7月に入ってから、本来の二軍の帝王の勘を取り戻しつつある大沼。防御率も5.75と見られる水準にまで戻ってきました。

7月5日、大沼敗戦処理で出てきて2人を〆る
http://bis.npb.or.jp/2011/games/fs2011070500952.html
7月7日、大沼同点の2死満塁で出てきて貫禄の決勝押し出し四球、他人のランナーを返して負け星を献上
http://bis.npb.or.jp/2011/games/fs2011070700973.html
http://www.baystars.co.jp/bay/farm/result/?game_id=2277&ymd=20110707
7月13日、大沼1死一二塁で登板、タイムリーを浴びて他人のランナーを返すもその後は連続奪三振
http://bis.npb.or.jp/2011/games/fs2011071301028.html
7月16日、大沼ワンポイント登板
http://bis.npb.or.jp/2011/games/fs2011071601057.html
 相変わらず登板時点で前にいたランナーを返して自分は助かるパターンの投球が多いわけですが、大沼本来の持ち味が帰ってきた感じもしますし、躍動感も出てきているので一軍復帰も間もなくなのかなあと期待するところ大なのであります。

 トレード相手だった坂元弥太郎も一軍復帰して蒸し暑い西武ドームでそこそこやれているようなので、やはり神宮か横浜スタジアムで生大沼を観たいですね。

● 小川ヤクルト

 異様な強さを見せる今年の小川ヤクルツ。というか、今年のペナントはセリーグに限って言えばスワローズファン以外は面白くないんじゃないかと感じるような無双っぷりでありまして、どうなんだろうと思うところであります。

7月 ヤクルト
石川 ○
山本 ●
増渕 ○ 
七條 ○
館山 ○
石川 ○
山本 ●
増渕 ○ 
七條 ○
館山 ○
石川 △
村中 ○
山本 ●

 結局、今月は山本斉でしか負けていません。9連戦というのもありますので宮本や相川を休養させたりしているんですけれども、その相手が巨人というのもまた時代の流れを感じさせます。敢えていま言いたいんですが、高田監督とは何だったのでしょう。対巨人引き分け挟んで8連勝で54年ぶりとか異常すぎます。

 ファーストで畠山がオールスターファン投票で選ばれるという前代未聞の事件も発生しておりました。一昨年ぐらいまでは少し野球が巧い豚ぐらいにしか思われていなかったんですけどね…。本当に嬉しい。二軍に落ちていった武内や飯原といった、畠山と争っていたメンバーは畠山に何か吸われたのでありましょうか。

● 魔将ガイエル

 ガイエルさん、二軍でも出陣しておられません。どっかまた悪くしているんでしょうかね。何気にガイエルさんと私は同い年でありますので、ちょっと無理すると何かと身体のあちこちが痛むし、めっきり疲れやすくなりました自分の身を考えますとなかなかしんどいのかなあと思います。

 上では何故かバーネットがギャラードなみの劇場主となって、まさかの中継ぎ適性を発揮するという不思議事態となっておりますけれども、良く考えると楽天でクローザーやらされてるラズナーとかと並んでとってもシコースキーに似ているなあと感じる部分であります。来年か再来年か、林昌勇がいなくなっても案外バーネットでいけちゃうのかもしれませんね。

● 高崎

 横浜のチーム最多勝が高崎の3勝目ということで話題になっておりました。高崎、化けて良かったですね。小林太やら秦やらもう少しどうにかなって欲しいピッチャーもおりますが。映像で観ていても去年とは随分違う、というか全く別人なほど外角のコントロールが良くなっているのが素晴らしい。

 ブルペンでは復帰した藤江や牛田が順調に酷使されておりますし、是非ともイニングイーターとして頑張って欲しいと思います。一応、横浜の最多勝争いを貼っておきますのでご堪能くだされ。

高崎 3勝
須田 2勝
加賀 2勝
山本 2勝
江尻 2勝
真田 2勝
牛田 2勝
大原 2勝

 江尻といえば、オールスター選出で涙が出るほど嬉しいと語っておられ、いい奴だなあと思いました。足を引っ張るよりも、むしろ何かやらかして欲しいと思うのは私だけではないと思いますが。

