世情曰く「バンドメンバー募集。当方ボーカル」的な。でもタイミングとしてはいましかない… のか。

鳥肌の立つ未来を創ろう ゲームエンジン開発者・テクノロジーデモ開発者 募集
http://www.square-enix.com/jp/recruit/career/job/game/ge_index.html

 冒頭から「数年先の未来を見据えて」という話を振っていたので唸ってしまうんですが、数年前の過去にはこのような話がありました。

”新MMORPG”でも使用、スクウェア・エニックスの開発ツール“クリスタルツールズ”の魔力とは?
http://www.famitsu.com/game/news/1213818_1124.html

 新技術を体系的に組み上げていくのは大変重要なことだろうとは思うんですが、キーアーキテクトがどの辺に置かれる前提で技術者を募集しているのか、それがスクウェア・エニックスにとってどんな技術を財産として築くことになるのか、外部からは窺い知れないなあと思うわけです。
 「普通にUnityライン作ってカスタムしながら不足部分は別エンジン起こすんでいいんじゃないの」とか「いちから作る必要ないからそこはHavoc組み合わせで」とかはあんまり考えてなさそうです。でも、エンジン技術者を雇って一から開発するのですから、既存のエンジンやツール類を使い勝手、性能ともに上回っていないといけません。正直、それに手をつけるのであれば、過去のリソースをいまのエンジンに流用できるようなフォーマットでも作ってせっせと流し込むところからスタートすればいいだろうし、それであれば難易度的にそう高くないのだから、線表切ってほかのラインではなかなか腕を振るえない二線級のPGにリハビリがてら頑張ってもらえればそれが一番費用対効果が高いんじゃないのかなあと感じます。

 たぶん、社内でもそういう意見が出たであろうし、そういう現実的な意見がリジェクトされて、より野心的な案が表面に出てきた(ように見える)ということは、きっとなんか考えているんだろうなあと思います。というか、そうであって欲しい。始まったの終わったのという短絡的な話じゃなくて、次にどう技術を繋いでいくかを考えたときに、貴重なキャッシュやテクノロジーをどこに突っ込もうとしているのか、きちんと考える必要があるわけですね。

 一般論ですけれども、それは、今後のロードマップとして「商品のラインアップをどう作り上げていくのか」や「プロダクトを通じて自社のバリューやブランドをどこに置こうとするのか」という極めてプリミティブな経営的課題をどう技術戦略に落とし込んでいくのかという話でもあります。株主としても出入り業者としてもそういうデリケートなところはとても気になるんですよね。

 そのためにも、一度は社内のリソースを調べ直して、戦略的に優位なポジションはどこで、どんな資産があるのかの棚卸しぐらいはしっかりやっておいたほうがいいのかなあと思います。ああ自戒。すみませんすみません。

 ちなみに、弊社や協力先でご一緒しているエンジン開発の案件は、キーアーキテクチャーを担当する主任技術者を中心に6名のチームでハンドリングしております。汎用じゃないから比較にはならないと思うけど、大きい会社はやろうとすることが違うなあ。