JBpressと日経BPが揉めているというので見物に逝きました。

あのオリンパスに「日経ビジネス」が社外取締役JBpressを叩き潰すと言うなら読みたい「敗軍の将兵を語る」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/26723

 JBpressは記事で相手を煽る技法を普段使っていないせいか、タイトルから中身まで「どうせ罵倒するのであれば、もう少し丁寧かつ効果的、徹底的に馬鹿にするべき」と思うので、ぜひ読者と対象者に響く罵倒道、失笑術というものを体得して欲しいと思います。
 要するに、

・日経ビジネスには、ビジネスで失敗した人や事案にフォーカスを充てて、失敗の実例を掲載する「敗軍の将」のコーナーがある。

・今回の一連のオリンパス関連での巨額な面白粉飾話で、日経が峰打ち的な踏み込めないクソ記事を書いてて、他の媒体と比べても温すぎる。

・その理由は、オリンパスの社外取締役と広報部門の管理職に、日経の人間が天下っていて、まあ別に民間企業同士の話だからしょうがないけどメディアと取材対象の間で癒着があるんじゃねえの。

・そういうゴミのような体質である日経グループから抜け出た人たちがJBpressの編集部にいっぱいいる。

・で、オリンパス問題が火災を起こす前に、JBpressにいる日経OBが日経BPに呼ばれて「お前ら潰すぞタコ」と圧力をかけられた。

・こっちは無料できちんと記事書いて読者集めてんだ。でっかい図体していながら、まともな調査報道の記事ひとつ書けないで、webメディアに圧力かけてんじゃねーぞ。

 というのがJBpress側の主張であり、たいへんおいしく拝読いたしました。

 もちろん、現段階でのオリンパスは常識的に考えて大規模な経済犯罪として着地しつつあるのは確実ですので、そういうところに社外取締役を送り込んで経営に関与してきた担当者を含め日経の態度は批判されて然るべきところでありますし、JBpressにwebカチコミをされた以上、何か日経側にリアクションでもあるのかと思いきやこれと言ってなさそうなので、日経ビジネスにおかれましてはゼンショーなど面白企業への刺し返し調査報道記事などを熱心に執筆掲載され泥仕合へ進化していくことを期待してやみません。

 しかし、いわゆる経済・時事ネタを扱う媒体というのは、一般的な媒体とは違って、より神経質に収益と記事品質の狭間でむつかしい舵取りを求められるものでありまして、やはり不祥事対応とビジネス対応とどっちを優先していくかはよく考えないといかんよなあ、と。

UPDATE1:オリンパス問題、真相求める動き拡大 FBIも資金実態を調査
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK064396420111025

 だってさあ、オリンパスもいろいろと社内にマトモな人は多かったけれども、なかなかご本尊が「やるぞ」となったら自分の職を賭してまで告発するような管理屋って出てこないわけですよ。FACTAが今回の問題の嚆矢となったのも、今年8月の調査報道で、別にどこかからの具体的なタレコミって話でもなく、市場の異変を察知して問題を提起し調査を行って記事にしたと思しき内容です。

オリンパス 「無謀M&A」巨額損失の怪
零細企業3社の買収に700億円も投じて減損処理。連結自己資本が吹っ飛びかねない菊川体制の仮面を剥ぐ。
http://facta.co.jp/article/201108021.html

 これって、本来ならば組織も資金を抱えている日経が本来やるべき仕事ですよねえ。結果として、日本の経済メディアの総本山となっている日経がやらんので、FTまでインタビュー出したりしてます。日本の外で、延焼しちゃったと。

Ex-Olympus boss alerts UK authorities
http://video.ft.com/v/1223228352001/Ex-Olympus-boss-alerts-UK-authorities

 日経は、せめてものアレとして、GSのこのあたりの話は最低限フォローアップしていただきつつ、日本市場の健全化を図るための活動に回帰して欲しいと願うものであります。

粉飾疑惑と内紛のオリンパスを舞台に、個人投資家をゴミのように嘲笑う天下のゴールドマン・サックス証券が話題に
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65620089.html
絶対的なトータル・リターンが期待できるとしてオリンパスを3800円買い推奨したゴールドマン・サックス証券が2日で前言撤回
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65620790.html

 個人的には、あのJBpressの儲かってない感じがとても好きなので、もう少し花火の打ち上げ方も含めての研鑽を進めていただけると嬉しいです。日経含め、今後ともよろしくお願い申し上げます。