早ければ年明け頃にもあれこれ騒ぎが起きるのかと思うと期待で胸が膨らんで風船おじさん状態となって偏西風に乗って太平洋を越えてカナダに落下して山火事でも起こすんだろうなあと思っておりますけれども、結構大変なことになってきております。

 もっとも、ヤクザ屋さんといっても直接もんもん背負った人がカタカタとコード書いたり鯖セットしてるわけではなく、そういう方面の人たちが資本投入したり役員に名前が連なったりしているという話なんですが、要するに出会い系でのしのぎが減ってきたので儲かる方面に参入してきた感じで。

 なんか山間部の開発が進んでしまったので、食糧となっていた木の実が減って食えなくなったニホンザルの群れが人里まで降りてきて田舎者が耕している畑を荒らしてサルとの戦いを強いられているという図式なんでしょうが、ソーシャルが流行っているというのでうっかり突撃してきたVCが金を入れてしまってから後で気づくというゴールデンパターンが出てきて面白くなってきました。
 都が変な条例を作りやがって、しかも結構厳格に運用しようとしているのもまた問題と言えば問題なんですけれども、未公開のコンテンツ制作会社をうっかり買ってみたらそこの株主に変なのがいたとか、オリンパスと比べれば桁は3つ近く小さいけど本当に千万か二千万かそこらの評価額の会社が一桁億円ぐらいの買収の具になってヤクザ屋さん方面へお金が還流してしまったとか、しょっぱい話が立て続けに起きています。

 こういうのを見ると、ビットバレー末期に面白スキームで箱乗り上場会社が見た目の売上を膨らませてブイブイ言わせていたりブーブー言わされたり悲喜こもごもな展開があったのが思い出されるのですけれども、中堅からベンチャーで数千万程度の月額売上になって天下取った気分になっている知能指数の低い経営者が多くなっている現状もあるので脇が甘くなっているというか考えずに地雷原へダッシュというか、まあ頑張ってくださいという感じです。

 ただ、ヤクザ屋さんだから全部駄目だ、排除すべきだ、と言いたいわけではありません。彼らだって飯の種は必要なわけで。線引きも曖昧ですしねえ。個人的には、巧い話は世の中にはない、何らかいい話には思惑があるんだよ、という最低限の常識を働かせて欲しいと願うところです。せっかく起業を志し、事業を興してそこそこの成功まで辿り着いた人たちが、ちょっとした欲得に駆られて面白人脈にどっぷり漬かってしまうのは人の為せる技とはいえもったいないと思うからです。

 なんでプロのはずの証券系のVCまでそういうところに突っ込むの、という疑問を持つ関係者も多いと思うんですが、審査はともかく、投資の現場ではやはり経営者の人柄や直近の経営状態を重視していて、また担当者も複数会社を抱えて十年弱でローテーションを組んでいるので、例えばビットバレーのときにあいつがヤクザと繋がっていた、この事件では重要関係者だった、というノウハウがなかなか伝承されず、また危険性も充分認識できないんだろうと思います。別に擁護するわけじゃないけど、事業経験の乏しいVC担当者だったら「前年比売上800%増」とかいうベンチャーがあったらとりあえず五千万とか五億とかそのぐらい突っ込むのはしょうがないと感じるんですよね。

 まあ、謄本取ってブラックリストと付き合わせるぐらいの作業はしろよと思うわけですが。

 ソーシャルゲーム単品の話で言うと、ホームランを狙える会社が限られ始め、プラットフォーム業者か彼らから資本を入れてもらえている会社だけが有利な導線で収益を稼げる状態がしばらく維持されると、企画面での新陳代謝が減り、版権を使った開発ができるところが限られるので、いま儲かっているベンチャー系が来年もこの成長性を維持できるのかと言われると極めて疑問だなあと感じるところではあります。開発単価も上がってきてますしねえ。所詮はパチンコ業界と出会い系規制の代替で伸びているだけという謙虚な姿勢が大事だと思います。

 あくまで個人的な希望としては、穏便に処理されず大火災が発生してバブルが粉塵爆発を起こして各所で殴り合いの阿鼻叫喚の末に完全崩壊し強制浣腸および脱糞のうえmixiに全弾命中し轟沈して欲しいと願う次第ですが、mixiはヤクザ屋さんから距離を置いている極めて健全なSNS事業者のようであるということは付け加えておきます。