この年末のクソ忙しいときに何をしておるんや。

水野俊哉「幸福の商社 不幸のデパート」発売記念トークイベント・水野俊哉、中川淳一郎、山本一郎(切込隊長)の「僕たちが視た景色」
http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_111028203758_1.htm

 私はそういう方面があまり好きではないので、そういう世界の皆さまとは距離を置きつつもたまに酔っ払ってうっかりUSTで口を滑らせてしまい訴えられたりするわけですけれども、言われてみればあのときの主催もソラノートだったわけでありまして、その節は本当にありがとうございました。
 というわけで、水野俊哉さんの新しい書籍が上梓されるということで、それにまつわるトークイベントで末席に加えていただくこととなりました。良くも悪くも、そういう世界のお話でありますが、いろいろなものの押し付け合いが横行する中で「誰もが信頼できない中で、誰と組んで、どういう利益を得ていくか」というような人と事業と両方に対する目利きが物凄く大事だというお話であります。



 振り返れば、私自身も家として13億近い負債があり、もうとっくに一山超えて一服したものの銀行さんとの折衝はいまなお残るものであるし、ある程度資産ができてくると負債なしに無借金であることは別に誇りでも偉大でもなんでもないことに気づくわけであります。しかし、それっていうのは自分の資産と所得、定常コストと負債のバランスを失すると、あっという間に転落していくものでもあり、著者の水野さんが億単位の負債を抱えたときにそれを支える所得はほとんどないというのもまた苦労の根源で。

 いわゆる起業ブームというのが一定の周期であり、その中のごく一握りの人間が上場を果たしたりバイアウトをして一夜の金を稼ぐ、その裏では裏切られたり失敗したりで負債を押し付けられた大量の失敗者がおり、そういう人たちが入り込みやすいそういう方面のルールというのは非情だけど合理的なおカネの仕組みです。それを若いうちに見るのがその人のためなのか、一生知らないでいたほうが幸せなのかは私には分かりません。

 ただ、個人的に思うのは男の嫉妬のメカニズムで、まともで筋を通そうとする人ほど押し付けられ排除されるという不可思議な仕組みです。twitterやブログで有名なあの人やこの人、上場企業の社長として立志伝中の人たちが成り上がる過程でやってきたこと。また逆に、うだつの上がらない人がただひたすらに提灯持ちとなり太鼓を叩き続けて有力者に擦り寄る技法を磨き、最終的には茶坊主として有為な人を周辺から排除していくプロセス、あるいは何ら悪いことをしていない人のちょっとした不作法を暴き、まるで信頼のならない人物であるかのように風評を流し喧伝をするといった、そういう仕組みですね。

 こういうのは、裏切られた経験があって、なお失敗をしても致命的でなくまだ自分の足で立っていられる人だけが外で語る資格があるということで、当日はそんな話を水野さんにお聞きしたいと思っております。