義理で某コンテンツのお通夜に参席し、単に葬送を見送るだけかと思いきや、まったく関係のない方面から「クソ野郎」呼ばわりされたようなので、分かる人だけ分かってね的な一般論を書きます。事情を知らない人にはちんぷんかんぷんかもしれませんが、戦訓として成り立つように極力一般化して書きますのでご容赦を。

■発注側の問題

 究極には、自分の権限や立場を守るために、さまざまな正当化を図って「社運を賭ける」動きを取るわけです。

 「失敗したら、責任を取る」とは言うんですけど、前の失敗のときも別に責任取らずにリストラだけ進めて部下切って黒字化したわけで、その経緯を考えれば関が原前夜の空手形書簡のようなものだと思うんですよね。
 それを聴いて、真に受ける社内も問題ですが、前々回も前回も同じような失敗をして、責任を取らずにポジションに居続ける大御所を斬らない他の経営陣が罪深いと思ってます。せめて株主のためにも解任動議ぐらいは出すべきじゃないでしょうか。

 一億歩譲って、彼の後に、襲うべき人間がいない、余人をもって代え難いという判断があったのだとしても、単に指示を受けて実直に制作しただけの人々に失敗の責任をおっ被せて追い込むのはよろしくないと思います。もう、この時点で日経ビジネスかFACTA送りになるべき問題じゃないかと思うんですね。

■受注側の問題

 いくらにんじんをぶら下げられて「失敗したら、責任を取る」と言われたからって、まったく素人で、できもしない案件を受注して、もうどうしようもなくなって、なお自分ひとりで抱えるのはやめてください。無理だと分かっていたなら、先にどうにかできるような筋道を作っておくのがプロだと思いますが、どうも本気で無理だと思っていなかった、自分ひとりで全部できると思っていたようで、それはそれでマズいんじゃないでしょうか。

 で、もう収拾がつかない、ダメだ、と分かったことはお通夜の席で明確になったのであれば、いまからでも自分から降りると言わなければ、その場にいた各社各員全員が等しく損害を蒙る結果になります。っていうか、そう言ったんだけど、まだ降りる気配がないのが驚きです。

■倍プッシュの問題

 確かに今までの実績を考えたら銀行からの借り入れはできるでしょうし、そのあたりの心配は外部の人たちからはされないでしょう。でも、もう火の車なんですよね。理由は単純、成功を重ねても、次の事業機会に前回の成功の儲けを全部注ぎ込んじゃう経営をやっているから、一回外れると連鎖してキャッシュが出て逝ってしまう事業構造になっるからなんですよね。

 小学生のお年玉じゃないんだから、そろそろそういう甘えた事業構造は考え直すべきポジションに来ていると思います。制作側だから、クリエイターだから、と言って許されるのは大手にかわいがられて下請けできている状態までだと考えたほうがいいんじゃないかと。

 もし、それでもなお理解できていないのだとすると、社内や側近が本当の意味で茶坊主の巣窟になって、太鼓持ちに担がれていい気分になっている証左だろうと思います。「諫言耳に痛し」とか洒落たことを言いたいんじゃなくて、本当に潰れますよ。

 指示待ちの茶坊主や、知った顔のパトロンはさっさと切って、自分の足で立てるところまで事業を立て直したほうがいいと思うんですけど、まあもう無理かな。

 以上、12年生き残ってる博打打ちである私からの妄想発言でございました。