横浜江尻「涙でるほどうれしい」/球宴
http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20110704-799868.html

● 星野監督

 最近楽天が好調で、Aクラスをうかがう勢いになっているのが大変気に入らない昨今でありますが、永井が故障して二軍逝きになるにあたり、星野監督がこんなことを。

ローテ崩壊で仙さん「俺が投げる!」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110704-00000005-sanspo-base

 どうぞどうぞ。

● オールジミーゲーム

 オールスターゲームの出場選手が発表になりましたね。

http://allstargame.npb.or.jp/player/

 どうせなので、一軍で活躍したのに地味すぎてファン投票も選手間投票も監督推薦すらされなかった、無視されがちな選手を選抜してオールスターに挑みたいと思います。

 <セリーグ>

 先発:高崎(横)
 今年、何気に好投が多かったにも拘らずちっとも勝てない高崎がオールジミー先発にノミネート。裏ローテのかませ犬に、逆転負けの演出に、良い働きをしてもまったく報われない高崎は番長三浦の穴を埋める活躍を充分していると思います。

 中継ぎ:青木高広(広)
 西武岩崎と並んで、左右の変なフォーム代表。小野村の不思議な采配のお陰でアホみたいに登板させられて、便利なんだか不器用なんだか分からない酷使をされていて大丈夫なのかと思う逸材左腕。同じく地味な江尻は選出されたのに。

 抑え:ロメロ(巨)
 スターひしめく巨人軍から、暫定守護神の座をこの前の炎上で剥奪されたばかりか二軍にまで落とされた悲運の地味外人ロメロを抑えに抜擢。防御率は4.24ながら被打率はまあまあ、四球は少なからずという典型的な特徴ない制球難速球派。

 捕手:藤井彰(神)

 本当は新沼かなあと思ったけど最近の藤井が地味にいい活躍をしていて、打てなくなった城島はそもそも打てない藤井未満という原則が成立したこともあり、今回のオールジミーは藤井を選出。そもそも楽天から移っていたことも知られてなかったのかしら。でも彼がいなかったら今頃マスクは狩野か小宮山なのかね。恐ろしい。恐ろしい。

 一塁:ハーパー(横)
 入団したてのころは印象に残るホームランをたくさん放って、来年こそはと尾花ベイスターズの主砲と期待されていたのは今は昔、現在は単なるおっさんとしてポスト工藤のような割れ顎アメリカンの風格だけが特徴となっている地味メンが一塁に。

 二塁:田中浩康(ヤ)
 ご存知、早稲田が生んだ空前の地味男、田中浩康。地味なエラー、地味な好守備、地味な選球眼の良さ、守備だけ見れば荒木や東出などよりはるかにゴールデングラブな感じなのに存在がリアルステルスの関係でシカトされ放題。いい選手なのに、勿体無い。

 三塁:小窪(広)
 背番号4なのにこの地味さ。トレーシーがいない間、結構頑張って打棒を見せているはずが、印象的な場面が少なくて存在感がさっぱり。流しはうまいししっかり振れるし、いい選手なんだが顔から性能、成績に至るまですべてが控えめ脂っこさ50%オフ。

 遊撃:石川(横)
 いや、石川はむしろ派手だろ、一番打者なのに低出塁率、チームで一番多い三振、直人より劣ってそうな守備、生え抜きだから優遇されているようにも思える石川だが、是非地味メン揃いのオールジミーの中の光であって欲しい。そう思って選抜したけど、普通に考えればベイのショートは本来は渡辺直人だろ。

 外野:岩本(広)、大島(中)、宮出(ヤ)
 外野は両翼が岩本と宮出の両置物、センターに巧いんだか微妙なんだか判断に困る大島を置いての地味ラインナップ。もっとも、岩本も何気に規定打席だし、宮出もキャッチャー前タイムリーヒットで二塁から宮本が生還してたり、ちょっぴり輝いていて良かったですね。大島ももう少し出番があるといいんですが、とにかく存在が地味で。いやー。

