一時期、良く分からない肩書きとして「美人過ぎる何ちゃら」というのが流行ったけど、最近は正直者すぎる法相が正直に就任逸話を話してしまい、正直に窮地に追い込まれるという微笑ましい事例が出来して感涙止まぬ状況なのであります。

法相?えーっ何で俺が…柳田法相の発言要旨
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101118-OYT1T00325.htm

 何の準備もしないうちに入閣に追い込まれた正直者と、適性のある人物を派閥の中から選出できず正直者を思わず法相に据えてしまった菅首相という、何ともいえない面白コントラストが絶妙なシンフォニーを奏でる逸品ではあるんですが、我が国の中枢ってのは馬鹿ばっかりなんだなあという感慨を新たにするわけです。
 当然、いろんなところから突っ込みが入っておるわけですけれども、何か問責になるっぽいです。本人は正直に発言しただけなんでしょうけどねえ。見事に正直者が馬鹿を見ていて世の中の侘び寂びを感じずにはいられません。これで本当に辞任しちゃったらなんて正直者なんだと好感度は上がりそうな感じですね。政治家人生は終わると思いますけれども。

みんなの党も賛成 法相問責可決の見通し
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101118/plc1011181624012-n1.htm

 好漢、惜しむらくは、法相というより人の上に立つことに向いてない善良な人なんだろうなあということしか感じませんでした。

 それにしても、民主政権の閣僚や党三役の失言をマスコミがきちんと拾うようになった、というだけで、これだけ騒ぎが連発するわけですから、いかに麻生政権末期は不利だったかを感じずには要られないなあとも。

法相?えーっ何で俺が…柳田法相の発言要旨
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柳田法相が14日に広島市で開かれた法相就任を祝う会合での発言要旨は次の通り。


 「9月17日(の内閣改造の際)新幹線の中に電話があって、『おい、やれ』と。何をやるんですかといったら、法相といって、『えーっ』ていったんですが、何で俺がと。皆さんも、『何で柳田さんが法相』と理解に苦しんでいるんじゃないかと思うが、一番理解できなかったのは私です。私は、この20年近い間、実は法務関係は1回も触れたことはない。触れたことがない私が法相なので多くのみなさんから激励と心配をいただいた」

 「法相とはいいですね。二つ覚えておけばいいんですから。『個別の事案についてはお答えを差し控えます』と。これはいい文句ですよ。これを使う。これがいいんです。分からなかったらこれを言う。これで、だいぶ切り抜けて参りましたけど、実際の問題なんですよ。しゃべれない。『法と証拠に基づいて、適切にやっております』。この二つなんですよ。まあ、何回使ったことか。使うたびに、野党からは責められ。政治家としての答えじゃないとさんざん怒られている。ただ、法相が法を犯してしゃべることはできないという当たり前の話。法を守って私は答弁している」

(2010年11月18日10時43分 読売新聞)