ネタ振りとして、またでっかい釣り針が来たのだなあ。

2010-10-06 地方で働くということ
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20101006

 経済格差という観点から見ると、日本国内の都市部、地方の不均衡は確かにあって、とはいえ主権国家として地方は放置できないのでどうにかしようと思うんだけど、公的部門で地方を支えようにも観光ぐらいしか成長セクターが思い当たらないのでどうしてもこういう議論になりがちなのではあるが。

 たぶん、Chikirin女史は医療や建設といったセクターに興味は元からないんだろうなあと思うのと、最近は地方都市に3DCGデザインやプログラミングなどのソフトウェア関連の発注が増えてきているトレンドはあまり知らないのだろうと思う。丸ごと抜け落ちているから。
 で、よりグローバルに言うならば日本が地方問題を抱えるのと相似形にEUでは東欧問題を患っていて、結局、ピラミッドを高くしようとすると裾野が必要、裾野には魅力がないので高付加価値の産業はなかなか根付かないし教育も行き届かないという問題を起こす。日本やEUはセンターがどうにか地方を経済的に救済しよう、一体感を維持して逝こうと考え、シンガポールや中東なんかは効率のためには切り捨てもやむなしという話になる。これらはすべて、政治と経済の優先度のお話。

 何しろ、ボートに乗れる人の総量が決まっているので、おぼれていてボートに手を伸ばしている人たちをどれだけ救うべきなのか、という問題そのものであるし、一方で自社や自分の利益のためを考えると"Buy Japanese"とか綺麗事を言って利益度外視で国内発注主体なんて真似はなかなかできないので、同じクオリティだったらやっぱり中国やベトナムやインドに発注してしまう。そこで得た利益は、法人税なり所得税なりで地方に還元されていき… という話であるので、必然的に地方での勝ち組産業らしきものはChikirin女史のいう公的部門がメインにならざるを得ないわけだね。

 どちらが正しいのか、というのはまた別のお話。正しいと思うことを実現するには、そのときそのときの選挙で公約を守る前提で政権選択をする以外、デモとかテロとか面倒くさい方法しか残されていない。

 また、地方というのは本当に「弱者」なのか、というのも考えるベクトルとしてはあり得る。なぜなら、経済的に高い報酬や社会的な地位を求めずとも、身の回りのことをしっかりやりながら、家族に囲まれて幸せな人生を過ごしたいと考える人々の価値観だって認められるべきで、彼らがあまり楽でも有利でもない地方経済の一員として「生まれ育った地域を離れたくない」と考えたとしても誰もそれを止められないし、その資格もない。

 そういう自由のある国に日本がなって、良かったと感じるのか、このままではいけないと考えるのかは、受け取る側の人の自由に委ねられている。結構大事な議論だと思うんだけど、簡単にシカトされたりするので、客待ちの20分の間に書けるだけ書いていたら客が来た。そんじゃバイバイ。