いやまあそりゃあそうだよね、というニュースが舞い込んできて、面白かったので取り急ぎ寝る前にピックアップ。

グリーがDeNAを提訴へ
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_8972/

 公取が入ったはいいけど、思ったよりも深い話にならずおしまいになってしまった前回の排除命令では不服であるとして、GREEや彼らから出資を受けているCPer他が雁首並べてDeNAを提訴するという、ほのぼのとしたニュースが舞い込んできております。力の限り殴り合い続けていただきたいと切に願うところであります。
 いち出入り業者兼孫請けといたしますならば、この手の開発業者陣取り合戦は終盤に差し掛かって、とっても微妙なNGcoreとか、とっても微妙なOpen Faintとか、スマホ時代を見越しすぎてフライング気味のゴミアーキテクチャを押し付けられて半泣きになっているベンダーやデベロッパーからしますと、終わり逝くガラケーの高収益競争もいい加減大人なあり方を模索してもらいたいというのが正直なところであります。

芸者東京エンターテイメントにグリーが出資してる
http://ameblo.jp/netanalyst/entry-11039021867.html

 マジレスをするならば、収益の柱となるコンテンツを囲い込んだり、そのための環境整備のための投資を進めていくというのは、ユーザーにとっても業者にとっても、良い話であることに代わりはないんですよ。ただし、それは市場がある一定の成長を続けられる見込みがあるという前提での話であって、フィーチャーフォン向けコンテンツ業界での収益拡大がこれ以上望めないとなったあとで、新しいプラットフォームとしてスマートフォン向けだ、海外市場開拓だ、という話になりますと、お前ら本気で勝てると思ってるのか海外勢に、と思うところでもあります。

 もちろん、頑張って欲しいのもまた事実です。GREEのテクノロジーに向き合う姿勢とか、尊敬に値するものがあるし、DeNAも真摯に事業に取り組んで次世代のコンテンツ業界のあり方を模索している努力は素晴らしいと思うのです。この両社に限った話ではなく、サイバーエージェントは少しこの手のメインストリームから距離は置きつつもしっかりと収益を上げておりますし、mixiは早く原田さんのやろうとしていることを組織全体が理解をして一丸となって改善していって欲しいところで、それが無理なら一刻も早く潰れて欲しいと感じます。

 っていうか、こんな体たらくで本来原田さん他トップが掲げたビジョンが実現できるとでも思っているのかと小一時間問い詰めたいところでありまして、mixiの中間管理職はルーチンだけでなくもう少し新しい事業展開に対して洞察と実行力を備えていただくかハローワークに提出する履歴書を書く素振りを始めるかして欲しいと思うわけですね。

結論でました・・mixiページは企業にとって全く意味なし
http://www.landerblue.co.jp/blog/?p=1300

 特許然り公正取引然り、コンテンツも商売の具である以上、ユーザーの要望や利便性を犠牲にするような業界の掟を改めないのは望ましくないと思います。共倒れするまで殴り合って欲しいと思うのは、本当にその開発業者の囲い込みがユーザーのためになっているのか、いま現在の収益性とは別に自問自答し、正面から向き合って欲しいと考えるからでもあります。パチンコ・パチスロ業界だって、版権ブロックのために台として出すつもりのないコンテンツを抱える競争に邁進した挙句、版権バブルを起こして収拾がつかなくなって、競争の果てに気づいた大手が使わない版権は年次が過ぎたら法流し直すという版権のエコシステムを作ろうとしているぐらいじゃないですか。

 業界が若いから、まだ成熟の途上だから、という甘えはあまり望ましくないんだと思います。だって、本気で大手のコンテンツ会社の収益を左右しかねないぐらいの収益性を確保し、年間100億を軽く超えるキャッシュフローを実現しているわけじゃないですか。メガトンパワーのブルドーザーを幼稚園児が操縦しているようなものです。アムロだって、ガンダム動かした後に殴られるわけです。

 そういう意味で、やはり緊張感を持った業界のスタンスというのを是非持つきっかけにして欲しいのです。ポストパチンコとかそういう後ろ向きな話じゃなく、我が国全体の成長セクターの代表選手として、馬鹿だなあと揶揄されない程度にしっかりとした戦略と大義名分と持続的な収益性を確保できる体制を整えて欲しいと願う部分です。

 これは、同じく警察に未成年者略取のイケスと断罪されるまでの猶予期間としてもそうですし、収益の柱となっているガチャのような景品表示法違反すれすれのビジネスモデルだと後ろ指さされないように大手を振って世界に羽ばたいてもらいたいという期待の裏返しでもあるわけですね。

 将来的に、そういう業界構造が築けると確信が持てるようになる過渡期であれかしと信じます。そのためには、業者の囲い込みの果ての裁判沙汰も、面白おかしく見物しましょう。しかし考えて欲しいのは、お金を払い、楽しんでくれているユーザーのことです。また、百年後に振り返ってこれが平成20年代に勃興した庶民文化だったという価値を後世の日本人が思えるようなモノづくりの思想のことです。

 だからこそ、DeNAとGREEには思う存分殴り合って、突っ張りあっていただいて、その結論としてなんとなく妥結する過程で通りかかったmixiが巻き込まれ両側から殴られて全弾命中の挙句、大破炎上して轟沈するような業界の風景を早期に実現して欲しいと思います。