一山超えたところで、やっぱりちゃぶ台が返るあたりは茶番の極みと言ったところでありますが、途中途中で聞きかじる報道の中身から予想された、数々のろくでもない未来のオプションの中でも一番無難なところに落ち着いたということで、さてさてといったところであります。

 結局、小沢さんの乾坤一擲の大勝負を根底から覆したというよりコケにした形となる鳩山さんとは何だったのか、ついつい思いを馳せてしまうところですけど、帰宅して目に入った第一報はこれでありました。

菅首相、周辺に「辞めるつもりはない」 代議士会発言は辞任表明ではないとの認識
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00200711.html

 はい、どういう形であれ乗り切ったのだし、「目途がついたら辞める」ということで具体的な辞任日程については言質を与えていないわけですから、辞めるつもりはないのでしょう。鳩山さんを使うために一芝居打った、といったところはさすが腹黒、しぶとい菅さんの真骨頂でありました。

 なお、某所ですでに出ております菅さん(腹黒)、鳩山さん(馬鹿)、小沢さん(ワル)という比喩は、今回は腹黒が馬鹿を使ってワルを制したという意味合いで非常にすっきりと解説できるところであります。ほかにも岡田さん(石頭)、原口さん(茶坊主)、渡部さん(無能)、枝野さん(地蔵)、野田さん(置物)、安住さん(ゴミ)とかいろいろと評する筋もあるようですけれども、結果的に渡部さんの見通しが正しかったのねということで、やはり政治というのは老人の世界なのだと改めて思いました。
 もちろん、小沢さんを裏切った鳩山さん、こんなことを仰っておられ、こちらも菅さんに乗せられた格好になるわけですけれども、どんなリアクションを明日するのか聞きたいところであります。

鳩山氏 首相辞任へ手続き踏む
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110602/t10013279471000.html

 間違いなく、鳩山さんは本気で菅さんとの会談のなかで辞任に触れる際に、二次補正のめどなど最低限の政治日程を終えたところでの総辞職を前提に考えていたと思います。本当に、今回の政争ではトリックスターの役回りを見事に演じきって、しかもはまり役でしたので、最後まで混乱の中心にいたという点でこの人は本物のアレだと再認識をしました。

小沢氏激怒、菅・鳩山会談の詳細知らされず
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110602-OYT1T00973.htm

 勝負に出た小沢さん、勝ち試合を崩したのは鳩山さんのアレっぷりでありました。っていうか、前日まで鳩山さんは不信任案に賛成っていったじゃん的なところでありまして、文字通り小沢さんの政治生命を葬り去ったに等しい象反撃もとい造反劇であったと思います。

 本気で勝ちにいったのは、内閣に組み込まれている政務官や副大臣に辞表を提出させてまで票固めに邁進したところからも知れるわけですし、普通に考えれば党に残るのも党を去るのも展望がなくなることをも意味します。まあ、小沢さんのことですからしぶとく居残るという予想もあるわけですけれども。

 最後に、原口さんの件に触れておきたいんですが。

原口一博前総務大臣 内閣不信任案に反対票を投じた理由
http://news.livedoor.com/article/detail/5606076/

 ある意味で、今回別に何も悪いことをしていないのに一番評価を落とした民主党政治家の一人になっておりますが、上を狙う意欲があり、並居る選択肢と比べても別に劣るところはなく、バックアップしてくれるキングメーカーからきっちり可愛がられているのに、ちっとも日の当たるところに辿り着かないというのはこの人の星なんじゃないかと思ってしまいます。

 間違いなく、菅さんが辞めた後釜か、その後の選挙用の顔として登り詰めたいと考えていたんだろうと思いますが、大勢が固まる前から旗印を鮮明にし過ぎてしまって状況がひっくり返ると実に良く目立つというのが悲しいわけであります。茶坊主界のスターなんですが、どことなく疫病神化しつつあるのかなあというのが残念なところで。

 以下、消えてしまわないうちに記事を時系列に。

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鳩山氏 首相辞任へ手続き踏む
6月2日 16時46分
民主党の鳩山前総理大臣は、記者団に対し、「菅総理大臣が、復興基本法案が成立し、第2次補正予算案の早期編成のめどをつけたときに身を引くことは確認事項だ。それが実現されるよう、手続きを踏みたい。復興基本法案は来週にも成立するし、第2次補正予算案は、6月いっぱいに中身が決まるのではないか。岡田幹事長が『その2つは条件ではない』と言っているのはうそだ。人間はうそをついてはいけない。小沢元代表からは『どこまでしっかりと詰めたのか』という話があったので『私が代議士会できちんと話す』ということで、基本的に理解をいただいたと思う」と述べました。

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小沢氏激怒、菅・鳩山会談の詳細知らされず

 2日の内閣不信任決議案の採決前に、菅首相が退陣を示唆したことで、民主党の小沢一郎元代表が描いた不信任案可決のシナリオは大きく狂った。

 党執行部は小沢元代表の追加処分を検討している。さらに元代表は「政治とカネ」をめぐる裁判も抱えており、「反小沢」側からは、今回の大差の否決によって、元代表の求心力低下は決定的になったとの指摘も出ている。

 小沢グループは70人以上が造反の意向を固めていたが、結局、造反を明言してきた側近の松木謙公前農林水産政務官が賛成票を投じた以外は、小沢元代表ら計15人が欠席・棄権するにとどまった。

 2日朝、東京都内のホテルの一室。造反を決意した民主党衆院議員50人以上が続々と集結し、前日夜の会合に70人を集めたことで、「もう不信任案可決は決まったも同然」との高揚感が漂っていた。内山晃衆院議員は記者団に「140票は取りたい。そうすれば、自民、公明両党の数より我々の方が増える」とまで公言した。

 だが、首相と鳩山前首相が2日午前に会談し、首相が同日昼の民主党代議士会で退陣を示唆すると、雰囲気は一変した。

 両氏の会談の詳細を知らされていなかった元代表は激怒した。造反を決意していた議員ははしごを外された格好となり、「具体的な辞任時期を示しておらず、これは造反組に対する分断作戦だ」「訳が分からない。“世紀の談合”だ」と怒りをあらわにした。

 元代表は急きょ、国会内の自室に側近らを集め、「退陣の言及にまで追い込んだのは一つの成果だ」と述べた。小沢グループの対応については「自分は欠席するが、後は個々に任せる」と語り、自主投票とする方針を打ち出した。

(2011年6月2日21時45分 読売新聞)

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菅首相、周辺に「辞めるつもりはない」 代議士会発言は辞任表明ではないとの認識

菅首相が周辺に「おれは辞めるつもりはない」と語っていることがわかった。
関係者によると、菅首相は不信任案否決後、周辺に「おれは辞めるつもりはない」と話し、代議士会での発言は、辞任表明ではないとの認識を示しているという。
(06/03 00:22)