 <パリーグ>

 先発:フィガロ(オ)
 フィガロがどうというより、球団自体が地味なオリックス。毎年微妙外人を取ってきては先発で玉砕してまったく戦力の底上げにならずというのが定番だったんですけど、今年はフィガロがそこそこ投げてくれている分良かったねと。でも地味なんだよねえ。球は重そうでいいですが。

 中継ぎ:平野(西)
 ご存知、暴投王平野。わずか40イニングあまりなのに暴投は堂々の5個、サインミスあり、すっぽ抜けあり、すげえ手前でのバウンドあり、銀次朗横っ飛びで取れない速球ありと、多種多様な暴投で顧客の要望を地味にアシスト。堂々の選出であります。本来なら、ミスター敗戦処理の甲藤なんですけど、今年は投げてないからねえ。

 抑え:薮田(ロ)
 元メジャーリーガーなのに地味。っていうか、むしろメジャーでの通用しないっぷりだけが派手だったものの、日本球界復帰後は好投してセーブついても何か地味。好投してるんですけどね。CSで観てても、いつものようにロッテファンが義務感で盛り上げてくれているのが素晴らしいかなって雰囲気で。おかしいな。

 捕手:鈴木郁洋(オ)
 まだいたんだ鈴木郁洋。でも確かなリードと巧いキャッチング、まったく駄目な打撃と伝統的な壁系捕手として渋く生き残っています。たまに思い出したようにタイムリーとか打つんですけど、キャンバスにいる44番が誰だったか毎回思い出せない。あと、地味捕手の後釜として故障明けの若手である伊藤も順調に育っていてオリックスの地味選手養成力は侮れないです。

 一塁:ホフパワー(日)
 パッと見、痩せたウインタースみたいで超期待してたんですけど、あまりに粗く、そして地味な一発屋でいまひとつ成績の伸びないホフパワー。得点圏打率が1割5分と鉄平に並んで最下位争いをしているあたりが私好みの選手です。守備はもちろんもっさりしてます。

 二塁:高須(楽)
 みんな大好き高須殿下。いまは亡きリックショートのブラザー。今年も地味に5番打ったり、渋くゴロでライト前タイムリーとか放ってますけどいまだに打点は7。おっさんだけど盗塁ははや4つ。打率ランキングでは地味に8位につけてるという不思議選手。頑張れ。

 三塁:草野(楽)
 草野自体は地味でもないけど、他の球団の三塁手はどこも固定されているので消去法で草野が草野すぎてジミーに選出。まあ、天才草野の場合は草野なので草野ということもあり草野であります。出塁率も高く三振も少なくいい選手ですよ、草野であることを除けば。

 遊撃:飯山(日)
 ポスト金子誠と言われた割には打つほうはさっぱりの飯山。犠打は多いけど基本的に置き物状態であることにあまり変わりはない。あと地味。高口も地味だったけどトレードされちゃったし。守備が巧い以外これといった特徴はなし。地味。以上。

 外野:田口(オ)、城所(ソ)、大松(ロ)
 日本球界きっての日記職人、地味でいぶし銀を体現する男、田口と、出場試合は43も打数はたったの12、輝く1死球のミスター代走守備固め城所、4番打ったりするけど微妙な伸び悩みでいまひとつの存在感な大松という取り合わせ。地味すぎてどうにも采配のふるいようがないあたりが我ながら妙チョイス。

 指名打者:北川(オ)
 やっぱりオリックスから北川。アキレス腱切っちゃってシーズン絶望なのに一部スポーツ紙がスルーしたようで、でも苦労人で40歳前の北川にはもう一踏ん張りして欲しいところ。いい選手なんだけどなあ。なんだろう、この地味さ加減は。

地味なオーダーを組んでみた

 <セリーグ>  <パリーグ>
(遊) 石 川 (左) 田 口
(二) 田中浩 (二) 高 須
(一)ハーパー (三) 草 野
(左) 岩 本 (右) 大 松
(右) 宮 出 (指) 北 川
(三) 小 窪 (一)ホフパワー
(中) 大 島 (遊) 飯 山
(捕) 藤井彰 (中) 城 所
(投) 高 崎 (捕) 鈴 木

 なんだろう、この「横浜には勝てそう感」は。「横浜なら」かな。