※ 以下内容はフィクションです。

企画「やりました! 海外から、あのほのぼの版権『ぽかぽか熊』をゲットしました!」
社長「でかした! 予算つけるからすぐに制作だ! おい営業! さっそくいまをときめくソーシャル会社にもっていきたまえ!」
営業「分かりました! すぐ取ってきます!」
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営業「あの著名な『ぽかぽか熊』のデジタル版権を獲得したので、御社でソーシャルゲー展開したいんですが」
担当「ちょっとねえ」
営業「え? あの誰でも知ってる『ぽかぽか熊』ですよ?」
担当「これって、戦闘要素あるんですかね?」
営業「戦闘? ですか? ないですが、コレクション性や、箱庭を世界観にそって充実させることで…」
担当「売れないですよ」
営業「え?」
担当「売れないですよ、戦闘要素がないと。競わせなくちゃ、ユーザーに。戦いがないと売れんのです」
営業「そうですか」
担当「再度検討してください」
営業「分かりました。持ち帰ります」

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企画「どうでした?」
営業「落とされました」
全社「えーっ」
企画「え、あの『ぽかぽか熊』ですよ?」
営業「社長に報告します」
社長「どしたの?」
営業「申し上げにくいんですが、あの『ぽかぽか熊』が」
社長「やっぱりなあ。版権としてデカいだけじゃ利益率も滞留率も稼げないって判断されたんだろ、どうせ」
営業「そうなんです。やはり戦闘要素が」
社長「前に、大々的に著名キャラクターでデコメとかやって盛大にコケてたからねえ。といっても、利益は出てたはずなんだけども、他のコンテンツに比べて利益率がちょっと低かったってだけで問題になったらしいし」
企画「結構、激戦区なんですねえ」
営業「じゃあ『ぽかぽか熊』は」
社長「やろうよ。折角取れた版権なんだしさ。戦闘要素が入っていればいいんだろ。企画と一緒にあれこれ考えるよ」
企画「さっそく考えましょう」
営業「ありがとうございます!」

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営業「こんにちは」
担当「少しは良くなりました?」
営業「はい。こちらの企画書をご覧下さい」

『 ぽかぽか熊 VS プレデター 』
『 地獄から来たぽかぽか熊、世界を相手に核ミサイルをぶち上げろ! 』
『 世界各国に散らばる自衛隊員を雇い、お前だけの軍隊を組織せよ! 』

営業「自衛隊出身者の企画マンを中心に、のんびりとした『ぽかぽか熊』の世界観イメージから超越した爆発的な戦闘システムと悲惨なグラフィックを掛け合わせて強力なソーシャルアプリとして再度提案させていただきたいと思いまして」
担当「マジでそう言ってんの?」
営業「他にもロワイヤルシリーズを模した『ぽかぽか熊ロワイヤル』でアイテムの奪い合いではなく保有キャラの殺し合いをテーマにしたものや、『100万匹のぽかぽか熊』や『ぽかぽか熊コレクション』など、他社企画を堂々とパクってガワを『ぽかぽか熊』にしただけのタイトルラインアップを提案させていただきます」
担当「うむ、それなら手堅そうだな。採用」