年金をちゃんと納めて月6万とかに比べて、生活保護が月22万円近くて200万人とな。

生活保護受給 200万人超へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110303/k10014415441000.html

 最近、雇用調整や産業育成に関する議論を政党や官僚の人たちとする機会が突然増えて、寝る時間やゲームする時間を削って資料を読むんだけど、生活保護というか待機労働力に対する認識が私の中で変わりつつある。

 一言で言っちゃえば、「まあ、しょうがねえんじゃねーの」って話だけど。
 いろいろと不正受給だの問題を孕みつつも、生活保護の受給者が増加し続けている背景ってのは、雇用の受け皿になってきた産業が磨耗している部分があって、働き口がないのだから生活が維持できなくて生活保護を受けざるを得ないという同情すべき事態に陥るのは社会保障上仕方がないのかなあと。

 で、その減った働き口とやらを見てみると、建設や地場製造業など構造不況業種に加えて、地方自治体の新規雇用減だったり農林水産の限界化なんてのが地味に効いて、もっぱら地方の雇用が減ってる。でも、これって過去の産業推移を見ると、公共投資や地方自治体などからの発注で食い繋いでいたり、農業なんかだと助成金、補助金がずっと垂れ流されていて、その蛇口が閉まってきて雇用を維持できなくなって衰退しているという実情に気づく。

 もうたくさん議論が出ているので知っている人からすると当然のことなのだろうと思うけど、そういう競争力のない産業に対する助成金や補助金で国民を養ってきたコストより、失業保険をちまちまと払っちゃって待機労働力にして職業訓練させながらバッファにさせておくコストのほうが断然安上がりという現実があるんだね。

 何となく感覚ではそういうことなんだろうと思っていたが、実際に計算してみると赤字国債や建設国債、地方債なんかに頼って利益を出していた建設会社を維持することで得られる雇用拡大よりも、そんな非生産的な雇用は要らないから生活保護や失業保険を払って家で寝ていてくれたほうが社会にとっては損失が圧倒的に少ないと。

 それだけ高度成長が終わってからも非効率な経済圏ってのが日本社会にはまだまだ残されていて、それが近年の財政問題もあって支えられなくなって、また信用創造もこれ以上劇的にはできないってことで、「国民の議論の結果」として10年ぐらいかけて補助金漬けの地方経済が持ちこたえられなくなって生活保護の受給者が増加したということになろうかと。

 もちろん、他にも議論や主張があるので一概には言えないんだけれども、「働かない奴が悪い」という発想になりがちなところではあるものの、実際には「非効率な雇用を国や社会が保護するのはもっと悪い」ということで、失業したりシングルマザーになってしまうなどして生活が苦しかったらイヤな顔をされても堂々と生活保護でも受けていただくのがよろしいのではないか、という結論に達した。支給額の累計投下額における乗数効果も大きいわけでな。

 まあ、他にも新産業育成、産業振興であったり、社会保障の制度疲労がどうのという議論もあるんだけど、一年ももたないような政権にそういう抜本的な議論をさせるのは無理だし、とりあえずもうしばらくはどんよりしてたほうがいいんじゃねえの。やるべきことは沢山思いつくんだけど、やれることの優先順位を作ってみると一個も実現できんわ。どうせ頑張ってもしばらくは実現できないんだから、議論だけ蓄積しておいて実際の行動は後回しにしようぜ。無理に動いて疲れるのも嫌だし、失敗して傷がつくのもダルいし。

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生活保護受給 200万人超へ
3月3日 4時2分
厳しい雇用情勢が続くなか、去年12月に生活保護を受けた世帯は143万世帯余りと、これまでで最も多くなり、受給した人数もおよそ199万人で、来月の取りまとめでは200万人を超える見通しになっていることが、厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省によりますと、去年12月に生活保護を受けた世帯数は、前の月より8496世帯増えて、143万5155世帯と、これまでで最も多くなりました。増えた世帯の内訳は、▽「高齢者」が1249世帯、▽「母子家庭」が991世帯、▽「障害者」が1506世帯などとなっていて、最も多かったのは、▽仕事を失った人を含めた「その他の世帯」で3405世帯となっています。また、生活保護を受けた人は、前の月より1万2424人増えて、198万9577人となりました。受給者の人数は、雇用情勢が悪化した3年前の12月以降、ほぼ毎月、1万人以上増え続けていて、このままのペースで増加すると、来月まとめられる、ことし1月の受給者数は、200万人を超える見通しです。受給者数が200万人を超えると、戦後の混乱が続いていた昭和27年以来、59年ぶりになります。厚生労働省は、生活保護受給者の増加に歯止めをかけようと、失業者の自立支援を強化する対策や不正受給の防止策を検討しており、来年度中に生活保護法の改正を目指すことにしています。