何か言ってます。

金元工作員招請で中井氏「何の成果もなかった」
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100726/kor1007261335004-n1.htm
中井拉致問題担当相、「テロリスト厚遇」批判に逆ギレ「何が問題なんだ」
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20100724-OHT1T00050.htm
 産経新聞や報知がソースであるので、この手の問題の報道においては多少割り引かねばならないバイアスはあるわけですけれども、選挙管理が失敗に終わって以降、どうも政権の物言いが全体的にちぐはぐな印象が拭えません。

 まあ、今回の金賢姫来日にしても、明確なミッションがあったわけではなく、いろんな意味でパフォーマンスであったということに尽きるので、そこに何らかの価値を見出したい人にとっては耐え難い感情もあったんだろうなと。

 テロリスト批判はともかく、超法規で来日を仕切っておいて、その目的や行幸内容が微妙すぎる状況というのは看過するべきではありませんし、見ようによっては明らかな北朝鮮に対する日本政府からの挑発であります。や、挑発はいいんだ、との議論も成り立ちますが、挑発というのは相手を激昂させるなりして正気を失わせしめ、然るべき課題や状況に相手を誘導するのが目的で行われるはずです。しかし、実際に中井さんが仰っていることは北朝鮮に対して単に「バーカ」と言っているだけであって、それをもって日朝交渉で優位に進めるための何かや、北朝鮮の対日工作そのものに対する作用など現時点で何一つ明らかにならないというのは不自然なことで。

 「実際に、金工作員を日本に呼ぶからには、何らかの落としどころがあってのことだろう。すぐに発表するわけでもないから、少し時間がたってから論評しよう」と思っていたら、報道を見る限り見事なまでに何も考えていなかった風情の話であり、がっかりであります。

 煮てもいないのに、よく開く蛤ですね、ほんとに。