前回に続いて今回も直接誰ともどことも関係ない国政選挙でありまして、改めて推移などを見ていると感慨深いものも一部あったので、雑感風に。

 結果とか思い返したい人はこちら。

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/
● 一票の格差とか

 例えば鳥取の浜田さん当選が16万票弱、東京の殿軍当選が松田さんで65万票あまり。そろそろ頑張って是正したほうがいいんじゃね、と東京に住民票のある私は思う。

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/kaihyou/ye31.htm

● みんなの党躍進とか

 海外にいると、日本で経済重視政策の泡沫政党が躍進したと聞いて「なんで経済政党が"Your Party"なんだ?」とか質問される。こっちが聞きてえよ。

 心情的には景気が回復する前に増税はいかんと思う私は支持したいんだが、選挙速報で渡辺喜美氏が破顔つーか満面の笑みを湛えてVサインしているのを見て、どうだかなあと感じてしまった。二大政党がなぜか増税路線で一致しているという不思議な選挙だったんで、一時的に浮き上がったに過ぎないとも思われかねないはずなんだが。

● 小沢外しとか

 途中まで小沢さんとその周辺が頑張って選挙戦術を組み上げている途中で、幹事長になったのがあの枝野さんであることを考えてしまう。支持率の急落した菅政権を掲げての選挙がうまくいくはずもないと思うのだが、それでも責任論が出るのもむべなるかな。

 今回、別に小沢さんが幹事長を職権放棄したとかそういう話でもないので、ただ二人区に両立てして見事に一人しか当選させられず上積みゼロというのはどうにも。

● 敗因とか

 選挙速報とかでは消費税増税で支持を失ったのが敗因となっているようだが、支持動向や得票推移を見るに、三日前までは49議席から53議席ぐらいの予測でずっときて、最後の局面で菅さんが「普天間や金の問題を解決した」とか余計なことを喋ったのでどどっと互角なところが壊滅したという雰囲気で。

 争点のはっきりしない選挙であることは誰もが認めていて、そういう場合はまず景気、つぎに政治改革をという雰囲気のような話が主題になりがちなので、とにかく失点を減らすしか勝ちに繋がる方法はないのだ、ということが改めて良く分かった選挙でした。

● 菅降ろしとか

 民主党の中がどうなっていくのか、外部からはちいとも分からんところではありますけれども、九月の代表選、党大会へ向けてあれこれ策動があるとかないとか。安倍政権から始まって、福田、麻生、鳩山と一年前後で政権が投げ捨てられてきた現代政治において、ここで党内事情で菅さんが政権から放り出されるとかなると、こりゃもう頭が頭痛な感じがして馬が馬鹿だという風にも思うんで、もうちょっとどうにかしようよと。

 そうこうしているうちに、国家戦略局も結局はただの知恵袋組織になってしまいました。もう次官会議でも名前変えて復活させたほうがいいと思うんだけどね。

● いろんな人の浮き沈み

 選挙区見てたら、やっぱりいろいろありますねえ。

 ・ 千葉法相

 神奈川県民が叩き落した千葉景子女史、70万票に届かず堂々の敗戦。辞意を示して慰留されての留任というのもちょっと。まあ、ポリシーがありますから、法相には居続けたいんでしょうね。

 ある意味、菅政権が「本格的左派政権」とするならば、まさに政策スライダー的にはもってこいのど真ん中左派であることを考えると、政策論争をする上での命綱でもあるんで辞任は最初から菅さんの選択肢にはなかったのでしょう。

 ・ 輿石東さん

 まさかの大苦戦となった輿石さん。前日、某所で山梨県の県民性についてお話させていただき、どんなに苦戦してもクビ皮一枚で大物を通すのが山梨なんですよ、というような予言どおりとなって、個人的にはホッとしてますが社会的にはふざけんなの様相であります。早くも山梨教職員組合の違法集票の嫌疑が報じられるなど、最後の最後で背に腹を随分やらかしたツケが出てきているようであります。山梨なのにトロピコの選挙みたいでかっこいいです。

 ・ 民主比例

 なんか有田芳生・谷亮子両氏のツートップ。これはなんでしょう。その割に、八代英太、喜納昌吉、工藤堅太郎、などといった高齢地味メンが軒並み落選の憂き目に。潮が向いていれば通ってたんでしょうなあ。池谷幸雄とか桂きん枝が5万近く票を取っていることを見て、心ある有権者としてはどう思うべきかは触れないでおこうと思います。

 ・ 自民比例

 上位5人がすべて女性で、しかもあまりお目にかかりたくない皆さまばかりという状況がまた野党・自民の壮絶さを醸し出しているのであります。一方、清原を巨人から追い出すという快挙で球界に新風を巻き起こした堀内恒雄さんが惜しくも落選。自民でも保坂三蔵さんなど、昔の顔が及ばずで世代交代でありました。神取忍女史はなんだったのかは次回選挙で明らかに!

 ・ たちあがれ日本比例

 政党名が政党名なので、メディアでは「た」とか「たち」とか「たち日」とか「た日」とか訳の分からん略称となって、みんなの党なみに選挙報道の品位を押し下げた感じの本党。大方の予想通り1議席獲得で大団円… といいたいところだけど、通ったのは虎ちゃん。姫井女史に退治されちゃった、片山虎之助氏がいまさら政界復帰してどうすんのだろう。ますます老人党のポジションを鮮明にしようというのか、といいつつ何気に集票で大活躍したのは中畑清氏だったというオチ。いかがなものか。

 ・ その他

 キングオブ泡沫候補の幸福実現党が、第一位ドクター中松の3万票あまりで好き者と一緒に轟沈してたり、存在感がまるでなかった日本創新党が中田宏、山田宏の両ひろしが無事落選してたり、いろいろありました。ただ、全般的に泡沫は引き続き泡沫で、順調に落選しているなあという以上の感慨がまるでないところが残念であります。罰ゲームとしては、この中から一人選べ。

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/kaihyou/yb852.htm