ステマ≠有利誤認ということではありますが、どうも議論が喚起されそうでありますので一言。

 要するに、お金を貰っていながら、さも客観的であるかのように商品やサービスを薦めるという業務態様は昔からあります。ウェブで問題になっているのは、それが業者よりも一般人にずっと寄ったこと、また、ウェブを使っての販売が一般化したことが背景にあるわけですね。
 まともなセールスアフィリエイトの会社であれば、売買を促すクリックの誘導の有無が非常に重要な評点となりますが、そういう業者の都合上で行われた線引きでいいのかなというのは永遠の課題です。なぜならば、広告をクリックしてねと直接書くサイトと、その商品がいかに良いかブログなどで記事を執筆して広告を貼るサイトとを比べた場合、そもそもどちらが有利誤認の可能性が高まるのかという話でありまして、明らかに後者のほうが潜在的な問題を孕むわけであります。

 なので、そういう潜在的な問題を知りながら有利誤認を企業挙げて実施しているようなサービスは着地点が存在せず、懸賞サイト大流行後やQ2/出会い系の末期のような状態になる可能性はやっぱり否定できないんですよね。

 いままでは、グレーだ、ということで終わっていた話も、いざ問題が明るみになってみると線を引くイコール死刑宣告を受けるというケースもあるので、とっても微妙なところではあります。そういうダルい規制を監督官庁が敷くのではなくて、業界団体による自主規制のようなもので対応するのが筋なんじゃないでしょうか、みたいな話になりやすく。

 でも、そういう業界団体の自主規制というのは、文字通り囚人のジレンマを引き起こし、逸脱者が常に利得が得られるポジションに来て、対応が遅れるほどにアドバンテージを得るという結論にもなり兼ねません。やはり、ステマ問題や有利誤認を業として大々的にやらかしている業者はあまり望ましくないということで、きちんとした線引きをしていくのが必要なのではないかと思います。