両輪だとは思うのだが、タイトルを売ろうとするとどうしても制作者の顔を出して「うちはこんなクリエイターが頑張ってタイトル作ってるんですよー」的なマーケティングをやりたがるパブリッシャーが多いのもまた事実で。

クリエイターやメーカーを神格化するのはやめようぜ。
http://dochikushow.blog3.fc2.com/blog-entry-1668.html

板垣 「日本ゲーム業界は終わる」 塊魂作者 「未来は暗い」 小島・稲船「業界危機」
http://blog.esuteru.com/archives/755955.html

 確かに据え置き機業界が厳しくなって、大規模投資をしなければコンテンツを作れない、売れるゲームが出せない状況になっているいま、旧態依然とした組織体で開発環境を維持できなくなっているというのは分かる。

 何しろ、環境が激変しているしなあ。

 で、川下側の環境変化はこちら。黒執事の作者が吠えております。もっとも、コンテンツの違法ダウンロード自体は先のエントリーでも書いたとおり構造の問題でもあるので、違法ダウンロードのない事業環境を整備するためのオンラインゲームでありソーシャルアプリだったりする部分はあるとは思うのですが。

「飢えて死にます」――「黒執事」作者、ファンからの「海外動画サイトで見た」メールに苦言
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1008/17/news048.html

 ゲーム、アニメに限らず、著作権や制作環境、流通、あらゆるものが再整理されるべき状況なのは間違いなく、クリエイター個人がどうというよりシステムの問題になってしまっているので、どこかの事業者が好調だからみながわーっと真似てすぐ陳腐化して、また別の事業者が好調になって、の繰り返しにならないような何かが必要なんだろうと。

 それが、アメリカ式のハリウッド型制作技法なのか、欧州式のギルド型のネットワークなのかは分からないけれども、環境を整備する法人とモノ作りをするクリエイター、そこにリスクマネーを提供するエンジェル的なアプローチ、収益を逸脱なく回収できるもう少し効率の良い流通、といったところを業界横断的に本来は考えるべきで、対中パクリ対策も含めて、これは業界団体なり行政にももっと仕事をしてもらいたいところです。

 言い方としてはやはり過渡期としかいいようがないんだけれども。ずっと過渡期であり続けるのかもしれないが。でも、最終的には大資本に集約されていく過程で、中堅のデベロッパーやスタジオが成長の途中で必ずどっかに買われないと環境の変化に対応できるだけの体力を蓄積できないというのもまた問題だろうと。

 関係ないが、世界に冠たるentrypostman村井氏はどう見てもサンドウィッチマン伊達みきおの弟分にしか見えない。

AppBankの村井でございます。よそいきのスーツだ。
http://www.appbank.net/2010/08/17/iphone-news/156795.php