投資先や関係先の決算作業がてんてこ舞いであるこの時期、E3向けのプロトタイプの納品が重なったり某新ハードのナニがアレだったり、今年は非常にしんどい。地震もありましたからねえ。

 そんなわけで、今年は例年以上にプライベートをすり潰して諸事対応を進めておるわけですけれども、全般に景気がよろしくないといいつつも好調な業界はやはり踏んだアクセルの分だけ業容は拡張しておりまして、やはり増資だ新会社だ選択と集中だ買収だといろいろ動いている状況であります。

 ひとつひとつしっかりと関係先の数字を見極めて経営陣とコミュニケーションを取る――という理想とは程遠い状況になっているのは、単純に経営管理業務を他人に任せられない私の性格的な狭量に由来しております。やっぱり自分で数字見て整理して決算方針とか吟味したいんですよね。すいませんすいません。
 悲喜こもごもという点では、自前のフランチャイズを用意してソーシャルアプリで稼いで事業拡張したいと考えていた会社が伸び悩み、有力なIPを持つ会社のリソースを借りてきてRSでアプリ開発を手がけるところが急伸したというところでしょうか。同じ高採算業界でありながら、ここまで見事なグラデーションを見せてくれる世界も少ないような気がします。まさに、経営陣のとった戦略や参入時期のあやで業績が数倍違うという状況にありまして、いまこの段階で数千万の利益で喜んでる経営者は来年業界からいなくなってるんじゃないかというような危機感を持ってます。私は。でも「儲かった、それは俺の手柄だ」と思っちゃうのは人情ですんで、まあしょうがないんですけれども。

 スマホ市場の地ならしが終わって海外進出だ頑張ろうオーとかいう事業計画をたくさん見かけるのもここ半年ぐらいでしょうか。レッドオーシャンというか、そんなに大きな市場でもなく利幅も取りづらいんじゃないかと思うわけですが、それでも他のサービス分野で充分な収益を叩き出せる事業もそれほど多くなく、先行投資をしている業者にいまから挑むにはそれなりのチャレンジが必要なので、やはり参入障壁の極めて低いアプリ界隈に事業意欲のある人が殺到している感は否めないです。

 一方で、古き良きテクノロジーを商品化しているとこや、クライアントにベタなさービスを提供している体育会系なところは、有力な商材の払底という危機的状況にも関わらず、その精神力で本当にどうにかしてしまっているのは驚きです。よく頑張ってるなあ、とか、若いって財産だなあ、とか、じじ臭いことを感じるわけですけれども。私にそんなパワーがあった時代はなかったなあ…(遠い目

 なので、いまや街中の公認会計士でも対応してくれる中小規模のM&Aなんかは本当に花盛りになってきました。こういう形でバイアウトが進んだり、業界の再編や資本の集中が進むというのはそれなりに意味のあることだと思います。というか、一昨年なんかよりも、カネになる方法論がはっきりしたこともあって、またガラケーからスマホへの市場変化が起きるということで、一種の駆け込み需要のようなM&Aが本当に増えたなあ、という印象です。

 いまベンチャーで頑張ってる人は、なんか運が向くといつの間にか大手企業が買収して経歴わらしべ長者になったりするかもよ! 給料はそんな変わらないだろうけど。

 というわけで、去年頑張った甲斐があって、決算は満足の逝くものになりそうです。懸案だったリビングデッド株も幾つか処分が進んで、投資そのものは仕込み時期ですけど実業が好調というのは素直に嬉しいです。今期はもっと良い仕事にしたいなあと思いつつも、そろそろ3月決算に揃えるのは辛いですなあ…。