さすがにちょっとだけ言及を。一般論ではありますけど。

(追記:リンク貼り忘れ! 失礼しました。→ http://dochikushow.blog3.fc2.com/blog-entry-2175.html )

>■絵が良くできてる
>■グラフィックを殆どflashで作っている
>■webページ部分の見栄えもハンパ無い

 グラフィックについてはFFタイトルに恥じない内容に仕上げようというお話であり、予算もやはり試験的な投入という意味合いではなく、きちんとビジネスモデルに乗り、また市場を先導していくことを念頭に置いた進め方になっていると思います。

 結果として、メディアがどうであれモノをしっかり作っていくというドクトリンになり、それを支える予算であり、そういうビジネスとしての握りになっている、それが今後の業界のスタンダードになっていて、また同じようなクオリティと作り込みの作品がどんどん出てくるぞということでしょう。
>■雑感A
[引用]こういうのは職人ブっこむ(金を使う)事で全部解決しちゃうんだ。
 俺は見て来たんだよねコンシュマー業界で。


 ユーザーの時間を使わせるための単位コストが上がってきて、回収をさせるためのハードルの上がり具合との間が制作難易度になってるんですが、ぶっちゃけコンシューマー業界はROMやカセットを流通に入れた瞬間に回収が決まる(任天堂だと何ヶ月か後)のに比べて、ソーシャルゲーム業界は制作費そのものよりも運営の能力や広告宣伝費が売上に影響するウェイトが大きい感じがします。

 が、ゲーム職人は習性としてまず制作に金をかけようとします。確かに、制作の単価はコンテンツのリッチ化と共に上がってはいくでしょう。ただ、ソーシャル業界の場合は、ドクトリンが異なり、また売り場が…(自粛 のため、同時期にハンドリングできるAAAタイトル(大作)の数が限られています。

 金の使い方が変わったことで、機能やグラフィックの膨大化に伴う制作コスト増は、利益水準が許す限りの上昇に留まり、むしろ稼ぎ頭のタイトルの客を逃さず更新を続ける努力やタイミングをきちんと弁えた広告宣伝、それを支える売り場との…(自粛 が基本的なプロジェクト構成となるでしょう。

[引用]
 でも宣伝、運営考えたらそれぐらいブっこむのが出てこないとも言い切れない。
 50億以上の利益出すゲームがある以上、使うコストも近づいて行くさ。


 そうであることを願っていますが、実際には投入する制作費用は大手パブリッシャーが牽引するタイトルだけが引き上がっていき、従来からソーシャルゲームをやっているところは流行のゲームジャンルの定番化と共にむしろ受託単価が下がってきているのが実情です。750万でソーシャルゲーム作ってくださいとか言われると死ねと思いますが、最近では食玩かと思うレベルの依頼や、真水の広告タイアップ狙いのようなのまで出てきている始末です。もう、そういう時代なんですよね。たくさん代理店経由で安値で請けてる小型船舶が軒並み炎上してますけど。

 流行るゲームシステムが似たり寄ったりで、エンジンが出回っていることでギアリングが効いているのもあるのですが、それ以上にゲーム業界で食えなくなった開発会社やアジアでスマホ向け開発に特化したけど欧米からの受注が思ったほど入らないことが分かった開発会社が、実質的に制作費用をダンピングして受注をするという事例が横行しているというのもあります。

 バブル崩壊がどうのというのは去年の夏ぐらいからいろいろとあれですが、50億の利益が出ると言っても従来のゲームパブリッシングとの決定的な違いは明確で。初動でパッケージが売りあがってドンと金が入ってくるわけではなく、月に何億円かの売上が上がりながら、それを増やしたり維持したりする運営にコストをかけて半年ぐらいで迎える商品寿命から得られる売上をどう最大限にするかというビジネスの進め方です。

 また、売り場と… イチャイチャして有利取引をしているゴミベンチャーや売り場の主当人から出るソシャゲやスマホアプリの寿命が… 実に… だったら、制作費を引き上げるよりも、広告宣伝費に投じたほうがいいのです。制作費に12億投じるよりは、電通に12億入れてCF垂れ流したほうが。

 なので、他社さんの研修でもよく話すのですが、短期で利益を上げるモデルがどうたらと考えるのであれば、何よりもまずギアリングを高める方法を、長く利益を出していくならパッケージモデルにDLCがくっついているかのような考え方をまずやめ、DLC一本で喰っていくためのコツを考えたらどうですかということです。

 事業のコアをネット経由のデジコン販売に方針転換した大企業が続出しているため、ビジネスのコアがデジコンにはない事業部が大混乱をきたす事例もそこここであるようですが、結局ソーシャルゲームが喰ったのはオンラインゲーム会社であって、元からコアゲーマーからの売上に依存していたパッケージゲーム屋はむしろ堅調であるという市場の違いにいい加減みんな早く気づくべきだと思います。

 mixiとはてなの速やかな身売りと買い主の壊滅を心から願っております。