実にいい感じで騒ぎになっておるわけですが。

Now legal in the U.S.: Jailbreaking your iPhone, ripping a DVD for educational purposes
http://www.crunchgear.com/2010/07/26/now-legal-in-the-u-s-jailbreaking-your-iphone-ripping-a-dvd-for-educational-purposes/
iPhoneのロック解除は合法に 米著作権局が決定
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1007/27/news022.html

 そんな馬鹿な、と思ったら、本当に更新されていた。素の文章を読むとどうにも狙い撃ち加減が凄いので「馬鹿な」が「馬鹿だな」に変わった気もするが、よく考えたら消費者の権利がより一層担保されることになるわけだから、開放社会に政策スライダーが動くことになって良いような気もする。うむ、良くやった。という感じですか。

Statement of the Librarian of Congress Relating to Section 1201 Rulemaking
http://www.copyright.gov/1201/2010/Librarian-of-Congress-1201-Statement.html
 USでは二年半に一度ぐらいの割合で例外規定を見直しているので、ちょうどタイミング的に凄いところでの更新となったのでありまして、政策的にまったく逆の志向で著作権管理行政を進めようとしていたEUやイギリスなんかでは「本当にやったのかよ」と半笑いの風情で対策に追われている感じのようです。

 ゲーム業界的にはHQリゾートとして赤丸急成長中のカナダも「右へ倣えでそっちへ向かうんじゃないの」とクレイグさんとかが言っておるのでそれはそれで微妙な雰囲気に。もっとも、違法ダウンロードが引き続き犯罪なだけで、元から著作権法上は個人利用の複製は認められてきていることを考えると、すぐさま影響しないはずだと心を強く持ちたいところであります。せっかくiPhone界隈はソーシャル含めちょっぴりARPUが回復してきたところで冷や水がかかると嫌な感じですしね。

 中期的には、それはもう著作権を巡る各国の方針の違いがここまで浮き彫りになったのだから、アジェンダ増え放題でやってられん感じでありましょう。いまはいいけど、再来年とか結構地獄を見るのかも知れず。

Computer programs that allow you to run lawfully obtained software on your phone that you otherwise would not be able to run aka Jailbreaking to use Google Voice on your iPhone(ユーザーが合法的に入手したアプリケーションを携帯電話で実行できるようにする)ということは、まあ誰が読んでも「非公認アプリを実行するためJailbreakすることは、USではDMCAに反しない」のであって、いろんな国やキャリアが「垂直統合モデルや! 超重商主義で排他的にして稼ぐで!!」とか言ってた連中が頭を抱えるわけでありまして。

Apple loses big in DRM ruling: jailbreaks are "fair use"
http://arstechnica.com/tech-policy/news/2010/07/apple-loses-big-in-drm-ruling-jailbreaks-are-fair-use.ars

 各国のブログを見ていると、appleへの各々の温度感や手触りの違いといったものが感じられ、通底しているのは「appleざまあw」か「何考えてるんだUS」かの二択で、しかも現段階では徹底的にどうでもよく、しばらくすると各国の著作権行政で「USではこうだ」という海賊系親米厨や某金髪が面白がり事務方は困り果てるという構図が見え隠れして心地よいわけです。

 Appleが何と言おうと適法である以上は、正式対応されないアプリでも起動させられるような仕組みを考える奴らが続出するでしょうし、非公認のマーケットプレイスとかネット上の闇市風に堂々と営業するのかもしれないですね。まあ、埋もれるアプリが今以上に増えるということでもあるわけですけれども。