体にはとても価値があるので、まずはいったん受け止めて、業界の将来像をよく考え咀嚼したうえで、賛同なり批判なりをするべきだと思うのです。佐々木さんの発言は業界人にとっては刺激的なものも多いのですから、脊髄反射で賛否を明らかにすると微妙なことになりますし、佐々木さんに限らず100%正しいことを言っている人というのは世にいないことを前提に、ここは受け入れられる、ここはむつかしい、と個別に考え、判断していくほかないのだろうと。

 だから、佐々木俊尚さんに石を投げようとする者は、まず我が身を振り返って、己の業界や就業環境に一点の曇りもない者だけが石を投げてよい、ということにすればいいと思うのです。そうすれば、佐々木さんに石を投げている者が一人去り、二人去り、どんどんいなくなって、そして私だけが佐々木さんに石を投げているという状態になるのであります。

 mixiとはてなの争いが発生し、泥沼化の末、お互い共倒れになることを期待しております。